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特訓開始


「よーしあと八周だ!」

「む、り、死ぬ」

あのぐだぐた結婚式の翌日から悠馬の特訓が始まった。

 九時〜十二時 体力づくり

「では空気中の魔力を集めてください」

「ふぬぬぬぬ」

昼ごはんを食べて一時〜四時まで魔力制御と能力特訓

「よし、俺も本気で行くからお前も殺す気でこいよ!」

五時〜七時まで実戦訓練

本来は八時までやるはずだったが悠馬が駄々をこねたので七時までに変更された。

七時半〜八時入浴

八時からは自由時間だ。ここまでぎっしりやることを決めらめると、まるで修学旅行のようだ。内容は全く違うが。

「やっと一日が終わった。一日で体ばっきばきだよ」

悠馬は自分のベットに寝転がりながら呟いた。

「お疲れ様でした。ダーリン」

メドゥーサがお茶を差し出す。

「ありがとう。それとダーリンはやめてくれない?なんか恥ずかしくて」

悠馬は顔を赤くしながら言うがメドゥーサはポカンとする。

「まさか私が嫌になったんですか!?」

「なんでそうなるのさ!!」

「だってダーリンが嫌だって」

メドゥーサがやけに悲しそうな顔をするのでこっちが悪いみたいな気持ちになってしまう。

「呼び方を変えて欲しいんだよ」

「でもダーリンって呼び方気に入ってるんです」

またなんか自分が悪いことをしてるみたいだ。

「分かったよ。じゃあせめて二人の時だけにして」

「なるほど!分かりました」

メドゥーサが手を叩く。

「二人の時はダーリン。ケルベロスさんがいるときはあなた。他の人がいるときは悠馬さん。どうです!?」

「うん、いいと思う」

一瞬他の人がいないだろと思ったがこれから特訓を終えたら勇者を倒しに街に行く。当然街には人が大勢いるだろう。そのときのことも考えてくれたようだ。

「やっぱりメドゥーサはいい奥さんになるね」

「ええ!?ど、どうしたんですか急に」

さっきまでは悠馬の顔が赤かったのに今度はメドゥーサが真っ赤だ。形勢逆転である。

「ほ、ほら明日に備えてもう寝ましょう!そのお茶に少しポーションも混ぜてあるので回復できると思います!」

やけにあたふたしている。そんなに恥ずかしいことを言っただろうか。

「それもそうだね。じゃあおやすみ」

お茶を飲み終えてすぐにベットに入った。このベットはもともと魔王軍幹部の一人のベットらしく、ダブルベッドより少し大きめのサイズだ。

(今はメドゥーサもベットに座ってるから分かんないけど一人だと何回寝返りできるかな)

なんだが凄くわくわくしていた。

「じゃあお茶片付けてきますね」

そう言ってメドゥーサは部屋から出た。

「では実験のお時間です隊長」

自分でも何言ってるのかわからないがなんとなくノリでいってみた。

「それでは!いざ!」

悠馬が子供のように転がり始めた時

「お待たせしました〜」

「あれ?」

ドアを開けたメドゥーサと目があった。

「?なにをしてたんですか?」

「イイエナニモ」

控えめにいってめちゃくちゃ恥ずかしい。もうベットにダイブしたい。あ、してるわ。

「では寝ましょっか」

メドゥーサは悠馬のベットにごそごそと入ってきた。

「え!ちょ!何してんの!?」

「えっ?眠ろうとしていますが?」

「なんで俺のベットなんだよ!?」

「夫婦ですから!」

メドゥーサは満面の笑みで微笑んだ。こんな顔されたら断れない。

「じゃあおやすみなさい」

「ん、ああ、おやすみ」

「………」

ごそごそ ビクッ ススス 

「………」

ごそごそ ビクッ ススス

「…………なんでですか」

「なんでっていわれても」

今この二人はメドゥーサが悠馬に近づいては悠馬が逃げると言う行為を繰り返した。

「ここまで臆病だとは思いませんでしたよ!?」

「俺は彼女いない歴十六年の童貞ですよ!?それどころか女性と話すのなんか小学生以来です!!」

咄嗟に反論したが結構恥をかいた気がする。

「仕方ありませんね。私が先導してあげましょう」

「え?休まないの?」

「休みません」

「ええー」

「ではいきますよ」

メドゥーサはバッと両手を広げた。

(ええ!これやばくね!いいの?いいのかー!!)

ギュ

「…………へ?」

「なにこれ?」

「ハグですよ?全くハグもできないほど女性耐性がなかったとは」

「…………」

(寝よう)

特訓一日目 終了 

二日目、三日目も同じメニューで特訓し、それを一週間繰り返す。

一週間後

「よし、じゃあこれから体力づくりは実戦を増やすぞ!体力づくり二時間、魔力制御二時間、実戦五時間だ!」

「え?実戦長くない?ねえ長くない?」

助けを求めるためメドゥーサに目線を向ける

「あなた、頑張ってください!」

「そんなぁー!!」 

実戦場  

「行くぜ!咆哮(ハウル)!!

咆哮とはケルベロスの能力の一つ。自分の周りに魔力を集め、衝撃波として放つ。

「うおお!」

悠馬は間一髪で回避する。

「まだまだ!次だ!」

ケルベロスは咆哮を繰り返す。

「うわにぎゃあごふぉあー!」

もうとにかく逃げまくる。この衝撃波の中どうやって攻撃しろというのだ。

「あなた!ケルベロスさんの咆哮を奪えばいいんです!]

なるほど。衝撃波には衝撃波、

「って嫌だよ!なにが嫌かって奪う方法が嫌だ!」

「おらおらどーした!!」

「こんのぉぉ!」

なんとか衝撃波をかわしながらケルベロスに殴りかかる。

「おっと危ねえ」

しかし普通に掴まれる。こんなの勝てっこない。反則だ。

「手、離さなくていいのか?」

「離させてくれないんじゃんか!」

悠馬の手は完全に掴まれていて動けない。

「じゃあやるぞ?咆哮!!」

「こんなの無理だー!!」

悠馬が衝撃波に吹き飛ばされ、壁に激突する。

「だ、大丈夫ですか!?」

「あ、やり過ぎたか?」

「ケルベロスさん!」

メドゥーサがケルベロスを睨む。怖い。

「わ、わりぃ」

「いや、いいよ。実戦訓練なんだしさ」

「・・・でも」

「それに奪えたみたいだ」

「あん?」

悠馬がステータスを皆に見せる様に表示した。

保有能力 [ドレイン] [石化の魔眼] [咆哮]

「わあ!ホントですね!」

どうやら相手に触れれば能力を奪えるようだ。

「やったじゃねえか!それならもう一戦だ!」

ケルベロスがいきなり咆哮を撃つ。

「うわぁ!せめてポーション飲ませてくれよー!!」

悠馬の特訓は始まったばかりだ!次回へ続く!

  

 


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