表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ALL NEW MATERIALS:8888  作者: Celaeno Nanashi
第一話【8888:異世界転生?】
2/26

第一話【8888:異世界転生?】II

 ALL MEW MATERIALS 8888



 広大な、あまりにも広大な砂漠が広がっていた。

 いくら目を凝らしても、周りには植物も建造物も何一つ無かった。

 そして遠く彼方の黄色い地平線から上は、そのまま空の果ての宇宙にまで吸い込まれてしまいそうな、徐々に藍色になってゆく空が頭の天辺まで続いていた。

 鬱くし異世界だった。

 としか例えられなかった。

 それは彼のボキャブラリーが記憶喪失によって機能不全に陥っているからだけではなく、

 こんな景色を生まれてこの方見た事が無かったから。

 だから、この世界は鬱くしく、そして異世界だった。

 そんな風に表現するしか無かった。

 思わず見とれて、

 ずっとこんな所にいれば干からびて死んでしまう。

 という当たり前の生命の危機にすら気付かなくなってしまう程に。

 ぐらり、と彼の視界が揺れた。

 魂が少しずつ脳天から蒸発し始めた。

 立っているハズなのに身体が崩れ落ち、

 思わず腕で近付く地面を押しやろうとしたが、

 その腕もくにゃくにゃに曲がってしまい、

 あっという間に砂を食べさせられてしまった。

 確かに暑さは苦しく口の中の砂は不愉快なのに、

 意識が天高く昇ってゆく感覚は何処か開放感があった。

 こんなに綺麗な場所で眠りにつけるのなら悪くはないかもしれない。

 そう思い始めた、

 「おーい! 君! 大丈夫!? しっかりして!」

 その時だった。

 女性の声がした。

 そして、声のする方へと顔を向けながら瞬きをした、

 「ふぁ!?」

 その一瞬の間に自分の居場所が砂漠から何処かの日陰に変わっていた。

 「んなっ!? ……あっ、……ああ」

 思わず跳び起きた。

 そこは何処かに建てられた掘っ立て小屋の中らしかった。

 そして、まただ。

 何処からともなく幼い少年の声が聞こえ……。

 否。

 ようやく彼は気付いた。

 そして「お、気がついたか。いやーびっくりし「いきなりで悪いんだけどさ、キミ鏡持ってる?」へ?」自分を助けてくれたのであろう、砂漠の遊牧民族染みた服を着た緑髪の女へ問う。

 「いや、君って……あのさ、一応私、君よりお姉さんだと思うけどなあ……」

 「人は見かけによらないものです。僕多分今は天才美少年の姿をしてると思うけど「天才美少年」ホントは40過ぎのハゲオヤジだから「40過ぎのハゲオヤジ」さ、分かったらさっさと鏡」

 怪訝な顔を見せながらも、女はポケットの中の手鏡を渡し、彼は遂に自らの今の姿を目の当たりにした。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ