春の慌てん坊
節目の日に豆を撒き、
いつの時から鬼は外
福を呼べば同じ向き、
巻き寿司頬張り明日願う。
畑のお肉と呼ばれる訳、
豆腐に味噌汁油揚げ
オヤジは皆酒肴、
うちの赤鬼酔って寝る。
何時ものオヤジ鬼だけど、
母ちゃん優しい青鬼に
風邪をひくなと毛布かけ、
静かに片付け角は消え。
ぼくらに角出し勉強は?
あれやれこれやれ明日の支度、
言われるままに膨らむカバン
これじゃ毎日肩凝りに。
我が家は昼夜鬼ヶ島、
大陸から来た渡り鳥
春まだか?花見に桜探してる、
メジロも枝から枝に跳び。
まだ白い富士の麓、
飛んで来たが慌てん坊は
恥ずかし頬を紅くして、
山の向こうへ隠れて行った。
もういいよ?まあだだよ?
窓の外には梅つぼみ
出番はこれから桜の前に、
花見の支度告げる頃。
空の顔色変わり、
濃い雲青空邪魔をして
これも何度か繰り返し、
春はこれから薄着の頃。
紅く染まるは富士の山、
昼間が延びる節目の時に
日暮れの眩しさ暖かさ、
慌てん坊が春思う時に…




