表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/86

5.魔王の力


俺を庇い貫かれたデュラハンの身体から剣が引き抜かれる。


ガシャン!


という鎧が倒れる大きな音で我に代える。


「チッ、邪魔をしよって……」


「お前!!」


聖魔剣を振り抜くがそこには何も居なかった、魔王は既に広間の反対側にある玉座に座っていた。


「くそ!」


直ぐに追撃に出ようとするが、それをデュラハンが俺の腕を掴む事で止める。


「っ!!」


デュラハンは落ち着けと言いたげに俺の腕を離さない、だが、着実に掴む手は力を失いつつある、刺された鎧からは黒い靄が空中に消えていき、その存在が消えつつ有ることを物語っていた。


「どうした聖魔剣使い?所詮はただの魔物、悲観することはないだろ?」


その物言いとニタついた顔はデスの物ではなかった。


「……お前はデスじゃないな?」


「当たらずも遠からず、今はわたしがデスだ」


「……本人はどうした?」


「だから、わたしが……」


「答えろ!!」


殺気を込めながら怒鳴る、魔王はため息を着きながらめんどくさそうに。


「死んだよ、いや、正確には消滅か?存在事態が抹消されたのだからな?」


魔王が高笑いをする。その瞬間何が切れた音がした。


「明くん!?」


澪の声がやたら遠くに聞こえた。気づいた時には魔王に向かって聖魔剣を再び叩き付けていた。


「クックックハハハ、聖魔剣も使えないのに、よくやるな?」


「黙れ!!」


聖魔剣は軽々と魔王に受け止められる。


何度かの応戦の後、力負けして吹き飛ばされる。


「ガッ、グッ……」


「明くん!」


「邪魔はさせん!!」


俺と澪達の間に魔物の壁が出来る。


「くっ、澪、司!」


「明!」


「今は生き残ることを考えろ!」


「………明、わかった!みんな!陣形を組め!」


司の指示に従い、勇者組は一ヶ月間みっちり仕込んだ陣形を組始める。


「あっちは大丈夫そうだな」


本来エルフの弓とガレオンの重装甲を踏まえた陣形だが、うまく司が調整したらしく、問題無く立ち回っている。


「あとは……」


「よそ見をしてていいのか!?」


司達の状況を確認していると、魔王に蹴り飛ばされる。


「チッ、癖の悪い足だな!」


魔王の足に向かって聖魔剣を横凪ぎにする。


「フン、陰気な剣だな、陰剣道だったか?」


魔王は軽く剣でいなし、現代の知識を披露する。


「………前の勇者の知識か」


少なくとも、この世界には剣道は無かった、あるのは剣術だ。


「あぁ、そうだよ、わたしは宿主の知識を食らう、お前の知識も食らってやりたいが、勇者で無いのが残念だよ」


「ちっ、趣味の悪い」


「お前の代わりに、あそこに居る娘を食らうとするかな?」


澪を指差し、笑うデスの顔に拳を叩き込む。


「させると思うか?」


拳は届く寸前でデスに止められる。


「お前に止められるのか?」


「グッ……」


そのまま投げ飛ばされ壁に叩きつけられる。


「さて、そろそろ遊びは終わりにしようか?」


そう言うと魔王はその体に剣を突き刺した。


「くくく、この剣はな、聖魔剣・死王と言って、まぁ、簡単に説明するとわたしの本来の力を取り戻す事ができるのだよ!」


徐々に禍々しい黒い靄が膨れ上がる。その靄は炎の様に揺らめくが霧散することはなく、高い天井に届くほどの大きな影になる。


「見よ!恐れよ!これが我が本来の力!」


「………絶望の化身とは良く言ったもんだな」


その姿はまさに絶望、威圧感も去ることながら、見た者に死の恐怖を与える力でも有るかのようだ。


「加えて頼みの綱の聖魔剣は使えない、ナビさん?何か良い手は無いかな?」


〈…………〉


どうした、何か言ってくれよナビさん。


〈二つだけ、有ります〉


ほう、聞こうじゃないか。


〈一つは、この場から全力で逃げること、少なくともマスターは助かります〉


却下だ、司達を見捨てる選択肢はない。


〈二つ目は、勇者の一人を犠牲に魔王を再度封印する事です〉


却下だ!!誰かを犠牲になんて、絶対にしない!


「………結局やることは変わらずか」


「いい加減諦めよ、その方が楽になるぞ?」


「あいにく、諦めが悪い性分でね、行くぞ魔王!」


未だ見ぬ勝機を信じて聖魔剣を振り上げる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ