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9.決戦、魔王・ダンガロン

「グハハハ、防いでばかりじゃないか?」


盾で受ける練習をしていた俺に、手も足も出ないと思ったのか、高笑いをするダンガロン。


「なら、攻めてやるよ」


結界を棒状に作りだし、それをダンガロンに向かって投げる。


キン!キン!キン!


結界は弾かれ砕け散る、てゆーか、本当に岩か?違う音したぞ?


「グハハハ、無駄無駄無駄!ワシにそんな攻撃通用せんわ!」


なら、結界で中から引き裂いてと思ったが、それもできないらしい。


「俺は城壁を取り込んだのだ、故に最強の防御力を持っている!」


え?壁食ったの?何かそうゆう虫いたよね?


〈動物の中にも、壁を舐めたり、噛ったりして塩分を取り込む事があります〉


へぇ~、そうなんだって、そんな豆知識今はいいよ。


「さらに、グォォォォ」


この上巨大化か、大きくなるの好きだな。


「さぁ、潰れろ!」


声も大きくなったな、もはや騒音レベルだ。


振り下ろされる大型鉄球の様な拳をアイギスで受けとめる、やはり吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。


「どうした?手も足も出ないか?何だったら反撃してもいいんだぞ?」


「あぁ、じゃあ、そうさせて貰おう」


「なに?」


俺はアイギスの下部、本来は地面を突き刺す支えの部分を持つ。


「盾で殴るつもりか?」


「いいや、これは斧だよ」


そう言うと、持っていた部分を引っ張る、盾は畳まれ、柄は伸びて両刃の戦斧が出来上がる、イメージ的には折り畳み傘だな。


「斧だと?そんな物で何ができる!」


再度振り下ろされる拳、今度は受け止めるのではなく、回転して避ける。


「ならば、お見せしよう何が出来るのかを!」


回転時の遠心力を利用し、ダンガロンの腕にアイギスを叩き付ける。


「グガァ!な、何だと、ワシの腕が……」


ダンガロンの腕は、アイギスにより両断されていた、いや、両断よりも叩き切られているが正しいかもしれない。


「な、何故だ!なぜワシの腕が!?」


「いいことを教えてやる、アイギスの能力は盾時に受けた衝撃を、斧の攻撃力に加える事ができるのさ」


そう、衝撃をである、本来なら衝撃を全て溜め込み、斧の力に変える所なのだが、俺に盾で受けとめる才能がないために威力は半減である、が、これでも倒すくらいは余裕だ。


「さて、34回だ」


「なに?」


「俺は、全然、まったく、これっぽっちも気にしてないが、お前に吹き飛ばされた回数34回だ、なので34回耐えろよ?」


〈気にしてますね〉


気にしてないよ?ただちょっとイラッとしたたげだよ?


「くそ、聖・魔剣使いめ!」


振り下ろされる拳を今度は、斧で正面からフルスイングで叩き切る、直ぐにダンガロンの足下まで移動し左足を切る、バランスを崩して身体を支えるために伸ばした左腕を切り飛ばす、倒れてきた胴体を深く切りつける。


ここまでで分かったのは、再生はするが体内の質量は変わらないらしい、なので今は先程より一回り小さくなっている、ならばちょうどいい大きさになるまで切り刻んでやろうじゃないか。


その後、腕を切り飛ばす事5回、足を切断する事4回、胴体を抉る事8回、頭を殴り飛ばす事2回、あと10回まで来たところで再生ができなくなるまで小さくなってしまった。


「もう少し耐えろよ」


「くっ、黙れ!」


「しょうがない、終わりにしようか?」


あちこち崩れた状態で殴り掛かってくるダンガロンの頭を切り飛ばす、ダンガロンは核を頭の中に持っているので首を跳ねた位では死なない、だがもう再生する力はないだろう。


「グウウ、おのれ……」


「お前には、聞きたいことがあるからなまだ死なせない、何故俺の事を知っていた?」


「インセクトから情報が回ってきたのだ」


「インセクトから?やはり魔王同士は繋がりがあるんだな?」


「グッハハハ、その通りだ!我々は人間どもを滅ぼすため、ある御方の指揮の元動いている!」


「その、ある御方って?」


「それは、ガッ………」


「お喋りが過ぎますよ?ダンガロン」


ダンガロンの頭が急に喋らなくなり、替わりに機械音声の様な不気味な声が聞こえだした。


「誰だ!」


「これはこれは、挨拶が遅れました、わたくし魔王・ゴーストと申します、以後お見知りおきを」


「お前がダンガロンを殺したのか?」


「ハイ、余りにお喋りだったので」


「なるほど、なら、今度はお前に喋って貰おうか?」


間髪入れずアイギスを振りかざすが、ゴーストの身体をすり抜けるだけ、名前から想像できるとおり普通の攻撃は通用しないらしい、ならばと火魔法で焼き付くそうとするが、これも効果はなく平然と炎の中から現れる。


「ふふふ、ずいぶん乱暴ですね?」


「悪いな、得たいの知れないやつに手加減はしない主義なんだ」


「傷つきますね」


「どの口が言うのやら」


「わたくしに口はありません、ですのでそろそろ失礼します、余り長く離れていられるほど暇じゃないんです」


そう言うと、ゴーストの体がゆっくり消えていく、どうやら逃げられたが、やはり魔王は個人で動いていない、話が違うじゃないか。


苛立ちを一度腹に押し込め、ひとまず街の残党狩りに行くとするか。

どうやらゴーレム達は操る者がいなくなり、無秩序に暴れているらしい。


「アイギスじゃあ過剰戦力か?まぁいいか」


そう言いながら街に戻り、道中あらかたゴーレムの討伐をする。


門が見え始めると、そこには司達とエレナ姫、ダイアの姿が見えた。


「明く~ん!」


また、このパターンか、いや、たまには嗜好を変えてみるか?

腕を大きく広げて抱きついてくる澪を、同じく迎えようとする俺、の様に周りには見える幻覚を小烏丸を使って見せる、さぁどうなるか……


「明くんやっと私の気持ちに答えてくれるんだね、今日が私達の初夜………」


澪の動きが止まる。


「違う、これは、私の明くんじゃない……」


幻覚は完璧のはずなのに、何で分かるんだ?さらに……


「本物は、そこだ!」


「いや、だから、何でわかるんだよ?」


「私が明くんを見間違うなんてありえないよ!」


「僕は全然分からなかったよ」


「俺も、わからん」


「そ?あたしはちょっと澪の言う事分かるけど?」


「くっ、わたくしは分かりませんでした、澪さま是非ともその業を教えていただきたい!」


「うん、いいよ、一緒に明くんマスターになろう!!」


何それ?絶対なって欲しくない二人が、変なもの目指し始めたんだけど!?


「うわ~何か変な事になってる」


「何言ってるの?鈴もだよ?」


「ええ!?」


「あははは……」


「エレナちゃんもね?」


「わ、私もですか!?」


「………」


「ダイアさんは……」


「……!?」


「……まだかな」


「よ、良かった……」


心の底から安堵しているダイア、その判断基準なに?


とりあえず、ここで立ち話をするのもどうかと思うので一旦城に行く事になる。

道中は街の住民からの拍手喝采がすごい事に、まるでパレードだな。


み「さぁ、皆で明くんマスターになろう!」


す「いや、誰もそんなものになりたくないし」


み「まずは、明くんが普段身に付けている物の匂いを覚えよう!」


す「初っぱなからぶっ飛びすぎじゃない!?と言うかそんな物何処にあるのよ?」


み「うーん、一番は制服かな?」


す「……澪、たまに貧血って言って体育の授業抜けてたよね?ひょっとして……」


み「……では、また次回!」


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