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7.帝都奪還開始

馬車の旅三日目ようやくノーランドに着いた、ノーランドは商業都市というだけあり、それなりの大都市だ、加えて行商も必ずと言っていいほどよるため、人の行き交いが激しい。


「と、見た目で判断してみたが、平和そうだな」


「うん、皆いきいきと商売してるね」


「本当に、魔王に攻められてる国かここ?」


「とにかく、中に入って市長に話を聞こう」


ダイアが居るため、街には難なく入れた、入ってまたビックリ人が普通に生活をしていた、防衛の為に殺伐としているなんて事もない。


直ぐに市長に会いに行き、取り付いで貰う。


「ようこそ、お越し下さいましたダイア様、本日はどういったご用件で?」


「ああ、実はな……」


ダイアが経緯を説明する、魔王に城が占領されている事、今奪還の為に動いている事、補給をさせてもらいたいこと。


「……やはり、噂は本当だったのですね」


「噂?」


「ハイ、行商達の間で帝都が陥落したと、ですが、あくまで噂、見ての通り街は平和そのもの、魔王の手下処か魔物の影もない」


「だから噂止まりか、だが残念ながら帝都は陥落したのは事実だ」


「そうですか……分かりました補給の物資を用意させましょう」


「すまないがよろしく頼む」



補給ができて一安心とはいかない市長の話により、どうやらあまり良い状況ではないことが分かった。


「なんで、魔王は街を攻めて無いんだろう?」


「うーん、お城で休憩中とか?」


「…………」


「何か言ってよ!」


「バカかお前?」


「そ、そんな風に言わなくてもいいじゃない!」


「もぉ~明くんも鈴もやめなさい!」


「明は何か分かったのかい?」


「あぁ、残念ながらあまり良い状況じゃあ無さそうだがな」


「何が分かったんだ?明、頼む教えてくれ!」


「まずは落ち着けダイア」


「うっ、すまない……」


ダイアが焦るのも分かる、自分の故郷が危ないかもしれないんだからな。


「これから話すのはあくまでも予想だ、絶対じゃない、それを踏まえて聞いてくれ、恐らくだが魔王はまだ他の街を攻める必要がない」


「攻める必要?」


「あぁ、魔王が街を攻めて獲られるものは何だと思う?」


「えっと、食料!」


「資源かな?」


「土地とかはどうだ?」


「……人間?」


「ちょ、ちょっと澪、人間って」


「あ、ごめん、でも、獲られるものかなって思って……」


「澪のも正解だよ」


「はぁ!?あんたまで何言ってんのよ!」


「いいか?魔王にとって人間は、食料や資源と変わらない、そこいらへんの認識がお前達は甘い!」


「うぅ、それは……」


「エレナ姫、今回の魔王はどうなんだ?」


「……ハイ、おそらく食料というよりは、資源…労働力として使っていると思われます」


「ダイア、帝都の街の規模はどれくらいだ?」


「帝都・カイザルは、ここノーランドよりも一回り大きいくらいだ」


「なら、食料、資源、労働力全てそれなりにあるって事だろう、なら、今のところ補充する必要がないという事」


「では、帝都から逃げ遅れた人間は……」


「今頃酷い目に遭ってるのかもしれないね」


「急いで補給を終わらせ、帝都を目指すぞ!」


ダイアが兵士に指示を出し、補給を急がせる。


「工藤様、本当にそうなんでしょうか?」


「分からない、だが、最悪の事態は想定しておくべきさ」


「そうですね……」


その後、補給を終わらせ急いで帝都に向かう。



二日後、やはり魔王からの妨害はなく、何事もなく帝都にたどり着く事ができた。

帝都に着くと、門は全て閉められ入る事も出る事もできない状況だった。


「さて、どうやって入ったものか?」


「我々が逃げる時に使用した抜け道を使おう」


「まだ使えるのか?」


「あぁ、使えるはずだ、何せ王族しか開くことのできない扉があるからな、他の者から見たらただの壁だ」


「なら、そこへ行って見るか」


門の反対側一見何にもない壁の前に移動する。


「ここだ、中には魔王の配下が居ると予想される、まずは逃げ遅れた民の避難を優先したい、皆準備はいいか?」


全員が頷く中、俺もデュアルホーンを取り出す。


「よし、突撃」


街の中は酷い有り様だった、魔物と兵士の食い散らかした様な死体、壊された家屋。


「うっ、ひどい」


「大丈夫か?余り見ない方がいいぞ」


「うん……」


澪達は何とか耐えてるって処か、さすがにこの光景はキツいな。


「くっ、今は救える命を救うぞ!」


「二手に別れよう、街を回る者と門を開ける者」


「それと、城塞に行く者だな」


「頼めるか?」


「任せろ!」


「分かった、アタシが隠し通路まで案内する」


「明くん気を付けてね?」


「あぁ、そっちは頼んだぞ司」


「任せてくれ、住民は必ず無事に助け出す」


さぁ、帝都奪還開始だ!

す「うーん人間を労働力という資源として考えるか」


み「無理矢理働かされていた明くんだから出来た発想だね」


す「澪は何で思いついたの?」


み「私だったら、明くんを手に入れるために襲うかなと思って!」


す「やらないでよ?」


み「……では、また次回!」


す「やらないでよ!?」

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