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3.ギフト

「そなた達は、勇者に選ばれた、異界の地に行き、世界を救うのだ、そのための力を、我が授けよう」


澪から聞いた話だと、神様にそう言われたらしい。個人個人で神様に会うらしいのだが、俺にはまったく記憶にない。


「先ずは、皆様のギフトと、ステータスを確認させていただきます。」


そうエレナ姫が言うと、魔術師風のローブを着た男が、水晶の乗った台座を持って来た。


「こちらは、その人の、ステータスを見る為のマジックアイテムです」


そう説明すると、エレナ姫が水晶に手を置く。

すると、水晶が淡く光、ステータスが浮かび上がる。


ステータス

名前:エレナ・ルイ・ベアトリス 年齢:16歳

レベル:14 種族:人族 性別:女

称号:王国の姫 回復魔法使い 

スキル:回復魔法 水魔法 防御魔法 付与魔法 剣術 盾術 杖術 

と、これがエレナ姫のステータスらしい


ちなみに、平均的な一般兵士のステータスが


ステータス

名前:兵士A 年齢:25

レベル:20 種族:人族 性別:男

称号:王国騎士

スキル:剣術 盾術 騎乗術


である。

そう考えると、エレナ姫ってまぁまぁ強いんじゃないか?


「皆様には、順番にステータスを見させていただきます。」


エレナ姫の言葉に従い一人づつ水晶に手を置く。


順番待ちをしている間、澪から自分のステータスの見方を教わる。


「自分の中に意識を向ける様にして、ステータスって唱えるの、馴れてくると、声に出さないでも、見れる様になるよ!」


なるほど、とりあえずやってみるか。


「ステータス!」


で、出てきたのがこちら。


ステータス

名前:工藤 明 年齢:17歳

レベル:1 種族:人族 性別:男

称号:異世界の旅人(聖・魔剣使い)

スキル:鑑定 言語理解 

(聖剣術)(魔剣術)(全属性魔法)

(隠匿…発動中…)(ナビシステム…準備中…)


どうやら、鑑定と言語理解は、全員持っているらしい。

ん?( )って何だ?あと準備中と発動中も気になるな。


澪に聞こうかと思ったが、それは歓声に阻まれる。


「素晴らしいですわ、聖治様これまでで、一番の力をお持ちです」


歓声を上げた一人エレナ姫が言う。

その言葉に、誇らしげにしている日野のステータスがこれだ。


ステータス

名前:日野 聖治 年齢:17歳

レベル:1 種族:人族 性別:男

称号:聖なる剣の勇者 光の剣士

スキル:聖なる剣 光魔法 闇耐性 剣術

格闘術 鑑定 言語理解 成長率上昇


確かに強いな、(  )を含めれば、俺の方が強そうだが。そんな日野が俺に近づいて来る。


「さぁ、今度は工藤、お前が鑑定を受けろよ!」


何だ突然俺に話を振るなんて、何かありそうだな。まぁ、別に何でもいいか。

言われた通り、俺は水晶に手を置く。

表示されたのは…


ステータス

名前:工藤 明 年齢:17歳

レベル:1 種族:人族 性別:男

称号:異世界の旅人

スキル:鑑定 言語理解 


だった、あれ?何か違くない?と思っていると、高笑いが聞こえた。


「ククク…アッハハハ、やっぱりだ、お前、勇者じゃないな!」


こいつ、これを知っていて、やらせやがったな。周りを見ると、エレナ姫が悲しそうな目で見ており、国王は憐れむような目でこちらを見ながら、兵士に何か囁いている。

これは、何かありそうだな…


心配そうに見てくる澪達に、目配せで平気だと伝え、水晶から離れる。

その後、何事もなく鑑定が終わる。


「それでは、皆様お疲れでしょうから、本日はそれぞれの部屋でお休み下さい、これからの事については、明日ご説明させていただきます」


エレナ姫がそう言うと、それぞれ兵士やメイドに連れられ部屋に案内される。

その時、何故か俺だけまったく別方向に連れていかれた。またもや、心配そうに見てくる澪達に、大丈夫な事を目配せで伝える。


その後、俺が兵士に連れてこられたのは、一つの部屋…いや、部屋というより物置だった。


「今日から、ここがお前の部屋だ」


連れてきた兵士が、笑いながら言う。


「ふざけてるのか?」


俺が、言うと兵士は苛立たしげに言う。


「お前は、勇者じゃないんだ、王城に住めるだけありがたいと思え」


言うや否や、俺を蹴り飛ばし、部屋の中に押し込み扉を閉める。

扉を閉めると、小窓しかない部屋は薄暗く、じめじめしていた。Gが好きそうな環境だ。


「いたたた…まったくこの国の兵士はクソか」


一人悪態をついていると、頭の中で声がする。


〈大丈夫ですか?マイスター〉


うん?何だこの声、俺は頭がおかしくなったのか?


〈いいえ、マスターはあくまでも正常だとご報告します、私はナビシステムでございます、ナビとお呼び下さい〉


ナビシステム?あのスキルの?


〈はい、その通りですマスター〉


なぜ突然喋り出したんだ?


〈思いの外起動に時間が掛かってしまいました、申し訳ありませんマスター〉


あぁ、準備中っていうあれか、まぁ別にいいんだが、えっと…ナビさん?は何ができるんだ?


〈敬称は不要ですが…私は、マスターのサポートをするために創られました〉


創られた?誰に?


〈神です〉


ナビさんの話によると、どうやら神の手違いで、俺は勇者の称号を得られなかったらしい、ただこれは神にとっても予想外の事で、原因は不明らしい。


〈そこで、不利な状況に成るであろうマスターのサポートをするために私が創られました〉


成る程ね。まぁ、助かるからいいんだがな。所でナビさんステータスの( )って何か分かる?


〈ハイ、隠匿による効果です〉


隠匿?…確かに発動中になっているが、何故だ?


〈不明です〉


…マジか?


〈マジです〉


…まぁ、いい、いや良くないけど、しょうがない、何とかする方法は?


〈スキルをオフにする事ができます、意識を集中し、隠匿スキルを無効にしてください〉


ナビさんの指示通り隠匿を無効にする。

するとステータスが変わる。


ステータス

名前:工藤 明 年齢17歳

称号:異世界の旅人 聖・魔剣使い

スキル:鑑定 言語理解 聖剣の加護 魔剣の加護 

聖剣術 魔剣術 全属性魔法

隠匿 ナビシステム


なるほど、これが本来の俺のステータスな訳だ。


〈ハイ、マスターのステータスは、聖剣と魔剣の付随効果により、常人を遥かに越える物になっています〉


聖剣と魔剣?俺、そんなの持ってないけど?


〈いえ、マスターは確かに所持をしています、通常時は私が管理をしています〉


あ、そうなんだ、じゃあ試しに、聖剣を出してもらえる?


〈ハイ、どの聖剣を出しますか?〉


ん?どの?ちょっと待った、ナビさん聖剣や魔剣て、一本じゃないの?


〈ハイ、マスターはそれぞれ百本づつ所持しています〉


…聖剣100本と魔剣100本?ひょっとしてこれって…


〈ハイ、神からの贈り物…いえ、お詫びの品です〉


バカなんじゃないか?聖剣と魔剣百本づつって何に使うんだ?これは今度時間があるときに、使えるものを選別だな、特に魔剣、ヤバそうなものが多そうだしな。


では、ナビさん今後よろしくな。


〈ハイ、マスター幾久しくよろしくお願いします〉


その後、俺はナビさんと今後について少し話、眠りにつくのであった。

この世界では、称号やスキルの多さ、内容が強さに繋がります。

今回で説明回は終わり、次回から物語が動き出します。

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