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6.決戦 魔王・インセクト

魔法での討伐が始まるなか、俺は、魔王・インセクトを探す。


ナビさん、インセクトはどこにいる?


〈向かって右側、林の中に、身を潜めています〉


了解!



林の中を進むと、一人の男が佇んでいた。


「ようこそ、お出でくださいました、勇者様」


「勇者ではないんだか、俺の事を知ってるみたいだな?」


「えぇ、私もあの村の光景を見ていましたから」


「そうか……」


「ですので、あなたへの対策は完璧です」


出てきたのは、修道服を着たシスターや神父の蟲人、これが対策?笑わせてくれる。


「もう、準備はいいのか?ならいくぞ?」


「ふん強がりを、聖剣は効果が薄いですよ?」


「……来い!魔剣・デュランダル!!」


黒い光を発しながら現れるのは、魔剣・デュランダル、聖剣エクスカリバーと対をなす剣。


「聖剣ではなく、魔剣だと?貴様はいったい……」


最後まで聞くことなく、蟲人達に切りかかる。

直ぐに蟲人を切り伏せ、その勢いのままインセクトを切りつける。


ガキンっ!


切りつけるとインセクトは正体を表し、デュランダルを受け止める。

インセクトの正体は、まさに蟲そのものだった。

触角の生えた蛾のような顔に、カマキリの鎌の生えた腕、バッタの様な脚。


「この姿を見たからには、貴様には八つ裂きになってもらいますよ!」


インセクトは、バッタの脚で地面や木を蹴り高速で跳びはね、カマキリ鎌で切り裂いてくる。どうやらこれが、奴の戦い方らしい。


ガッガッガキン


鎌による斬激を魔剣で受け止める、鎌は魔剣には勝てず、徐々に刃こぼれしていく。


「ずいぶん、鎌がぼろくなったな?」


「ちぃっ!余裕でいられるのも、それまでだ!」


体が動かせなくなる、何だ?よく見ると細い糸が絡み付いている、蜘蛛の糸か?


「クックック、動けまい、特製の糸だ!そして貴様には念には念を入れて、これで死んでもらう」


そう言うと、インセクトの背中に蝶の様な羽が生える、それをバサリと振り、りんぷんを飛ばしてくる。


「毒りんぷんだ、苦しかろう!」


ガクリと膝をつき、項垂れる俺に抗う力がもう無いだろうと、近付いて止めを指しに来るインセクト。


十分に近づき、鎌を振り上げるインセクト、それを魔剣で逆に切り飛ばす。


「グキャッ!な、何故動ける!」


「残念ながら、俺に毒は効かないんだ」


俺には、聖剣の加護がある、聖剣の加護は所持している聖剣の特性を全て付与される物、なので、状態異常耐性を持つ聖剣を所持している俺は、当然、毒は効かない。ちなみに巻き付いていた糸は膝をついているときに、デュランダルで簡単に切れたよ。


「さて、もう終わりにするか」


「く、くそ貴様はいったい何なんだ!?」


「魔王ってのは、皆同じ質問をするものなのか?俺は、ただの異世界人さ」


「おのれ、おのれ!!」


最後の悪あがきに、インセクトが残った鎌を振り上げる。


「切り刻め、デュランダル!!」


黒いオーラを発するデュランダルを振り抜く、インセクトの体に幾度も切られたように刀傷ができ、そこから、緑の鮮血が舞い散る。

一撃必殺のエクスカリバーに対し、デュランダルは重撃必殺の剣、一振りで何重にも切られたインセクトは崩れ落ちる。


「ふぅ……」


一息つくがまだ終わっていない、直ぐに澪達のところに戻り、街の防衛をしなくては。


街の近くまで戻るとどうやら勝敗は決していたようだ、近くの兵士に聞くと、魔王であるインセクトを倒した事で、魔物の動きが鈍りだし、その期に、ミレナ女王始め、澪達が魔法で討伐したとの事だ。


「明くーん!」


殺気を感じ、咄嗟に右に飛ぶ、今まで俺が居た場所を、両手を広げた澪が通過する。


「どうして、逃げるの……」


「殺気を感じたから」


笑顔なのだが、濁った目の澪がにじり寄ってくる、何だ?何か、デジャブを感じる。


そんな事をしていると、司達が集まってきた。ミレナ女王と戦果の報告をする。


「魔王を倒したのですね?」


「あぁ、そちらも、大丈夫そうだな?」


「ハイ、街にも被害はありません」


「そうか、なら一安心だな」


「えぇ、もうすぐ日が暮れます、帰ってお休み下さい」


「そうするとしよう」


戦いが終わり、身体を休めるため城に戻る、途中街の人たちの歓声に包まれ、防衛の成功を噛み締める。


す「魔王の二人目討伐成功!」


み「うん、さすが明くん!」


す「実はこれって、この世界の人にはとんでもない事なんだよね?」


ナ〈ハイ、この世界では魔王は抗うことのできないものとされています〉


す「また、しれっと出てきたねナビさん」


ナ〈ハイ、解説役を仰せつかっています〉


み「誰から?」


ナ〈作者から〉


す「まぁそれは置いといて、ねえねえナビさん今更だけど、魔王ってそんなに凄いものなの?」


ナ〈ハイ、人類にとって共通の最大試練です〉


み「それを簡単に倒す明くんて」


ナ〈異常です〉


す「うん、わかってた、あとここで真面目な話すると、落ちが見えないのもわかってた」


ナ・み・す〈『……で、では、また次回!』〉


す「次回から真面目な話禁止ね?」


み「うん、そうだね」


ナ〈了解しました〉

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