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4.魔剣の整理

翌日、俺は、女王に呼ばれていた。今回は謁見の間ではなく、女王の執務室に行く。

特に、さほど大きな話ではないので、行くのも俺一人である。

エレナ姫に案内され、執務室に入る。


「失礼致します、お母様、工藤様をお連れしました」


「ご苦労ですエレナ、どうぞお入りください工藤様」


「邪魔するぞ」


「わざわざ、お忙しい中、お呼びして申し訳ありません」


「別に構わない、暇だし」


「そ、そうですか?」


魔王が攻めてくるというのに、暇だと言う俺に女王は苦笑いをする。


「先日は、クロエ達を助けていただき、ありがとうございました」


「気にしないでいい、それで、魔王の詳しい情報は?」


「ハイ、恐らくクロエ達の報告から、蟲の魔王・インセクトと思われます」


「魔王インセクトは、その二つ名の通り、蟲を自由に操る力を持っています、そして、性格は極めて残忍な危険なものです」


「なるほど、他の村の様子は?」


「クロエ達と別に調査に出ていた者達の、一部と連絡が取れなくなっています」


「という事は、他にも?」


「恐らく、蟲人になっているかと……」


「そうか…」


場の空気が重くなる。いくつの村が蟲人になっているのか、想像したくないものだな。

だが、嘆いていても仕方ない、今は救えるものを救おう。その為には俺も強くならねば。そう考えていると、ミレナ女王が話題を変えるためか、聞いてくる。


「そう言えば、クロエに何かしたのですか?」


「何かってなんだ?藪から棒に」


「いえ、少々様子がおかしかったので」


「どんな風に?」


「そうですね…強いて言うなら、まるで、神に出会ったシスターの様にですかね?」


「神?俺は会ってないが、神ってそんな簡単に会えるものなのか?」


「いえ、気のせいですかね?」


ミレナ女王と二人で首をかしげる。


「というか、こんな話してる場合じゃないよな」


「そうですね、工藤様はこれからどちらに?」


「あぁ、訓練所に行こうかと」


「では、エレナご案内して差し上げて」


「はい、お母様、工藤様参りましょう」


エレナ姫と二人で、執務室を後にする。

向かった先は訓練所、勇者や兵士が常日頃訓練する場だ。



着くとそこでは、司達が訓練していた。

かなり実戦的なようで、司達四人と、アリシアが対峙していた。

司達四人を相手に、捌ききっているアリシアは、流石だな。司達はまだ実戦経験で、差ができてる感じかな?


邪魔にならないよう、訓練所の端に行く。


「訓練をするのでは、無いのですか?」


「俺が、ここで訓練したら、少なくとも、この街の半分が瓦礫に変わるがいいのか?」


「絶対辞めてください!」


いや、やらないけどね?


〈目標に設定しますか?〉


しないよ!?ナビさんは俺を何にしたいの?


〈英雄です〉


絶対違うものにしようとしてるよね?

破壊神とか。


〈破壊神様の御力は、この程度では、まだ程遠いかと〉


いるんだ、破壊神……絶対関わらない様にしよう。


と、ナビさんと話ていると、エレナ姫が、不安そうに見てくる。


「いや、大丈夫だ、訓練ではなく、整理しに来ただけだから」


「整理ですか?」


「あぁ、分別とも言うな」


そう言って、ナビさんに頼んで、魔剣を全て出してもらう。

巨大な魔方陣が形成され、その中から100本の魔剣が出てくる。


「な、な、何ですかこれは……」


「何って、魔剣」


これからやるのは、魔剣の整理、具体的には使って大丈夫な物と、危険な物。


魔剣を一本、一本手に取り、確認していく。


「いろいろな魔剣があるのですね」


「あ、そこにあるの、触らない方がいいよ?呪われてるから」


「ひえ!」


エレナ姫の近くの、魔剣について注意をすると、変な悲鳴が聞こえた。

気にせずに、魔剣を見ていく。


「うーん、やばそうなのが多いな」


「おーい、明くーん」


訓練が終わったのか、澪達がこちらに近付いてくる。


「あんた、そんな隅で何してんの?」


「魔剣の分別」


「聞くからに、危険な事してるね」


「ねぇねぇ、前から気になってたんだけど、聖剣や魔剣て、剣てつくのにいろんな形があるよね?何で?」


「それは、聖剣や魔剣が、あくまでもクラスを表す言葉だからだ」


「クラスですか?」


「そう、例えば、聖剣クラスの槍とか、聖剣クラスの弓とかだな」


「へぇ、何か面白いね」


「で、今はそんな魔剣の分別だが……」


「危険な物が多そうだな」


脱線した話を戻し、魔剣の分別に戻る。

一本の魔剣を澪達の目の前に持っていく。


「そうだな、例えば、これなんか一振りで、周りにいるものを狂気でつつみ、自我が戻らないようにする能力とかな」


「怖っ!そんな物掲げるんじゃないわよ!」


「私も、狂気はいやかな」


じゃあ、何ならいいんだよ、とは聞かない、やぶ蛇だからな。


「他には、血を見るまでは、収まらない衝動にかられるとか…」


「明くんは平気なの?なんだったら、私の破瓜の血で……」


「俺は魔剣使いだからな、呪いは受けないんだ」


「本当に、貴方は規格外ですね」


「頼もしいような、恐ろしいような……」


「後は、瘴気が出て、街をつつみ永遠の暗闇をあたえるとか……」


「絶対やめてください!」


「しないよ」



その後、一通り分別が終わり、魔剣の力を試そうとしたら、エレナ姫に涙目で止められたため、今日はここまでにした。


す「へぇ~魔剣っていろんなのがあるんだね」


み「うん、それはいいんだけどね、ねえ鈴何で私は簀巻きにされてるの?」


す「いや、あんた魔剣と同じくらい危険だから…」


み「そんなことないよ!?」


す「じゃあ、仮に明が他の誰かと恋人関係になったとする、澪はどうする?」


み「全部燃やすかな?」


す「仮にで凄い発想するね?」


み「核で」


す「想像以上に凄い事してた!?」


み「冗談だよ?」


す「そうじゃなきゃ困るよ?」


み「………では、また次回!」


す「今の間何!?」

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