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10.パーティー


鈴達と、これからについて、話し合っていると、エレナ姫が新しい料理を運んできた。


「おま…たせ…しま…した…」


エレナ姫は、肩で息をしながら、食事の準備をする。料理が多くなったからか、先ほどは一人だったメイドが二人に増えている。


一人のメイドは、エレナ姫と同じく、息を切らしていたが、もう一人は涼しげな顔をしていて、平然と給仕をしていた。

あのメイドできるな、ただ者じゃない。


「改めて、どうぞお召し上がりください」


「ほう、これはなかなか…」


「わぁ…すごぉい…」


配膳された料理は、先ほどの料理より、あきらかに豪華になっていた。

しかしな……まぁいいか。とりあえず食べよう。


「いいな~私もお腹すいてきたよ~」


「鈴、肥るよ?」


「うぐ、我慢する」


羨ましそうな、鈴を横目に食事を続ける。



食事を大体終えて、一息入れる、さてどうするかな。


「明くん、スープ残ってるよ?嫌いなもの入ってた?それなら…私が…くちうつ」


「いや、そうじゃないが…」


澪が危ない発言をするのを、途中で止める。


「ねぇねぇ、じゃあ、あたしがもらっていい?」


「鈴か…まぁ鈴ならいいか、いいぞ、飲んでも」


「ダ、ダメです!」


「え?」


「あ…えっと…」


俺が、鈴にスープを渡そうとすると、息を切らしていたメイドが、大声を出す。

犯人はこいつか。


「鈴、スープを飲んでもいいが、先に鑑定をしてからな」


「鑑定?うん、わかった、えーと、鑑定っと…

えっ!?ど、毒!?」


鈴の言葉に俺と犯人以外の全員が、ぎょっとする。

そして、直ぐに料理を用意した、エレナ姫に目を向ける。


「ち、違います!私はそんなことしてません!信じてください!」


「あぁ、毒を入れたのは、エレナ姫じゃあないな、

 犯人は…」


「クッ……」


犯人を告げようとしている途中で、犯人の方が逃げ出した、先ほど大声を出していたメイドだ。


毒を盛ったメイド、略して毒メイドが、逃げようとする中、それよりも速くもう一人のメイドが、毒メイドの逃げる先に立っていた。


バチンッ!


次の瞬間、毒メイドがビンタをされ、吹き飛んでいた。

あれは、生きているのか?人を吹き飛ばすビンタって……


「部下が、大変失礼しました」


「部下?」


「ハイ、わたくしはこの城のメイド長をしています、クロエと申します、以後お見知りおきを」


ふむ、できるとは思っていたが、メイド長だったとは。


「今後、こちらのクロエが、工藤様の専属として、お世話を差せていただきます」


「専属ね…」


「ハイ、何でもお申し付けください」


まぁ、専属のメイドがいれば便利ではあるが……少し、探ってみるか。


「専属のメイドとは、ありがたいが、さっき見たいに、毒を盛られたりしたら、たまったもんじゃないんだがな?」


「その場合、わたくしを処断していただいて、構いません」


「自分一人の命で、償えると?」


「いいえ、ですが、少しでも怒りが納められるのなら、幸いです」


「なるほど…」


「何でしたら、私の身体を使って、遊んで頂いても構いません」


「いや、遠慮しておこう」


さらりと、あれな発言をするクロエに、若干引きながら答える。

周りを見ると、司と敦は苦笑いをしており、エレナ姫は赤くなり下を向いている、澪と鈴は、クロエにどろどろした目で、敵意を向けている。

話題を早急に切り替えよう。


「ところで、この後、どうすればいいんだ?」


「あ、ハイそうですね、この後は、戦勝パーティーがあるので、是非それにご出席くださいと、お母様が言っておりました」


「戦勝パーティー?」


「ハイ、先日の、勇者様達が魔物の大群を退けた事を国内外に、知らしめる為のパーティーです」


「勇者様がね、なら俺は出なくていいんじゃないか?勇者じゃないし」


「え、いえ、それは…」


もちろん、国内外に勇者には、力があると言う事を示すためと解っているが、気にいらない、まるで勇者の力で、街を守ったかのように語られるのが、気に入らない。


「よし、そのパーティーには俺は出ないでいいな?」


「うぅ…分かりました、お母様に伝えてきます」


そう言って、部屋を出ていくエレナ姫を見守る。


「パーティーくらい、出てあげたら?」


「まるで勇者の手柄見たいに言われのが、気に入らないんだよ」


「じゃあ、これからどうするの?」


「寝る!久々にふかふかのベッドでな!」


「なら、私のベッドで……」


「クロエさん、部屋の用意はもう出来てるのか?」


「工藤様、敬称は不要です、部屋の用意は出来て下ります、直ぐにでもご案内しますか?」


「なら、クロエお願いするよ」


澪が危ない発言をする前に部屋を出ていく。

後ろの方で、「私と一緒に…」なんて声は聞こえなかった、うん、聞こえなかった。


案内された部屋につくなり、俺はベッドに倒れ込む。


「それじゃ、今日はこのまま寝るんで」


「ハイ、お食事や困った事があれば、近くのメイドにお申し付けください、直ぐにご用意します」


「ハイハイっと」


「本当に、パーティーには出ていただけないのですね?」


「あぁ、やることもあるしね」


「やることですか?」


「こっちの話だから、気にしないで」


「畏まりました、失礼します」


お辞儀をして、部屋を出るクロエを見送り、殺ることに備え、眠りにつく。





〈マスター、そろそろお時間です〉


どれくらい時間がたっただろう、ナビさんによって、起こされる。

廊下からは、パーティーの音が僅かに聞こえる。


おはよう、ナビさん。


〈おはようございます、マスター〉


起こしてくれたって事は、そろそろなのかな?


〈ハイ、マスター、直ぐにでも動きそうです〉


了解、じゃあ手っ取り早くこちらも、パーティーに行きますか。


もちろん、俺が行くのは、戦勝パーティーじゃない、本当は行っても良かったんだが、こちらの方が大切なので、優先させて貰った。


〈ところで、マスター〉


うん?何かな、ナビさん?


〈クロエは、敬称をなくしたのに、何故私はまだ、「さん」が付いているのですか?〉


いや、なんとなく?ナビさんの方が呼び易いから?


〈解せません〉


ナビさんの不満を受けつつ、部屋を出る。



み「はぁ、明くんと一緒にパーティー何て、夢のようだよね」


す「まぁ、行かないって言ってるけどね、それにここに居るあたし達じゃなく、本編のあたし達だしね」


み「明くんのやるとこって、何だろう?」


す「うーん、だいたいは予想つくけど」


み「はっ!まさか、クロエさんと……」


す「いや、ないから」


み・す『では、また次回』


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