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やはりこのクソゲー世界はおかしすぎる。  作者: キング
第一章 【ビギナー大陸】
6/10

コピー

 俺達は寝ていたスカルドラゴンのもとへ走って向かうと俺達に気がつき起き上がったスカルドラゴンが立ち上がった。


「お、おい! あの骸骨、急に立ち上がったぞ」

「威嚇に決まってるじゃない、相手だって警戒してんのよ」


 すると、スカルドラゴンが吠えだし、地面からチビスカルドラゴンが50体以上出てきた。


「うわ! ちっちゃい骸骨がめっちゃ出てきたんですけど!」

「安心して! コイツらは火属性に弱いの、だからあのボスを炎魔法で一撃で倒せばカス共は消えるわ」

「お前、口悪いな」


 セナは杖を構え、突如謎の青色のオーラが現れた。


「あんた、私の魔法を見てなさい! たいした魔法じゃないけど、この場面なら打って付けよ! アイスグランド」


 すると、地面から氷が出てチビスカルドラゴンの足に氷が覆われ動けなくなっている。


「今よ! あんたのそのウッドソードであのチビスカルドラゴンを倒して!」

「任せとけ!」


 俺はチビスカルドラゴンをウッドソードで切り倒した。


「いいぞ! この調子だったら余裕で俺でも倒せるぞ」

「ダメよ、これ以上アイスグランドを放ったら、討伐目標のスカルドラゴンを倒す魔法が使えないわ」


 流石に上級職のウィザードでもMPの限界はあるか。


 すると、またチビスカルドラゴンが地面から再び出てきた。


「また出てきたぞ!」

「本体を倒さない限り無限に出てくるわ」


 そのあと、セナはアイスグランドを放った。


「もう限界! あとはあんたが何とかして!」

「何とかしろって言われてもどうすればいいんだよ!」

「周りにいるチビスカルドラゴンの時間稼ぎをして! その間に本体を倒す」


 時間稼ぎをしろと言われてもな、俺がウッドソードでしか時間稼ぎが出来ない。

 あ、でもそういえば俺ってコピーのスキルを持ってたよな、それを使えば時間稼ぎ出来るんじゃないか? 試す価値はあるな。


 俺はコピーを発動してみた。


「コピー」



 セナガ シヨウシタ アイスグランド ヲ コピー シマスカ?


ーYESー  ーNOー



 うぉ! なんだこのカタゴトで話す外国人は、そういえばスライムを討伐したときも聞こえたような......。

 まぁ、今はそんなことはどうでもいいか。



「ああ、YES」



 俺は答えると頭の中にセナの情報だろうか、セナが使える魔法やスキルの情報が全部頭の中に入っていく。


「ちょっとあんた、何私のこと見てぼーっとしてんのよ! 私に一目惚れでもしちゃったわけ!」


 セナが何か言っているようだが情報が頭の中で巡って頭が痛くセナが言っていることが聞こえない。



 コピー カンリョウ アイスグランド ヲ コピー シマシタ。

 ノコリ シヨウ カノウ カイスウ 50カイ。



 うっ......やっと頭痛が治まった。

 これで、セナがさっき使ってたアイスグランドが使えるのか。


「待たせたな、セナ! やっと俺の出番だぜ!」

「やっと動いた! 何フリーズしちゃってんのよあんた!」


 セナはチビスカルドラゴンを魔法で対抗していた。


「キャア! 私、こんな大勢を相手にするのは慣れてないんですけど!」


 スカルドラゴンもセナに向けて攻撃をしていて苦しそうな表情で逃げ回っている。

 すると、俺も魔法を出そうと力を入れると、セナがさっき出していたオーラが俺にも出てきた。


 うぉ!? 俺にも全身に青色のオーラが出てきた。

 これが魔法なのか。


「まぁ、見てろって、これが俺の力だ!」


 セナが唱えたように、俺も大声で魔法を唱えた。


「アイスグランド!」


 俺はアイスグランドを放つとチビスカルドラゴンとコイツらの親玉のスカルドラゴンの足が氷に覆われ動けなくなった。


「今だ!」

「な、なんであんたがアイスグランドを唱えられるのよ! まぁいいわ、良くやった」


 セナはうっすらと笑い、赤色のオーラが出した。


「これが私の本気よ!」


 セナの体の周りが炎で覆われ、杖を構えている真上には物凄く大きな炎の塊が出来ていた。


「ノヴァファイヤ」


 その大きな炎の塊は物凄い音と共にスカルドラゴンの方へ飛んでいく。


「グォォーーーーーー!!!!!!」


 スカルドラゴンは炎の塊の中に覆われ丸焦げになり、チビスカルドラゴンは続々と消滅していた。


「ス、スゴいな......」


生意気なガキだと舐めてたけど、あの巨大なモンスターを一撃で倒すとは。

これが、上級職のウィザードの実力なのか......。


「どぉ? これが私の実力よ!」

「や、やるじゃねぇーか」

「あんたとは違って私はあのモンスターを一発で倒せるのよ」


 セナはドヤ顔で俺に言う。


「だけどさ、俺の助けがなかったらお前チビスカルドラゴン達にボコボコにされそうだったよね?」

「よ、よし! ギルドに戻って報酬貰うわよ!」

「話しをそらすな」


 こうして、俺達とスカルドラゴンの戦いは終結した。



 ***



「ねぇ、お姉さん! 私達スカルドラゴンを倒しましたよ!」

「ス、スゴい! あの上級クエストのスカルドラゴンをたった二人だけで倒すなんて!」

「まっ、当然の結果よ」


 セナはドヤ顔で言う。

 すると、俺達の会話を聞いていた冒険者達が突然叫びだした。


「やるじゃないか! あんた、これからも応援するぜ!」

「酒だ! 酒を持って来い!」

「スゴいじゃないか!」

「酒奢ってくれ!」


 冒険者達は俺達に拍手喝采をしてくれた。

 俺は徐々にテンションが上がり、冒険者達に答えた。


「皆、ありがとう! これからも応援よろしくな!」


 すると、冒険者達は冷た視線になり......。


「オメーに言ってねぇよ!」

「俺達はウィザードのセナに言ってんだよ!」

「冒険者はすっこんでろ!」

「リカと一緒に同居しやがって!」


 えっ......リカ? 

 なんで俺がこんなに叩かれんだ、なんか悪いことしたっけ?


 後からセナに説明を聞いたところ、俺と一緒に住んでいるリカは元ギルドの従業員で冒険者のアイドル的存在だったらしく、冒険者達は俺を妬んでいるらしい。


「まっ、ドンマイ」


 セナ小さな身長で俺を励ましてくれた。


「クソがー!!!!!!」

「ちょっと! あんた報酬貰わないの!」


 俺は走ってギルドを出てリカの家に戻った。



 ***



 俺はギルドの酒場で今日のオススメジュース【ハチミツとスライムのエナジードリンク】を飲んでいた。

 すると、セナが怒りながら俺に向かってきた。


「あんた、やっと見つけたわよ! 何報酬を貰わずに行っちゃうのよ!」

「すまんすまん、俺のメンタルがあの場に耐えきれずつい......」


 セナは呆れた表情で昨日の報酬の金貨2枚渡された。


「えっ!? 金貨2枚?」

「なに驚いてんのよ、上級クエストのスカルドラゴンを倒したのだからこのぐらいの報酬当然じゃないの」

「そ、そうだよな」

 

 この大金を見て動揺を隠しきれない俺にセナは質問してきた。


「これからあんたどうすんの?」

「ん? これから?」

「これからよ! これからのこと」


 俺はセナにマジンを倒す冒険に出ることを伝えるか悩んだが正直に伝えることにした。


「まぁ、今から言うことは驚くかもしれないが7つの大陸にいるマジンを倒す冒険に出る」


 俺がマジンを倒しに行くのを伝えるとセナは動揺した表情で叫んだ。


「さ、最弱職の冒険者のあんたがマジンを倒すですって! あんたの脳みそおかしくなっちゃったの?」

「俺だって行きたくねぇよ! だけど、俺の使命なんだよ!」

「し、使命!?」


 セナが少しの間黙り込むと......。


「そ、そう。まぁあんたの事情は知らないけどいいわ。だったら私もマジンを倒す冒険に付き合って上げるわ」


 セナは自信満々に答えた。


「いえ、結構です」

「何でよ! この私があなたの使命を手伝ってあげるのよ!」


 予想外の言葉が返ってきてのか、セナは涙目になっている。


「お前マジで言ってんの?」

「その言葉、あんたにそのまま言い返すわよ! マジンなんてね赤子の手を捻るぐらい楽勝よ、私を誰だと思っているの......」


 また、いつものセリフを言おうとしている。


「わかったわかった、わかったから。俺達2人でマジンを倒そうぜ!」

「キモっ......」

「う、うるせー!」


 こんな恥ずかしい気持ちになったのは初めてだ。

 すると、隣に座っていた冒険者が急に立ち上がり俺達に言った。


「君達の話、聞かしてもらったぜ。俺も君達の冒険について行っていいかい?」

「......えっ?」


 その人は、上はタンクトップで下は短パンのムキムキのスキンヘッドのおっさんが俺逹の仲間になりたいと申し出た。


「お、おいどうする、変なおっさんが仲間になりたいと言っているが......」

「いいんじゃない別に、1人増えればマジンを倒すのが楽になるし」

「簡単に言うなお前」


 俺達は耳元でおっさんを仲間にするかの相談をしていた。


「そうだったな、まずは自己紹介だった」


 勝手におっさんが話を進めている。


「俺の名はビッグ。よろしくな」

「よ、よろしくお願いします。俺の名前は【あ】です」

「【あ】君か、少し変わった名前だな。よろしく」

 

 俺はビッグさんに自己紹介をするもの、一方セナはビッグさんの自己紹介を無視して今日の昼食を注文しようとしていた。


「このバカの名前はセナです。コイツ、子供っぽく見えますがこれでも上級職のウィザードなんで可愛がって下さい。おい、挨拶しろ!」

「誰がバカよ! よろしくね」

「ああ、よろしくな! そういえば俺の職業だが、上級職のウォーリアをしている。これは俺の愛用しているバトルアックスだ」


 す、すごい......上級職が二人。

 ほんとに全てのマジンを倒せるのも夢じゃないかもしれない。


「ス、スゴいですね。あのー、さっきから気になってたんですけど......なんで、短パンとタンクトップ何ですか?」

「何を言っているんだい、相棒(筋肉)は俺のちゃんとした装備だが?」


 あー......この人、まともな人だと思っていたけどただの筋肉バカだわ。


「よし、自己紹介も終えたし。今から早速マジン討伐に行こうか」


 ビッグさんは突然そのようなことを言い出した。


「えっ......今からスか?」

「おう! 今からだ!」


 マジン退治ってそんな簡単に行けるもんなのか? 普通はレベルとか装備などを万全に整えてから行くもんじゃないの?


 俺はセナに耳元で問い掛けた。


「お、おい! 今からマジン退治するって言っているけど、流石にまだ早いよな?」

「あ、今日行くの? OKー!」


 OKじゃねーよ、コイツらめっちゃ行くき満々じゃねーか。


 俺はこのバカ2人に、俺はまだマジン討伐をしに行かない事を必死に説得をした。











 






 





 





 

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