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やはりこのクソゲー世界はおかしすぎる。  作者: キング
第一章 【ビギナー大陸】
3/10

クエスト開始

 こんなに興奮して外を走ったのは子供の頃以来だ。

 結局こうして異世界の光景を目にすると、始めてきた海外に来たときと同じくらいテンションが上がる。


 俺は疲れて走るのを止めると、遠くの方から主婦達のコソコソ話が聞こえる。


「あの走っていた人絶対そうよ、空から降ってきた人じゃない?」

「ええ、絶対そうだわ」


 そのコソコソ話が聞こえると何だか恥ずかしくなってしまった。


 やはり空から降ってきたことあって俺はこの町の有名人になったみたいだ。

 さて、これからどうするか......。


 すると近くからカーンーカーンと大きな音が響く。

 音がした方へ振り向くと、そこには武器屋があった。


「おおーこれが武器屋か、でもあまり金が無いから武器や防具は買えないよな......」


しばらく考え、あることを思い出す。


「あ、そうだ。俺冒険者だからモンスター倒せば金儲け出来るじゃないか」


 そして俺は町の人にギルドがある場所を聞き、ギルドにたどり着いた。


「デケー建物だなー、ホントにここがギルドなのか?」


 俺は恐る恐るギルドの扉を両手で開けるとたくさんの冒険者達が騒ぎながら、酒を飲む者やボードゲームで遊んで盛り上がっている人達が集まっていた。


 建物の正面にあるクエスト受付所と書かれた場所に5つの受付場があり、俺は一番好みのお姉さんの列に並んだ。


 しばらく順番を待ち、やっと俺の出番まで進んだ。


「あのーすみません? 初心者にオススメのクエストに行きたいんですが?」

「お客様ギルドのご利用は初めてですか?」

「はい、そうです」


 俺は答えると突然受付のお姉さんが叫んだ。


「ようこそ! ビギナータウンのビギナーギルドへ!」

「うぉっ!」 

「ギルドのご説明をお聞きになりますか?」

「お、お願いします」


 突然大きな声を出すから、つい情けない声を出してしまった。


「かしこまりましたー」


 こうして受付のお姉さんが長々とギルドの説明してくれた。


「まず、今いるクエスト受付所の説明です。ここは討伐クエスト、採取クエストを受付する場所でございます。初級、中級、上級のクエストを自由に受付することが可能です。そして、私の方向から見て右側にございます。あちらが酒場となります。食べ物や飲み物といった豊富な種類があるのが特徴です。最後に左側にございます。あちらは銀行となります。ビギナーギルドの銀行に預ければ間違いなく盗まれません。これでギルドの説明は以上となります」


 ギルドの設定はゲームなどによくある設定みたいだ。


「何か質問はございますか?」

「いえ、特にないです」

「それじゃあクエストに行かれる前にギルドのご登録が必要です。無料で登録が可能ですので、ご登録が終わり次第自由にクエストを依頼する事が可能です」


 受付カウンターの上に紙とペンが置かれた。


「こちらにお名前とご職業、年齢をお書きください」


 俺は紙を渡され名前と職業と年齢を書き、お姉さんに渡した。


「ありがとうございます! お名前は......プッ、【あ】様ですね?」

「はいそうです」


 今笑われたような気がする。


「これでご登録完了です。では、こちらのギルドバッチをどこにでもいいのでお付けください」


 小さなバッチを渡され、俺はそのバッチを胸元に付けた。


「えーっとですね。初心者の方にオススメのクエストがありまして」


 受付のお姉さんは1枚のクエストを出した。


「こちらのスライム1体の討伐クエストがオススメです」


 スライムか、まぁ最初はコイツだよな。


「じゃあ、そのクエストでお願いします」

「かしこまりました、スライム討伐クエストですね。こちらのクエストは銅貨1枚で受付完了になります」


 銅貨1枚か。 

 あまりにも安すぎるがクリアした後は武器などは買えるだろうか?


「ご不満そうな表情ですね。安心して下さい! クエストクリアしますとお支払いになった金額の倍になって返ってきますから」

「じゃあ、お願いします」


 俺はお姉さんに銅貨1枚を渡した。


「はい、クエスト受付完了いたしました。それでは行ってらっしゃいませー! ご検討お祈りしています!」


 こうして、俺はスライム討伐のためクエストに出た。




 ***




 30分ぐらい歩いただろうか? 俺は行く前にお姉さんに渡された地図を頼りにスライムを探していた。


 そういえば、ゲームマスターがチート能力が使えるって言ってたよな。

 どうやったら使えるんだ?


 俺は以前この世界の通貨のことを調べようとして色々試した所、意識を集中することによって偶然出すことが出来た自分のプロフィール画面を出した。




 名前【あ】

  

職業【冒険者】LV1  HP 20  MP 30

スキルポイント 0 

魔法0 

スキル所持数1

コピー LV1




 んっ? コピー? これが俺のチート能力なのか?


 俺はコピーの文字を長押しすると、コピーの説明が出てきた。




  【コピー】

   

   この能力は相手の能力を1度だけコピーできる。          

   MP消費は0。

(注 この能力は初級魔法100回使用可能。

    中級魔法50回使用可能。

    上級魔法10回使用可能。

   相手のスキルのコピー不可 )




 これが、チート能力の欠点ってやつか。 

 スキルがコピー出来ないのは惜しいな。

 だが、コピーの隣にレベル1と表示されているが、この能力もレベルアップをするという事だろうか?


 もう一つ気になるスキルポイントも調べた。




 【スキルポイント】 


 敵を倒すと、スキルポイント獲得可能。

 スキルポイント100ポイント以上で初級スキル、初級魔法が獲得可能。

 1000ポイント以上で中級スキル、中級魔獲得可能。 

 10000ポイント以上で上級スキル、上級魔法が獲得可能。


                 


 ほーう、ポイントを貯めれば貯めるほど強いスキルが獲得出来るのか。

 そういえば、冒険者って全スキルと全魔法が覚えることが出来るよな。


 もしかして俺は当たりのチート能力を手にしたかもしれない。


 その後も、まだスライムの居場所を探していた。


「もうスライムは一体どこにいんだよ! ギルドのお姉さんが言うにはここが出やすいって地図に書いてるけど」


 しばらく歩いていると、草木が茂る森の中へたどり着いていた。

 すると、奥の方で青色の物体が横切るのが見えた。


「なんだ? 何か見えたぞ......」


 俺は急いで見えた方へと向かった。


「んっ? あれなのか?」


 あれは誰もが知っている目が丸く、プニプニした体を持つ可愛いモンスターではない。

 俺が目にしたのは全身青色で筋肉がバキバキであり、あのマスコット的存在であるスライムとは思えない恐ろしい姿の怪物だった。


 

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