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悠久を手にしたあとに  作者: 都森 のぉ
王妃にならなかった者の苦悩
12/13

6

「・・・カイル」

 

「隊長」

 

「少し良いか?」

 

「はい」

 

「あれから結晶は回収し、王都の魔術協会に渡した。魔力の塊らしく軍備が整うらしい」

 

「戦争になりますかね」

 

「さあな」

 

あれから協会でも騒ぎがあった。

 

何万という吸血鬼が森で死んでいる。

 

その確認に追われている内に、吸血鬼同士で派閥争いがあったのだろうという結論に達した。

 

真相を知っているカイル一行の部隊は何も語らず、結晶を魔術協会に引き渡すことに躍起になっていた。

 

「それと、騒ぎの間に枢機卿が消えた」

 

「逃げたんですか?」

 

「違う、()()()()()そうだ」

 

「誰が見つけたんですか?」

 

「幸いにも俺たちのチームだ」

 

「それは良かったですね」

 

「あぁ、急いで灰を片付けて、逃走したように偽装した。そこで、妃様に確認して欲しい」

 

「それで俺なんですね」

 

「お前の妻だろう」

 

あの血を与えた場面にもいて、血を与える意味をアイリーンが語ってからチーム内ではアイリーンのことを妃様と呼ぶようになった。

 

アイリーンはもともと人を好きであったし、妃様呼びを気に入っているようだ。

 

 

※※※

 

 

「・・・・・・ということだ。心当たりはあるか?」

 

「心当たりも何も・・・」

 

アイリーンは戦いが終わってから屋敷に戻り、女主人として人の世界に関わっている。

 

最近は、女主人に婚約者が出来たと噂になっている。

 

「枢機卿は突然変異体の一人よ。都合よく食事ができるように人の世界に入ったのよ」

 

「知っていたのか」

 

「突然変異体の中にも普通に生活がしたいと思ったり、人に恋して居着いたりする者がいるわ。枢機卿になった彼は能力が低すぎるくらい低いから効率良く血を飲めるようにと考えた結果でしょうね」

 

「アイリーン」

 

「上手くいかなくて、ルーモンド様を怒らせたのだけどね」

 

「どういうことだ?」

 

「簡単なことよ。ルーモンド様が育ててる人の子の家族を虐殺するように命じたのが、あの灰になった枢機卿だっただけのことよ」

 

アイリーンとしても面倒なことをした男に同情はない。

 

王に喧嘩を売るのが悪いのだ。

 

「そうね、暇つぶしに話してあげるわ」



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