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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

どうしても欲しい

作者: 華鸚

ああ、アレが欲しい

私の視界に映るのは

白くて繊細な指先

少し筋ばった手の甲

細いのにしっかり筋肉のついた腕

動かす度に筋肉が動き血管が脈打つ

動いてるのもいいが

アレが血が抜けて

真っ白になって

冷たくなったら

もっと素敵なのに

その冷たい指先をそっと頬にあてたい

その腕を抱いて眠りたい

付属品なんていらない

どうしたらアレだけを手に入れることができるのか真剣に悩む

まずは付属品から切り離さなければ

非力な女の力でどうやったら綺麗に切り取れるかな

あまり太いのは好みではないので大きめの鉈とかでいけるかな

ノコギリは断面が汚くなりそうで嫌だな

そのあとは保存か

氷付けは駄目だ

触れなくなるし冷凍したお肉とかを見る限り変色したりする

やはり専門の知識をつけてエンバーミングを行うか

たしか柔らかいままだし腐蝕は防げるし動かすこともできたはず

付属品はどこかの海にでも投げ捨てるか山に埋めるか…

「お待たせ~」

不意に声をかけられ現実に引き戻された

声をかけてきたのは待ち合わせしていた友人だ

「熱心に見てたけどあの男の人、知り合い?」

ちらっとさっきまで観察していた付属品を見ながら聞いてくる友人に

「いや、カッコいいなと思ってみてただけだよ」

アレだけをと心のなかで付け足しながら答える

「へーああいうタイプが好みなんだ~、今まで浮いた話一つなかったから男に興味ないのかと思ってた」

浮いた話など出るわけがない

付属品になどに興味など一欠片とて湧くはずがない

しかしそんなことは言えるはずもなく

「ふふっそんなことないよ」

とはぐらかしておく

そんな下らない会話をしているうちに付属品がアレを持って行ってしまった……

ああ、いつになったら手に入れることができるのだろうか

至高のアレを

アレ=腕

付属品=その腕の持ち主

彼女は人体の腕しか愛せないのです

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― 新着の感想 ―
[一言] ホラーで検索掛けてランダムでお邪魔しています。 スプラッタな内容より、語り手のキャラが好きでした。 面白かったです。
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