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4/11

3話 決意と笑顔と魔具と

結局不定期はなしでした。

すいません。


あと、文章が支離滅裂なのは力不足によるものですが、主人公の感情がヘンテコなのは(力不足もやっぱりありますが)一応伏線なので生暖かく見守ってください。


5/14 重要部分に変更加えました。といってもストーリーは変わっておりません。どこが変わったかわかるくらい読み込んでくださっている読者さまがいればとても嬉しく思います。

前回までのあらすじ

アレンが花瓶を魔法(?)で消し去りました


“まあいま見せたみたいに私は光電属性持ちです。他の属性基本的に使えません”


「そ、そうか」


 いや、実感もこっちの常識もない僕に言われても……


“はい。そうなのです。ですが”


といい、先ほどの『魔具』というプレートのうち、1枚を取り出す。


“この『魔具(まぐ)』を使えば「基本的に」誰でもどの属性の魔法でも使えるようになるのです! ”


「う、うん。そうなんだ」


2回も同じこといわなくても大丈夫だよ?


“も〜、反応が薄いのです。でも、これを見ればテンションが上がるはずなのですよ”


 いやいや、テンションが上がるどころか生命の恐怖を感じる予感がするよ。というか、僕が聞きたいのは「基本的に」の説明だけなんだけどなあ。


“それではいくのです。「いや、そんなに慌てずとm」てやっ!”


ああ、さっきとはまた違う光が部屋を支配していく……



〈回想終了〉



 ここからはもう思い出すのも嫌なんだけれど。結論から言おうか。魔法は成功しました! それはそれは凄かったです! 掛け声とともに部屋は光に包まれ、壁が、壁が氷漬けになっていました。

 嘘じゃないよ? そうじゃなかったらこんなに布団かぶらなくていいもの。本当、寒くてしょうがない。氷漬けじゃなくて凍っていた、じゃないのかって? 甘いね。壁が50cmも氷で分厚くなることを凍る、っていうのかい? 

 いや、あれは氷漬けだったよ。というか氷漬けだよ。まだ過去形にするにははやいよ! 

 あのあとテンパったアレンが炎で氷を溶かそうとしたりしてほんと大変だったんだ。多分、そのまま炎使わせてたら間違いなく大惨事になってたよ。城が焼け落ちてただろうね。まあ、あれでアレンの講義が終わったことだけは幸いだったけど。

 あれ? 「基本的に」って結局どういうことなんだろう? 

 で、そのあとの美味しい夕食をお通夜ムードで食べたあと、お風呂(こっちにもあって良かった! )に入って今はベッドの中。特筆すべきはとくにないけど、あえていうならまくらをプレゼントされたことかな? なんか絶対使えって言われたんだけど……

なんだろうね? このまくらなんかちょっとビリビリするけど大丈夫かな?? 


 本当に帰れるのかな……?


 こっちが異世界だということが身にしみた1日だったけど、帰れるって保証はないしなぁ。幼馴染たち(みんな)は見つかったら、僕のこと心配してくれるのかな? そもそも、僕を本当に……


 強烈な違和感。なんだ、これは? 既視感ってやつ……じゃなさそう。くそっ、あともう少しなんだけど……ああ、もう無理!  もういいや。今日1日おもしろかったし。


 そう思い、無理やりその考えを頭の隅に追いやる。


 寝よ。

 不自然な明るさがあった部屋は今は薄暗い。どういう理由で部屋の明るさを調節が出来るのかも聞きたいが、まあ明日にでも聞こう。(まぶた)が落ちると同時に思考が停止する。深い黒に呑まれていく……



〈朝〉


「うわああああああああ!!」


 あ、夢か。そりゃそうだよな。

天蓋のついたベッドに寝てたら、いきなり部屋が凍りつくなんて。さあ、早く学校にいく準備でもするかな。


あれ? 


 この部屋どこ? 天蓋のついたベッド、凍りついた壁、妙に寒い室内、ドアが開いて現れる女の子。女の子? 


“起っきるのですよ〜! ”


「うわ!? 」


 頭に響くような声がする。


“大声を出すあんたに私の方がびっくりしたのです。あと、人をみてその態度はないのですよ”


 状況が徐々に把握できてくる。ああ、ここは異世界だったね。……ん? 異世界? まあいいや。きっとまだ寝ぼけてんだろ。

ってわけで


「おやすみ〜」


 ぷちっ。

 ああ、なんか切れた音がしたな。起きたら確認しよう。



“起っきろーーーーー!”


 アレンのドロップキックが寝ている希をベッドから突き落とす。頭の方から落ちていく。



 その朝は城内一帯に少年の悲鳴が響いたとか響かなかったとか。


〈暫くして〉

 いや、アレンもないよな。いきなりベッドから突き落とすとか。相変わらずご飯は美味しかったよ? でも、でもね。

 来訪者ってゲームでいう勇者だよね!? 

ラノベや小説でいう英雄だよね!? まだ何もしてないけど! あえていうなら城内に不法侵入したくらいだけどさ! 





 うん。冷静になったらご飯食べさせてもらってるだけでもありがたいくらいだったね。日本なら通報ものだよ。しょうがないし、勉強ってやつも甘んじて受けようじゃないか。危険って訳でもないだろうし。あれ? でももう十分危険なめにあったような……とか考えてると、アレンとレオルが入ってくる。


“おはようです。いきなりですが、今日から本格的に勉強をはじめるのです”


 やっぱり、昨日言ってた通りするんだ。死なないならなんでもいいけど。


“教科は言語、世界地理、武術、魔法の4つです。言語と地理、魔法は私が、武術はレオルが教えるのです。頑張ってくださいなのです”


 武術をこのおじいちゃんが? よかった、痛くなさそうd


“ちなみにレオルの武術は国内最強、私の魔法も10本の指に入るのです”


 うん、前言撤回。とんでもないことになりそうだね。少し青ざめる僕をみて、面白そうに笑うアレン。昨日のこいつの方が青かったろうになあ。ただ、少しその笑顔に引っかかりを感じる。なんだろう? 


“ああ、一つ希さまに伝えておくべきことがあります”


「ん?なに?」


急にかしこまるアレン。


“実は、希さまを『来訪者』として受け入れることが出来ないのです”


「へ?」


 いまいち状況が理解出来ない。あと、そんな重要なこと? まず、僕は『来訪者』であるはずだ。昨日の説明からするに、僕は地球-日本国からきた知的生命体で、来訪者としての条件はみたしている。

 では、なぜ『来訪者』ではないのだろうか? アレンにそう聞くと答え辛そうに、


“希さまの『使命』が分からないからです”


「使命って? 」


“昨日、来訪者については話しましたよね? ”


昨日の会話を思い出す。


「えっと確か、ふぉーれ以外からきた知的生命体で、この世界の危機・変革の際にダーツで選ばれる人だよね?」


“まあ、そんなとこです。ただし、あと一つだけ条件、というか『来訪者』であるという証拠があるのです。それが『使命』。何をすべきか、神から聞くはずなのですが”



「神との会話の記憶がないから、ってこと?」



“そういうことです。青い本もありますが、あれは……いや、なんでもないのです”


 アレンが言葉を切るが、あえて聞くことをやめ、話題を変える。


「じゃあ『来訪者』であることにどのような利点があるの? 」


“それはですね……例えば、道ゆく人々に、助けてもらったり、何か-情報や食料など-を貰える可能性が格段にあがるのです。また、他国の王族なんかと会える許可がおりやすかったりするのです”


 確かに、それは利点だね。だけど


「それなしでも旅は出来ると思うよ? 」


“甘いです。希さまは本当にそう思っているのですか? 行き倒れたときはどうするのですか? 食料がなくなったときは? 誰も助けてくれませんよ”


いきなりアレンの口調がきつくなる。地雷踏んだ? と今なら思えるけど、そのときはついムキになって言い返したんだ。


「っ、それはきっと!」


“誰か優しい人が助けてくれる、とでも? そんなもの、どこかの馬鹿の戯言です。所詮人間なんて自分勝手なのです”


 そんなことはない、と言い切ろうとして顔を上げて気付いた。目の前にいたのは、言い返そうとした相手は、顔を真っ赤にして目に涙をためている普通の女の子だった。いや、そりゃ普通の女の子だよ? でも、一国の城に勤め、魔法も使える。そんな彼女は別世界の人間だと心の何処かでは思っていた。いや、別世界の人だけど。


 けれど、不意に気づく。アレンは同じくらいの歳の女の子で、城に閉じ込められているだけなんだと。


 僕は異世界に飛ばされた。もうすでにホームシック気味でもある。正直もう泣きたいくらいだ。自問自答もした。帰れなかったら? もし、こっちで死んでしまったら?だけど、それがどうした? と思えるほど人間ができているわけでもない。他人に構っている暇がないと思っている自分もいる。


だけど、だけどね? 彼女の身分はわからない。国の重要人物かもしれないし、ただの召使いなのかもしれない。

 でも、僕の世話をしているってことは、きっと大きな仕事なのだろう。だって僕は認められずとも、『来訪者』なのだから。

 僕は向こうに戻ればきっと普段の日常が待っている。だが、彼女の時間は僕が帰ってからも進むし、この異世界に居続けるのだろう。

 まあ、僕の世界がこっちからしたら異世界なのだけれど。彼女の笑いに対する違和感、それはきっとなにかを抑えてることなんだよね。彼女には彼女の事情があるんだろう。お節介かもしれない。

 でも、生憎お人好しな人柄でね、さらに面白いことが好きだときてる。じゃあもう答えは出てるだろう? 大きく息を吸い込む。


「さあ、勉強をはじめようよ」


これが、僕の出した答えだ。


“え?”


「『来訪者』にはなれないんだよね? じゃあ勉強するなり、実力を積むなりして、記憶を取り戻したときに備えなきゃ」


“で、でもですね”


「でもどうしたの? 僕は帰れない。でもさ、神との会話を思い出すなりなんなりして帰れる可能性が1%でもあるなら、僕は努力するよ。君も、手伝ってくれるんだろ? 」


そうして、手を差し出す。


「スパルタ教育は辞めてよね? 」


アレンは両手で目元をこする。


“さあ?どうなるのでしょうね? ”


 そう言って彼女は笑った。その言葉がきっと彼女を少しでも救ったと信じたいね。


To be continue…

新規用語

魔具

決められている素材を使って作られる、魔力の少ないor魔法が下手な人でも魔法を使えるようにする道具。

『地場』を変換、増幅して魔力に変換して使う。

竜属性や無属性の人は使えない。

そういう属性にも波長を合わせる研究が進んでいるが、難航しているようだ。


魔法

この世界での魔法は、物質移動がほとんど。魔法を使うと疲れるのは、自分を媒体とさせるときに多量のエネルギーを使うからである。

仕組みは分子、原子レベルまで分解、再構築、というものだが、この世界にはその定義がなく精霊の加護となっている。まあ、そういう訳なので生物は移動させられない。

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