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6章

*登場人物

・山本しょうた(主人公)

20歳、大学生。奥手でありながらプライドも高い。親と子、3人家族。父親は公務員、母は専業主婦。単発バイトでお金が無くなった時だけ働く。


・宮内ダイチ(大学の友達)

しょうたの大学生の友達。同い年。大学デビューで自身の本来の明るさを出し始めた。性格は少し天然であほ、しかし素直、行動的である。連絡できる友達も多い。


・岡田遥(大学の可愛い女の子)

しょうたが可愛いと思っている女の子。適度にノリも良く男女関係なく仲良く話すことが出来る。居酒屋でバイトをしており、同僚のたくみを気にかけている。


・小島洋子(遥の友達)

遥の友達。まじめで大人しく将来のこともしっかりと考えている女の子。恋愛したい気持ちもあるが今は勉強が大事だと思っている。


・ユウタ

しょうたの高校生の同級生。ミディアムヘアの同族男子。


・未来

ラブメイトランド相談員。しょうたの相談相手。

最近は残暑も過ぎ涼しくなってきていた。空の色は青色できれいに染まり、葉は黄色くどこか頼りない、そんな季節に変わってきていた。歩く人も少しずつファッションが変わってきている。涼しすぎると感じる人は何かを軽めのものを羽織り、夏から切り替えられない人はTシャツ姿でいた。

しかしそんな事はどうでも良いと思うほど別の気持ちで一杯だった。あれから色々と考え、作戦は決まった。授業後、教室内でさらっと話かけて直ぐに立ち去るという方法だ。これなら変に警戒されないし、気持ち悪がられるリスクを回避する事が出来る。「こんにちは。急にごめんなさい、貴方のこと気になって。どこの学部ですか?」。あとは向こうからの言葉を聞いて上手く対応し、すぐ切り上げる。電車の角席で揺られながら、頭の中でイメージをしていた。今日の授業で行動に移そう。よく考えたら大層なことでないし大丈夫なはずだ。ふと、変な態度を取られたらどうしようという事が頭によぎる。警戒されたり、引かれたり。彼女の雰囲気からそんなリアクションは想像できないものの、それが少し怖かった。大丈夫、引かれたらどうしよう、そんな事をぐるぐる考えているうちに電車はついていた。重い足取りで学校へ向かっていた。景色や周りの生徒に全くと言っていいほど反応しなかった。

教室に着き少し重いドアを開く。すぐに彼女が座りそうな席を確認した。彼女はまだ来ていない。いつも彼女が座る後ら辺の席を確保する。人気のない授業のおかげで人が少なく作戦が実行しやすい。 初めてこの授業がつまらなくて良かったと思えた。

いつもより少しドキドキしている、変な緊張感があった。希望の展開が7割と残りの残念な結果が頭を渦巻く、静かな教室が緊張感をあおってきていた。

ガタ・・・、ドアが開く音が聞こえた。右側通路をコツコツと足音が鳴っているのが分かる。2個前の席彼女は現れた。濃い黄色のニット、黒のカチューシャをしていた。カチューシャは綺麗な茶髪ととても合っていた。厚すぎないニットは丁度よさそうに彼女にフィットしており、綺麗な素材の茶色のパンツと合わせている、彼女のファッションセンスの良さを感じる。彼女は緑茶のペットボトルとノートを机にセットし、教科書をパラパラとめくっていた。黄色のニットがいつも以上に彼女を魅力的に引き立たせている。彼女を良いと思う男の一人に過ぎないと思った。弱気な気持ちと緊張感が増した。彼女を見ていると1人の女性が一個前の席に座った。いつもなら彼女からプリントをもらいたい所だが今日はこの女性のおかげでなんか助かった。

授業を聞きながら時間を気にする。上手くいくか、いや勢いも大事だ、とにかく声をかけないと。次々と考えてしまう。いつも退屈で長く感じる授業なのに今日は妙な時間間隔で授業が進んだ。早くもなく遅くもない。その間も変な緊張感があった。先生の覇気のない言葉を聞きつつ頭は別のことで常に回転していた。授業終了まで15分を切った。静かな意気込みを自分の中に刻む。

終了のチャイムが鳴った。いくぞ、急いでカバンに物をしまいちらっと彼女を見る。彼女も帰る準備をしていた。行こう!ゆっくりと彼女に近づこうとすると彼女はおもむろに立ち上がり教壇に向かっていった。「え・・・」。予想外の動きに体が止まってしまった。課題か何か知らないが、先生の方へと向かっていった。予想外の事だ。彼女は先生と業務的なやり取りをしていた。ここで待とうか、いや、それでは不自然で気持ち悪い気が・・・。次の授業の人たちがぽつぽつと教室に入ってきた。自然とカバンを持ち、重い足取りで教室を出た。外で待つか、一瞬脳裏によぎるも足は次の教室に向かっていた。

移動しながら強い敗北感を感じていた。自分の小ささを味わされた。予定通りにいかないことでこんな動揺するなんて、それも逃げるなんて。

重い足取りのまま次の授業の教室に入った。座った時に疲労感が出てきた、しばらくぼーっとしていた。授業がはじまる鐘が鳴りノートを出してない事に気気付き急いで出し授業の準備をした。先生が話をしているが大して耳に入ってこなかった。頭が白いまま授業を受けていた。時には色が付くが基本白いままだった。

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