16章
*登場人物
・山本しょうた(主人公)
20歳、大学生。奥手でありながらプライドも高い。親と子、3人家族。父親は公務員、母は専業主婦。単発バイトでお金が無くなった時だけ働く。
・宮内ダイチ(大学の友達)
しょうたの大学生の友達。同い年。大学デビューで自身の本来の明るさを出し始めた。性格は少し天然であほ、しかし素直、行動的である。連絡できる友達も多い。
・岡田遥(大学の可愛い女の子)
しょうたが可愛いと思っている女の子。適度にノリも良く男女関係なく仲良く話すことが出来る。居酒屋でバイトをしており、同僚のたくみを気にかけている。
・小島洋子(遥の友達)
遥の友達。まじめで大人しく将来のこともしっかりと考えている女の子。恋愛したい気持ちもあるが今は勉強が大事だと思っている。
・ユウタ
しょうたの高校生の同級生。ミディアムヘアの同族男子。
・未来
ラブメイトランド相談員。しょうたの相談相手。
大学の帰り道、いつも通り電車に揺られながらボーっとしていた。岡田さんとのやり取りから三日経ったものの特に返信は無かった。スケジュールを確認するのに三日もかかるものか?無言の断りか。連絡を取り終えた直後の喜びを味わっているせいかこよテンションは下がり具合はきつかった。ラブメイトランドの未来に相談メッセージを送った所「人によっては返信が遅い人もいるから、気にしすぎない方が良い」とのことだった。そんなものかなという気持ちと、好意があればすぐ送るのでは?という気持ちが交差していた。「来週の授業気まずい」。そんな独り言を言いつつ大学から帰っていた。
勇気を振り絞ったもののその後は何ともあっけない感じ。これなら早々に連絡をしておけばよかった。
スマホを見ると通知が、すぐさまメッセージを開く。
「サークルの日程表ー」。ダイチからの力ない連絡に「はい」とだけ返事をしてスマホをしまった。人生そんなうまくいかないな。
最寄り駅に着き外に出た。肌寒く乾燥する季節のせいより切なさが強く感じるようになった。こんな感じで年を取っていくのかな?仕事帰りのサラリーマン、20代後半くらいの女性、おばあちゃん、学生。特に何も考えもせずぼーっと見ながら歩いていた。
「おかえり。」「うん。」。落ち込んでるせいか母親のお帰りが何故かとてもやさしく感じた。部屋に行き、PCを付け、着替えて、youtubeやSNSを確認しながら時間をつぶしていた。いつも通りのさえない日々だ。流れるように時間が過ぎていく。お風呂に入りぼーっとする。頭をもやもやさせながら湯船につかっていた。シャワーを浴びながら「そうだ、プリンがあるんだった、食べないと」と思い出した。お風呂を上がり冷蔵庫のプリンを取り、部屋に直行した。youtubeで更新されたアイドル番組を高画質で見つつスマホの通知を確認した。
「来週だったら行けそうです。土曜日とかどうですか?」。