14章
*登場人物
・山本しょうた(主人公)
20歳、大学生。奥手でありながらプライドも高い。親と子、3人家族。父親は公務員、母は専業主婦。単発バイトでお金が無くなった時だけ働く。
・宮内ダイチ(大学の友達)
しょうたの大学生の友達。同い年。大学デビューで自身の本来の明るさを出し始めた。性格は少し天然であほ、しかし素直、行動的である。連絡できる友達も多い。
・岡田遥(大学の可愛い女の子)
しょうたが可愛いと思っている女の子。適度にノリも良く男女関係なく仲良く話すことが出来る。居酒屋でバイトをしており、同僚のたくみを気にかけている。
・小島洋子(遥の友達)
遥の友達。まじめで大人しく将来のこともしっかりと考えている女の子。恋愛したい気持ちもあるが今は勉強が大事だと思っている。
・ユウタ
しょうたの高校生の同級生。ミディアムヘアの同族男子。
・未来
ラブメイトランド相談員。しょうたの相談相手。
ダイチと適当に喋りながら帰っていた。「いやー、あの子は可愛い。絶対将来有望、本当あの事務所は良い子を見抜く力があるよなぁ。いやぁ、可愛い!」。最近の可愛い女優のドラマを喋っている時に例の返信が来た。「あっ・・。」「ん?どした?」「いや別に。そんな可愛い子なんだ。」「そうなんだよ。すごい可愛いからさ、とにかく映えるというか、見ながらずっと可愛いが止まらなかったよ。」。ダイチの最寄り駅に着き先に降りていった。行ったのを確認して直ぐにメールを開いた。「内容に適しているであろう相談してくれる女性3名のプロフィールを送りました。リンクから確認し相談してくれる女性をお選びください。この中に適任者が居ないのであれば、お手数ですがこちらに連絡よろしくお願いします。」とのこち。リンクを押すと3人の女性の名前、愛美、未来、里奈の名前が並んでいた。おそらく本名ではないのであろう。どこか出会い系の怪しいサイト感を醸し出している。本当に大丈夫なのか?名前を押すとプロフィールに移った。
茶髪セミロングの髪の斜め後ろ姿の写真が出てきた。顔がぎりぎりわからない絶妙な角度から撮ってる。
愛美、21歳、大学生、過去の彼氏の人数は3人との事。明るく行動的な性格、趣味はショッピング、PCでお気に入りの動画やドラマを見ること。コメントには女性側の立場でどの様に対応したら良いかメッセージ送ります!丁寧に話を聞き少しでも進展出来るよう頑張ります!と本人のコメントが書いてあった。どうなのかなぁ・・・、そう思いながらページを戻り未来のリンクを押した。
茶髪ロングの後ろ姿、19歳で大学に通っているらしい。彼氏は過去に一人、落ち着いた性格、家で映画を見たりショッピングに行くことが好きとの事。少しでも好きな人と恋人になれる様アドバイス頑張りたいです。やりとりで問題があれば言ってください。よろしくお願いします。とのこと。愛美に比べると真面目な感じ。一度戻り里奈のリンクを押す。
黒髪セミロングの後ろ姿、過去の彼氏は一人、性格は静かでおとなしい、あまり主張しないと書いてある。カフェに行ったり、服を買うのが趣味との事。微力ながらアドバイスしたいと思います。よろしくお願いします、とコメントが書いてあった。んー、一番微妙。
愛美か未来かなぁ・・・。岡田さんとタイプ的に似ているのは愛美かな?岡田さんはそんな明るいタイプでもないが、似ているタイプの人の方が良いのかなぁ?未来は相談に冷静に答えてくれそうな気がする。文面では一番誠実性を感じる。里奈は頼りない感じがありつつも相談しやすい感じが無くもない。自分と似ている気がする。でも俺に似ているというのはダメな気がする。
ページを戻り説明をさらに読むと一人選んだ後その人ととりあえず1ヶ月は行わないといけないらしい。1か月すれば無料で変更可能、1か月以内だとお金が発生する。フェアじゃない気がしたが逆にこのリストの人で十分良いとの事なのか?と色々と勘繰ってしまう。もう一度3名送るよう言うか?んー、どうしよう。・・・まさかその辺の男が演じてやっているとか・・。そうこうしているうちに最寄り駅につき、スマホをチラチラ見ながら家に帰った。
家に帰り「お帰りー」「・・うん」と返しながら部屋に戻る。「どうしようかなぁ・・」ぶつぶつ言いながらPCの電源を入れ服を着替えた。PCのメールから改めて各々プロフィール、特に写真を確認する。「んー・・・」「ごはんよ。」「あっ・・・。」。下に降りとりあえずご飯を食べた。食べながらとりあえずいったん考えようと思った。なんだか決めきれない。食器を洗い部屋に戻った。動画を見つつプロフィールやラブメイトランドの他の情報を行ったり来たりしていた。お風呂に入りシャワーを浴びている時もぼーっと誰にしようかと考えていた。長く考えることで変な考えも浮かんでいた。成功の確率を上げてくれる女性と相談相手なのに連絡を取り合いたい女性、どちらにしようか、と訳のわからない悩みを抱くまでになっていた。あほらしい、そういうことじゃないだろう、そう言いながらそんな気持ちを行ったり来たりしていた。こういう時に自分の好みの女性、自分が変な気持ちを抱いてしまう女性がどういう人なのか分かる。「まああまり悩んでもしょうがないか!」。シャワーを止めて風呂から出た。
部屋に戻りすぐにスマホをつかむ。メールのリンクを押して名前、選択ボタンを押した。すぐに確認メールが来た。
「相談女性の申請が完了しました。未来さんから数日以内に連絡が届きます。今しばらくお待ちください。」。