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悪魔と苛立ち

気に入らない、とあたしは思う。


ツキシロソウトが完全にあたしのものになるまで、あと2週間を切った。

2週間後の満月の夜。あたしはやつの心臓をまるごと手に入れて、その魂と結ばれる。


そうしたらツマラナイ下界とはおさらば。魔界に帰れるのだ。


もっとワクワクしてもいいはずなのに、あの横恋慕天使のせいだ。気に入らないのは。


片手でカラスの濡れ羽色した髪を乱雑にかきやる。


あの天使は、あたしのツキシロソウトを自分のものにしようとしている。ソウトも心をほぼ明け渡しているようなものだ。


気に入らない、気に入らない、気に入らない。


今度は自らの手で殺してやろうかと思ったが、あの天使はなかなか抜け目がなく、その隙を与えない。


ガッコーのテニスのジュギョーのときも、あたしと戦っているとき、鋭い眼差しと俊敏な手捌き脚捌きで延々と終わらない球の打ち合いをすることになった。


ガッコーがつまんないのも気に食わないけど、ツキシロソウトがあたしに興味を示さないことが本当に一番許せない。


10年前に命乞いをしてきて、それからずっと時が満ちるのを待っていてやったのに!恩知らずめ!恥知らずめ!


ああ、いらいらする。

早くこの2週間が過ぎればいいのに。


10年前、真紅の血が流れるような夕空のもと出逢ったときから、あたしはツキシロソウトというやつだけに心を奪われ、愛してきた。


だから契約の破棄などさせない。あの天使のものにもさせない。絶対に、絶対にだ。


歯噛みしながらずんずんと人気のないジュギョー中の廊下を歩いていると……


「見つけた。探していたんです」


忌々しい声がして、やつはあたしの前に立ち塞がっていた。凜とした、憎々しい面差しに、金の長い髪を揺らして。


「悪魔のヴァイオレット。あなたに、お話があります」

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