表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/28

アイスクリームとコーンのかけら

「……つけられていますね」


それは放課後のこと。公園のアイスクリームワゴンへ熱視線を注いでいたレティシアに、三段重ねのアイスクリームを与えていたときだった。


ぺろ、と桃色の舌でアイスクリームを舐めて幸せそうに笑っていたレティシアは、不意に重々しくそう言った。


「つけられてるって、なに?」

「尾行されているってことです。つい先日からちらほらと気配を感じてはいたのですが、どなたなのでしょう。あなた様のストーカーでしょうか?思い当たる節はございますか?」

「僕にストーキングする物好きなんているわけない。レティシアのストーカーの可能性が高い。だとしたら」

「だとしたら?」

「心配ではある」

「ふふ。大丈夫なのです。わたしとあなた様、どちらを狙っていようがこてんぱんにして差し上げますから」


力こぶなんかできそうにもない細腕を振るうレティシアだけど、そもそも誰かにつけられてるなんて本当なんだろうか。

あるとしたらやはりレティシア関連なのだろうと思うけれど。


「おいしいです!あなた様にも、あーん」

「僕はいいよ」

「おいしいのですよ?」

「レティシアがおいしそうに食べてるのを見ておく」

「まあ。あなた様ったら」


ほんのりと頬を桜色に染める彼女。

……カップルみたいな会話をしてしまった。いかんいかん。


「あら、手がべたべたになってしまいました」

「ハンカチあるけど」

「お手洗いで綺麗にして参ります。待っていてくださいね?」


にっこりして、レティシアは小走りで公園のトイレへ向かう。


僕はレティシアが微かに地面へこぼした、アイスクリームのコーンのかけらに鳩たちが群がるのを眺めていた。


……そんなのんきなことを、している場合じゃなかったのに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ