表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/50

第39話 悪の組織の真意

今日は出勤した途端に警報音が鳴り響いた。

まるで狙っていたかのように。

急いで悪のエイリアンがいる現場までダッシュして渾身の力を込めて「魔法少女のこんちきしょーーー!!!」と唱えて変身をして華麗に決めポーズをして名乗りを上げて雑魚敵を薙ぎ倒して……すべてが順調だった。怖いくらいに。

いくらなんでも不自然では?と思い、みんなにも警戒を促すと頭上から映画でしか見た事ないようなエネルギー弾が降り注いできた。

なんとか建物を弾除けにして逃れるも、掠ったところからは血が出てきている。

これは当たったら即死だな。

なんて冷静に考えているけれど、敵がここまで本気の制圧に来た事なんてなかった。

この武器は最近開発されたものなんだろうか?

強度を上げられたのかエネルギー弾が建物すら貫通してきた。

なんとか逃げながらエネルギー弾を撃ち放つ元凶の機械にステッキでぶん殴って止めようとするものの硬くてとても壊れそうもなかった。

「くっ!」

「リア、大丈夫ですか!?」

接近したせいで集中砲火を喰らったが魔法少女あるあるバリア機能でなんとか防いだ。

「あれ、壊さなきゃどうにもならないね!」

久々に熱くなってきた!

一度は大敗して戦うことすら放棄した身だからこそ今度こそは負けないという不屈の闘志が私を奮い立たせた。

なんとかエネルギー弾を避けながらもう一度ぶん殴ってみたけどやっぱり無駄だった。

「みんな!ここは力を合わせてあの機械をぶっ壊すよ!」

「はい!」

返事をしてくれたのはユリアだけだった。

悲しくなんてないもん!!

でも、みんなちゃんと合わせて攻撃してくれた。

魔法少女五人合わせてのフルパワー魔法攻撃に機械が空中でバランスを壊して地面に落ちそうになる。

「やった!?」

でも、落ち切る前にどこからか佐藤太郎が現れて機械をキャッチした。

そして何かのボタンを押すとまた機械は空中へ飛び上がりエネルギー弾を連射してきた。

「くっ、佐藤太郎…!」

「恨まないでくれ、リア。これも世界のためなんだ」

「何が世界のためなのよ!」

私が構えるが、佐藤太郎はそれをスルーして語り続ける。

「君はこの組織を誤解している。本当の悪はここじゃない」

「…なんのこと?」

「それは……」

言い淀む佐藤太郎にこちらも躊躇う。

本当の悪って何?誤解ってなんだ?

「よく分かんないけど、とりあえず敵だから佐藤太郎は潰しとく」

無防備な佐藤太郎の喉仏に手刀を喰らわせて黙らせた。

「ぐっ、がは……っ!」

上手く決まって膝をつく佐藤太郎の前で指を鳴らす。

こちとら別れてからプロレス技の研究してきたんだよ!

ふざけんなよ!どMマザコンナルシストクソヤロー!!

「待ってくれ!リア!僕がこの組織で専務になったのも訳があるんだ」

「戦場で待てって言われて待つ馬鹿はいない!」

そう言って渾身のタックルをした。

魔法少女の能力増量で私でも佐藤太郎にタックルかまして吹き飛ばせれた。

それでも佐藤太郎は立ち上がる。

「君はまだ全てを知らないんだ」

「そうかもね。私には分かんないことだらけだけど、人様に迷惑を掛けていい理由にはならないよね」

「いや、ビルを壊したのはリアの方が多いと報告が来ている」

「やかましいわ!」

もう一度タックルしといた。

「うう……。話し合いは今は無理みたいだね。今日のところは帰るよ。でも、自分の知ることだけが真実だと思わない方がいい」

そう言って佐藤太郎はあの凶暴なエネルギー弾を発射する機械を持って帰って行った。

黙って見逃したわけじゃない。

去り際の佐藤太郎は私に言われっ放しやられっ放しの佐藤太郎じゃなくて本気だった。

無闇に突っ込んだらやられているところだった。

けど、やっぱり気になる。

私が知らないことはたくさんある。

成り行きで魔法少女になっただけだしね。

これは、本気でボスやキュートさんを問い詰めないとダメだなぁ。

みんなもそんな気持ちらしく、魔法少女達から組織への猜疑心が生まれてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ