表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/41

41

そんな気がしてならなかった。


しかしいくら考えても、それがなんなのかは思い浮かばなかったのだが。


そしてお昼に学食に行った。


するとけっこう離れたところから、熊田がすたすたと少し小走りでこちらにやって来るのが見えた。


熊田の視線は俺ではなくて俺のすぐ右、つまりミキがいるあたりに注がれていた。


そしてその目、その顔は恐ろしく真剣だった。


――しまった。熊田のことを忘れてた。なにか肝心なことを忘れていたような気がしてたが、熊田のことだったんだ。失敗した。


熊田の視線、そして表情から判断して、もうミキを見つけてしまっているのは間違いない。


今さら逃げても駄目だろう。


俺は熊田に「おまえに女の子の幽霊が憑いているぞ」と言われたときに備えて、短い時間でありとあらゆる言い訳を考えていた。


そのうちに熊田がすぐそばまで来た。


――なに、あの人? じっとわたしを見ているわ。なんだか怖い。


ミキが言った。俺は慌てて返した。


――今はとりあえず黙っていてくれ。


――えっ? わっ、わかったわ。


熊田は俺の右側をにらみつけながら、俺のすぐ前に立った。


そして俺の耳元に顔を近づけると、小さな声で言った。


「おい、おまえのすぐ右に、女装した太ったおっさんの幽霊がいるぞ」と。



       終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)すごく「読ませてくれる作品だな」と感じさせて貰えました。だんだんミキに心が動いていく主人公がどうなるんだろう?と気にさせておいて、ここぞというオチ。作品としてコインの形をしっかりと見…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ