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「それじゃあ」
「じゃ」
「じゃ」
二人はそのまま少し足早に立ち去った。
俺は思った。
やはり熊田は警戒しておく必要があるかもしれないと。
なにも言わないが、なにかに気付いている可能性だって充分に考えられるし。
そんなことを真剣に考えているというのに、俺は自分のお腹がへっていることに気付いた。
そのまま学食で一番安い定食を食べた。
アパートに帰ってミキに語りかけた。
――ただいま。
――おかえり、まさと。お疲れ様。
――ありがとう。ところでミキ、ききたいことがあるんだけど。
――なあに?
――あの廃病院で誰かに捕まっていたって言っていたけど、そのへんのところはどうなっているんだ?
――ああ、あの男ね。廃病院にいたときからわたしに色目を使ってきた男がいるの。その人がわたしにしつこく絡んできて。あまりにもしつこいものだから、そのうちに周りの人が止めてくれて、ようやく開放されたんだけど。
――ある男の人に、周りの人。あそこにはいったい何人幽霊がいるんだ?
――全部で七人いるわ。最初はわたし一人だけだったんだけど。心霊スポットとして有名になって生きた人間がやってくるようになると、だんだん幽霊が増えてきたのね。
――どうして幽霊が増えてくるの?




