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――なあに、まさと。
――ミキ。
――まさと。
――ミキ。
――まさと。
第三者が見たらバカだと思うだろうが、俺とミキはこのやり取りをずっと繰り返していた。
そのうちにミキが、――もう疲れちゃった。
と言い出すまで。とにかく名前を呼び合っている間、俺はかなり気分がよくて浮ついていた。
これが幸せというものだ、などと考えていたのだから。
次の日も講義だ。
この大学は国立でも名門私立でもないくせに、ちゃんと出席しないと単位が取れないものが多い。
午前の講義が終わり、お昼に学食にいると、熊田が俺を見つけて話しかけてきた。
「やあ」
「こんち」
「で、唐突なんだが、夕方ごろおまえのアパートに行ってもいいか?」
「なんで?」
「河本と話をした。心霊スポットでおまえのそばになにかがいるのをずっと感じていたと言っていた」
「それは俺も聞いた」
「だからお前のアパートに行く」
「えっ、なんで?」




