自己武装
僕には武器があります。
それはとても強固なものです。
僕には武器があります。
それは強力なため代償があります。
僕には武器があります。
それは僕の四方を囲む透明な壁です。
周りの声は聞こえません。
空の彼方まで伸びているのでしょうか。
匂いは感じません。
少しの隙間すらないのでしょうか。
何かに触れることはできません。
遠くに映る花の触感はどうなのでしょうか。
ただ、ただ一つだけ確実なことがあります。
僕の真上に太陽が来た時だけ。
その限定された条件下で世界が紫檀色に染まるのです。
あわや気が狂いそうになります。
この壁の向こうに見える景色は本物なのか。
わからない。
わからない。
わからない。
わからない、けど、生き抜くしかないのです。
訳の分からない世界で。
濾過された一滴の雫しか見えないとしても。