迷子の迷子の
最近キャラが増えてごちゃごちゃしてきたのでキャラクター紹介入れときます。
迷子なう
「じゃねえええええ!
どこよ! ここどこなんだよ! 広すぎんだよこの家ぇぇぇ‼︎」
とりあえず辺りを走り周って誰かいないか確認した。そのせいで自分の部屋も分からなくなった。
「俺のアホォォォォォォォ‼︎」
とぼとぼと屋敷内を歩きながら場所を覚えることにした。
少し休むために廊下に座り込んだ。さすがに人様の家の部屋に勝手に入るのも嫌だし……
壁にもたれてぼーとしてるとどこからか声がしてきた。
次第に大きくなってくる。」
「ソウター! ソウタどこー? ……あ、ここにいる!
……あんたなんで座り込んでるの?」
「え? ああカエデか。水色の子いなくなっちゃって道が分からなくなったんだろうな。」
赤色の子がカエデの来た道を歩いて来た。
「あれ? あいつはどこに行ったんだ? またさぼったな。」
赤色の子はいつものことだという風に言ってのけた。
水色の子、真面目そうに見えてサボリ魔だったのか。
「とりあえずあいつが来るまでお前も一緒に教えてやろう。ついて来い。」
俺とカエデは色々な部屋を案内された。だが方向音痴だから全然覚えられない。
結局、俺はジェラルドさんの部屋とキッチンの掃除とエリンさんの神の道具を綺麗にしたり、エリンさんの部屋を掃除する係になった。
エリンさんの部屋は相変わらず猫がいっぱいいた。
とりあえずなんとか部屋を覚えて一通りの作業を終えて今日の仕事が終わった。
部屋に戻ると机の上に服が置かれていた。
一緒にカードが置かれていた。
『寝巻き。 青かんざしより』
水色髪はパジャマを買って来てくれたのか。かんざし?
そういえばあの双子はかんざしの付喪神だったっけ?
カードを見ると裏に地図が描いてあった。図書館までの地図だった。
時計を見るとまだ夕方の5時だった。
パジャマのお礼に名前を付けてあげよう。
一応エリンさんに言ってからにするか。
エリンさんのドアをノックして入ると本を読んでいた。
「エ、エリンさん! 図書館に行ってきます。」
「え、あっ! 私も行きます! 借りてた本を返しに行くし!」
「なら俺が返しに行きますよ。」
「いや、新しい本が出てるか見に行きたいし!」
ということでエリンさんと図書館に行くことになった。
さっきはジェットコースターのせいで酔ってほとんど町を覚えてないけど、今回はゆっくり散歩しながら図書館に行こう。
町は綺麗で観光地のように賑やかで、幻想的な町だった。白い石レンガの道をゆっくりエリンさんと歩いているとちらちらと視線を感じる。
どこか変か? 服を確認するが変な所は何もない。
開き直って人目を気にせず散歩することにした。
「エリンさんは何の本を読んでるんですか?」
「や、薬学の本です。」
「凄いですね! いつからですか?」
「生前から教わってたんですよ。」
そんな他愛もない話をしながら図書館に向かった。
ちらちらと天界の人、いや神様を見たけど色々な人がいる。浮いてる人や手が蛇の人、見た目も服装もみんな違うが、みんな笑顔で楽しそうだった。
天界の図書館は宮殿のようだった。エリンによると現世、異世界、天界の全ての言葉の全ての本が揃ってるらしい。
だからこれぐらいの大きさじゃないと本が入らないらしい。
図書館に入ると何百段もある本棚が壁を埋め尽くしていた。一番上の棚の本なんてどうやって取るんだろう。
雪の名前がある本を探そうとしていると、手の平サイズの妖精が2人近づいて来た。
綺麗な羽があってヒラヒラした服を着ている。
「何の本をお探しですか? 案内しましょう。」
「えっと雪の名前が書いてある本ないですか?」
「ありますよ。案内します。スサナはエリン様の案内をして。」
「分かりましたイザベル様。エリン様は薬学の本ですよね。」
エリンは1人の妖精と一緒にどこかへ行った。多分薬学の本がある所だろう。
「ご案内します。」
ちらほらと人がいるが、1人の人に1人の妖精が付いていた。
人に付いていない妖精は本を運んでたり、鬼ごっこをして本棚にぶつかってる子もいた。
「あの、あなたは妖精なんですか? すみません、まだここに来たばかりで。」
「私は本の神のしもべです。本から作られています。そしてこの図書館の主である本の神と共に神々にお望みの本の場所までご案内しています。
あとあなた、神ではありませんね。」
「え、何で分かったんですか⁉︎」
結構焦った。わざわざ神ではありませんねと言われてるし、もしかしたら天界には神以外入ってはいけないというルールでもあるのか⁉︎
「いえ、人の匂いがしたので。
あなたが神ではないというだけで馬鹿にする神もいます。
そんな奴は無知なだけであります。私達からしたら神ではないというだけで馬鹿にする浅はかな奴こそ馬鹿なので。
……まあ何かあったら相談にも乗りますよ。私達は色々なことをしてるので。」
どうやら心配されてるらしい。そんなに弱そうに見えるのかな。
「ありがとうございます! それにしてもこの図書館は面白そうですね。」
「ええ……あ、ここですよ。天候が書かれている本は。何で雪の名前の本を借りようと思ったのですか?」
「ちょっとある人の名前に雪の名前にしたかったので。」
「……ならこの本にしたらいいでしょう。返却は私共が一週間後に取りに行くので何の神の屋敷にいるのかお教えください。」
そう言って5メートルぐらい上にある本棚から本を一冊取って渡された。
もしかしてこの宮殿みたいな図書館にある本を全部覚えてるのか……?
「運命神の屋敷です。」
「エリン様のお屋敷ですね……分かりました。ではこれで。あ、あとこれからは私が本を選ぶときに立ち入りますのでよろしくお願いします。
あと、敬語は堅苦しいのでこれからはやめましょう。」
「分かった。ありがとうえっと……」
「イザベルです。」
そう言ってお辞儀をされた。
エリンは本に集中して先に帰れと言って動かなかったので先に帰ることにした。
時計を見るともう7時で夕暮れで空がオレンジ色になるはずだが、天界はどうやらオレンジ色ではなくピンク色の空だった。
ゆっくりと歩いてると、周りの神様達が俺をじろじろ見ていた。
馬鹿にする奴もいるというイザベルの言葉を思い出した。そんなのに負けないぞ!
と思い堂々と歩いていたら凄い勢いで赤いチャイナ服を着た人が近づいて来た。白いマフラーで口を隠していた。
俺の目の前に立って睨まれた。俺と同じぐらいの身長だから迫力がある。
怖くて目をそらした。
(おい、お前……)
次の話もよろしくお願いします。