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神様候補は異世界生活!  作者: 時雨ぼたん
7/10

双子!

「天界? ここが?」

天界は異世界とは少し違い、豪華な町並みだった。

「そうよ。天界は広いわよ! なんせ1人の神に1つの屋敷が用意されてるんだから!」

カエデは天界に来て興奮してるのかいつもより声がでかい。

「わ、私の家はもうすぐです! あと……そろそろ降りた方がいいですよ?」

そういえばなんか視線を感じるな、と周りを見渡すと周りの人達が俺を見てクスクス笑ってる。

そりゃそうだ。こんなか弱そうな少女に年上の男がおんぶされてるんだから。

「カエデ……降りる」

降りて歩く。やばい恥ずかしい!

ここは大通りなのか道がやけに広く、たまに噴水とかがある。


「あ、あの家が私の家です!」

エリンの指さした所を見ると、なかなかセンスの良い屋敷があった。

「あれ、他の屋敷よりでかくね?」

「えっと……運命神は上位神なので屋敷も大きいんです。あと私は現世で行くあてもなくウロウロしている付喪神つくもがみを拾って住まわしているので広くしてもらってるんです……」

「優しいんですね〜」

「……さあ早く入りましょう! 私メイド服着てみたかったのよ!」

カエデはメイド服を着れるという興奮を持て余してどうしたらいいのか分からないのかピョンピョン跳ねてる。

カエデにはメイドは務まらないと思うのでこのまま成層圏突破してほしいがそれは困るのでさっさと屋敷に入ることにした。



屋敷の中は豪華な調度品や絵や絨毯が敷いてあった。

昔のヨーロッパの貴族が住んでそうな屋敷だ。

エリンさんについて行き、ある部屋に入ると、着物を着た双子? の女の子がいた。

片方の子は赤色を中心にした着物を着たピンク色の髪の女の子で、もう1人は青色を中心にした着物を着た水色の髪の女の子だ。

「こんにちはあっち達はかんざしの付喪神つくもがみです。あっち達を雇ってくれる神様が来るまでここに居候しています。」

「ます。」

ピンク髪子が説明するとなぜか「ます。」だけをいってくる水色髪の子。

「つくもがみってなんだ?」

「物は99年経つと妖怪化するの。」

そんな奴もいるんだ。

「へー。お前たちの名前はなんだ?」

「俺は山口奏太。ソウタって呼んでくれ。そっちのピョンピョン跳ねてるのがカエデ、よろしく。えっと……名前は?」

「名前はまだない。かんざしの双子としか呼ばれたことがない。」

「ない。」

「じゃあ私が付けてあげる! 適当にレッドとブルーでいいんじゃない?」

なかなかのネーミングセンスを見せつけたカエデだが、双子の戦隊ヒーローみたいで嫌という意見でレッドとブルーは却下された。

当然の結果だ。

「じゃあ今度お兄さんが付けてあげようか?」

「そうする。お前はまともそうだ。」

「そうだ。」

「ソウタとカエデの服は用意してある。カエデはこっちの部屋だ。ついて来い。

あんたはソウタの部屋に案内して着替えさせろ。」

「あいさー」

どうやらあいさーは分かったという意味らしい。



水色髪の子に俺の部屋に案内してもらうことにした。

廊下を渡りながら何を話すか考える。

「あの、さっきの部屋は誰の部屋ですか?」

「ジェラルド様の部屋さいなー。ジェラルド様は一昨日から休暇をもらってる。お前たちはジェラルド様の代理だ。」

「そうなんですか。なんで召使いの仕事が中級クエストなんですか? 初級でもできそうですけど。」

「初級は異世界内のクエスト全般のことだ。どんなに敵が強くても異世界内のことなら初級クエストだ。

中級は天界内のクエスト全般だ。」

「そうなんですか。」

き……気まずい……

水色髪の子の歩くスピードが遅い。


「雪の名前がいい。」

「雪?」

「私の元主人は雪が好きだったからな。

雪の名前がいい。」

「分かりました。ところでここら辺に図書館はありませんか?」

「? 明日案内しよう。」

図書館で雪の名前を調べよう。はぁ……こんな時ネットがあればなぁ……

それからは2人とも何も言わずに歩いた。

どうやらこの子は気まずいとは思ってないみたいだ。


あるドアの前につくと水色髪の足が止まった。

「ここが一週間寝泊まりするお前の部屋だ。服は机の上にあるから着ろ。あとどうやらお前たちは手ぶらで来たようだな。まあ安心せい。お前たちに必要な物はこの屋敷に揃っているだろう。これを着たらさっきいた部屋に来い。」

「はい。」

そういえば一週間働くのに手ぶらで来たな。なんで気づかなかったんだろう。

部屋に入ると、ジェラルドさんと同じような物が置かれてる部屋だった。

綺麗な彫刻が彫られた勉強机の上には召使いの服がたたんで置かれていた。

サイズは少しぶかぶかだったが袖を折ったらちょうど良いサイズになった。

「あのー着れました。」

返事がない。ドアを開けると水色の子はいなかった。

そういえばさっきいた部屋に来いって言ってたな。

さっきの部屋ってジェラルドさんの部屋のことだよな。

確か……確か……どうしよう、分からない。

そういえば俺方向音痴だったんだ。

廊下には目印になる物なんてなかったし……あるのは赤い絨毯と所々に絵画があるぐらいだ。



どうしよう……16歳で迷子になった。

次の話もよろしくお願いします!

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