登場人物のまとめ
ネタバレが多分に含まれますので、本編未読の方はご注意ください。
その本編でも未出、または描写不足を補う部分がございます。
もちろん、この内容を飛ばされても支障はありません。
各人の名称は主人公から見た場合です。
これを更新した時点で主人公と協力関係を結んでいる人物には、名前の後ろに★マークを付けました。
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第一章から登場した人物
●サラ
本作の主人公。
転生時、壊れたようにバグっている三つのスキルを入手した。
遊んで暮らすという壮大な夢があり、自分なりの方法で叶えようと行動している。
何かで悩むと長考に陥りやすく、過去に得た知識から回答を得ようとしがち。
金銭に対して強い執着心を持つが、使うべきところでは大枚をはたく。
迷宮討伐の一件でまとまった資金や土地を入手し、生まれ故郷を離れてヱビス商会を立ち上げた。
現在は、自転車工房やマンマ・ピッツァを経営しており、独自に調味料の製造、及び販売も行っている。
●レア ★
パン屋の娘で、若い頃は鷲獅子の爪痕に所属していた元冒険者。疾風の君や舞姫という二つ名を持つ。
出向先で出会った男性と仲を深めて結婚し、故郷に戻って雑貨屋を営んでいたサラの母親。
今でも夫だけに心を向けており、娘に対しては心配性な一面を窺わせることが多い。
時折、場を凍り付かせるギャグを口にすることがある。
現在は、こっそりと復帰していた冒険者業を休み、ヱビス商会王都支店の支店長として娘の商会を手伝っている。
●ライアン|(エリック・ライアン・ルウェリン・ザ・キング・オヴ・エマ)
エマ王国の王家に生まれたがその王位継承権は低く、無断で外出してもあまり咎められなかった。
その最中に出会った女性に惚れ込んでしまい、駆け落ちしてグロリア王国へ移り住んだサラの父親。
持ち前の美貌や話術を活かして地盤を固めていくが、娘が一〇歳を迎える頃にエマ王国から所在を掴まれてしまった。
ここで逃げても同じ事の繰り返し、もしくは妻や娘が魔の手に掛かると悟り、妻子の前から姿を消した。
現在は、エマ王国でエリック四八世として国王の席に着き、別の女性と婚姻関係を結び娘二人と息子一人を設けている。
※長ったらしい名前は今後変更する可能性があります。
●エミリー ★
実家の稼業を手伝っていたが、のちに冒険者となり秘められた力を開花させた。
とても熱心な努力家であるものの、それを知られることに恥じる傾向がある。
かわいいものが好きで、祖母から教わった手芸の腕前はプロを唸らせるほど。
サラとは親戚関係。従姉妹。
現在は、サラの商会に勤めており、後述するシャノンと共に遠方へ出張中。
●お婆ちゃん ★
パン屋の夫に嫁ぐ前は、町で人気の針子をしていた。
サラから見て母方の祖母。エミリーの祖母でもある。二人の祖父は鬼籍。
現在は、サラと同じ町に引っ越しており、語学教室や手芸教室を開いている。
●伯父 ★、ミンナ ★、その長男 ★、その次男 ★、長男の妻 ★、長男の子供
ブルックの町、南口エリアでパン屋を営むエミリーの父母とその家族。
両親は二人の息子と一人の娘を産んでもなお熱愛ぶりが健在だった。
サラとは親戚関係で、伯父はレアの兄。パン屋は彼らの親から受け継いだ。
現在は、次男がサラの出資でコロッケ専門店を経営している。
●シャノン ★
類い希な魔術の資質を持っていたため、親元を離れて祖父母の家で暮らしていた。
よくおかしな言動を見せることもあるが、賢明な判断はできる。
変わった形の石集めが趣味で、特に気に入ったものは部屋に飾っている。
サラとは魔術の研究を通して親睦を深めた。かなり遠いが親戚関係でもある。
現在は、サラの商会に勤めており、前述したエミリーと共に遠方へ出張中。
●シャノンの祖父母 ★
ブルックの町の中央通り近辺で魔術用品店兼工房を営んでいた。
客を客とは思わない対応をすることで有名な店でもある。
致死性の罠を含む魔道具も取り揃えており、売れ残り品は魔改造を施して遊ぶことが多い。
現在は、サラの誘いに乗ってケルシーの町に移り住み、同種の店舗と工房を経営している。
●木工工房の親方 ★
幼い頃から木工職人を目指していたナイスガイ。
前親方の娘を娶っており、ブルックの町南口付近で木工工房を営んでいる。
高い技術力を持ちながらもそれに驕ることはなく、顧客の要望には可能な限り応える方針を取っている。
現在は、サラからの誘いを断り、ブルックの町で弟子を育てている。
●木工工房の弟子 ★
その多くは親方の腕前に惚れ込んでおり、とても慕っている。
サラからの誘いを受けた幾人かは、ケルシーの町へ引っ越した。
●隣人の老夫妻
元は焼き物職人だったが、次男に工房を譲って引退した。
サラが起こした土瓶ブームを切っ掛けにして、その工房は大きな利益を得ている。
●マチルダ(グリゼルダ) ★
エマ王国などが属す小国群のうち、レヴィ帝国とほど近い国で生まれ育った。
親との折り合いが非常に悪く、実家を捨てて飛び出した過去がある。
以後は冒険者として生活していたが、レアに窮地を救われてからは彼女に強い憧れを抱く。
その思いは次第に美化されていき、レアの雰囲気を真似ていたら同性に人気が出た模様。
現在は、実家を警戒しながらもレアが担当する店舗付近で暮らしている。
●南口門番の兵士
お節介だが気の良いおじさん。
兵士にしては態度が悪くないため、サラだけではなく他の利用者からも人気が高い。
●エクレア ★
魔獣の王様ベヒモスの亜種と目されているが、その実態は不明。
黄色い体に焦げ茶色の背毛が走る猪のぬいぐるみに似た外見をしており、『ぷもー』と鳴く。
怪我を治したサラに懐き、以後は彼女の使役獣となって、主の身を寒さや外敵から守っている。
まるで人間の言葉が通じるように従順ではあるものの、飼い主であるサラの制止を振り切ることも稀にある。
現在は、大型犬ほどにまで成長しており、ケルシーの町周辺を縄張りとして守っている。
●グレイス ★
ブルックの町にある老舗、羊飼いの隠れ家亭という宿屋の娘。後述するクロエの姉。歳の離れた兄弟もいる。
実家が町一番のお金持ちな上に、優美で寛容な性格をしており、ずば抜けた美貌とスタイルをも併せ持つ。
サラに近付いた当初の理由は父親からの命令であったが、今では彼女を個人的な意思で慕っている。
家の力で挫折させた者を幾度なく目にしてきたが、何度失敗しても立ち上がるサラに強い衝撃を受けていた。
現在は、サラが経営する店舗の隣で空飛ぶひよこ亭という宿屋を妹たちと共に経営している。
●クロエ ★
ブルックの町にある老舗、羊飼いの隠れ家亭という宿屋の娘。前述したグレイスの妹。歳の離れた兄弟もいる。
実家が町一番のお金持ちであるため、咲き誇るような可憐さを演じていた。
サラに近付いた当初の理由は父親からの命令であったが、今では彼女を一つの目標として慕っている。
幼い頃から魅力的な姉を目指すよう強要されて育ったこともあり、暗い内面を押し隠して生活していた。
現在は、サラが経営する店舗の隣で空飛ぶひよこ亭という宿屋を姉たちと共に経営している。
●南方からの行商人
海藻灰やオリーブオイルなどを町の広場で売っていた。
多少の値は張るが、ブルックの町がある北方では入手困難なため需要は高い。
●木工細工職人 ★
一見すると根暗な青年だが、その心意気はとても晴れやか。
凝り性であるがゆえに丁寧な仕上がりを見せるため、一部では評価が高い職人だった。
現在は、サラに誘われてケルシーの町で木工細工工房を営んでいる。
○ママになったリンコちゃん ☆
サラが見た夢にのみ登場した。
擬人化されていたかまでは定かでない。
もしかしたら、別れの挨拶だったのかも。
●ブルックの町を守護していた先代の貴族
老齢の子爵であり、民思いの立派な人物だった。
独断で他国の王子を匿っていたことが原因となり、その席を追われてしまう。
●ブルックの町を守護する当代の貴族の次男坊
サラの自転車を奪い取った挙げ句、転倒した腹いせに破壊したクソ野郎。
その事実を突き止めたサラによって、人体実験の検体にされた。
あの一件以降は家の中に閉じ込められているが、例の魔術は未だに解除されていない。
余談だが、投稿直前の原稿ではサラの手によって無惨な死を遂げていた。
●商人ギルドの職員
ラフな恰好は許されていない。
丁寧な対応をするが、基本的にはお役所仕事のため融通が利かない。
●冒険者ギルドの受付嬢
胸元がゆるい服装をしている。
お堅いマニュアルはなく、かなりフレンドリーに接してくる。
相手によっては温度差が激しく、好感度を上げるとお得な依頼を紹介してくることも。
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番外
●転生前のサラの両親
娘を厳しく育てているように見せかけて、自分たちの価値を高めようとしていた。
私立の中高一貫校の関係者。
●銀色の人型
サラが転生時に邂逅した存在。まるで機械のような言動を見せていた。
サラ曰く『ポンコツ女神』で、スキルオーブのガチャを一度だけ引かせてくれる。
なお、生まれながらに複数のスキルを所持している者は、そのガチャを有効利用した。
個数の制限は言及されておらず、取り込みまでにもタイムラグが発生するため。
●死神
サラが転生する前の世界で魂の管理をしている。
世界を渡る能力があり、そこへの干渉も可能であった。
稀に発生する魂の横取りに悩まされている苦労人……苦労神?
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第二章から登場した人物
●裏通りの武器・防具屋 ★
つるっぱげ。元は兵士をやっていた。
この世界では武具の需要が高いため売れてはいるが、商売に対する熱意はない。
パンの売り子時代からエミリーの大ファン。
現在は、サラに誘われてケルシーの町で同種の店舗を経営している。
●追い剥ぎの冒険者たち
全体的に低ランク。怒ったエミリーとシャノンによって気絶させられた。
その後、通報した冒険者ギルドが処罰に動き、そこを追放されてからはどこかの工房でこき使われている。
●シャノンの親衛隊 ★
趣味で冒険者を続けている老人たち。
鍛え上げられた魔術で若者よりもパワフルに活動している。
現在は、善意でケルシーの町周辺を見回ってくれている。
●服飾店の店員 ★
横にすれば転がりそうなほどふくよか。しかし、フットワークは非常に軽い。
観察眼に優れ、顧客のニーズに合わせたコーディネイトもお手の物。
現在は、夫と共にケルシーの町へ渡って自分の店を開いており、サラも足繁く通っている。
●新人の門番、その上司
通行手形の発行を廻って揉めたが、面倒ごとを嫌った上司が解決した。
冒険者の多くは町に住み着かないので一部の税金が免除されている。
そこが気に食わないという人が一定の割合で存在し、彼も同様の考えを持っていた。
ちなみに、冒険者を指してチャラ夫やチャラ子という蔑称を陰で使うことがある。アドベンチャラーが由来。
●冒険者のおばさん
サラが持つスタッシュを欲して引き抜こうとしてきた。
断られてもしつこく粘るが、サラからの明確な拒絶を受けて退散する。
●ゴブリン
緑色で小柄な亜人。汚くて臭い。
稀に青色の上位個体が現れることもあり、戦闘に不慣れな者には強敵となる。
その青色を甘く見たエミリーは致命傷を受けたが、怒ったサラの魔術で一瞬にして燃え尽きた。
後日、別個体ではあるものの、エミリーは青色ゴブリンにリベンジを挑み、見事勝利を収めている。
●薬屋のおばさん店員、その娘 ★
隙を見せずともおばさんトークで時間を絡め取ってくるサラの天敵。
シャノンの祖父母の店と付き合いがあるので無下には扱えない。
娘は新薬の研究や開発ばかりで家に篭もりがちだが、ただ出不精なだけ。
現在は、娘だけがケルシーの町に引っ越しており、一人で薬屋を切り盛りしている。
●冒険者ギルドの調査員
生え際が後退し始めた熟練冒険者。
エクレアに魔獣の可能性があることを見抜いた。
特に害はないと判断され、討伐依頼は出されていない。
●乾物を扱う行商人
サラのぼったくり無双を知って、すぐさま行動に出た身軽な行商人。
しかし、商品はサッパリ売れず、逆にサラの露店は売り上げを伸ばすという怪現象が起こった。
壊れた荷車を道の片隅に残していたが、その後の行方は知られていない。
●出張ギャンブルの行商人
主に冒険者を相手にして賭け試合を行い、彼らから金品や装備品を巻き上げて荒稼ぎしている。
裏で武器屋や防具屋と繋がっているのでは――という強い疑惑がある。
●果物売りの行商人
場違いなほど高価な衣服を身に纏った太めの男性。
護衛の他にもスタッシュが使える小姓を引き連れている。
実は羊飼いの隠れ家亭と伝手を持ち、美人姉妹からはサラを守るよう頼まれていた。
しかし、ただの善意で仕事を受けるはずもなく、サラに自身の印象を残すために所謂大人買いを行ったが空振りに終わる。
●オーガ
むきむき
おおきい
あたまわるい
●四人組の悪党
ブレア領の領都にある商会に雇われた冒険者崩れ。
賭け試合を行っていた一味の武器を所持していたが、その繋がりは不明のまま。
リーダー格の男はサラの加熱で胸毛を燃やされた。
最終的には犯罪奴隷として四人とも売却され、代金はサラたち三人娘で分け合った。
●マチルダ(グリゼルダ)のチームメイト
仲間が目の前で死亡したため精神が参っている。
その手には遺品を握りしめていた。
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第三章から登場した人物
●シャノンの両親 ★
グロリア王国の王都で古物商を営んでいる。
母親は魔術アカデミーの研究員をやっていた。
娘を祖父母の元へ送ったのは、研究材料や軍事目的で奪われることを警戒したため。
●隊商(キャラバン)
サラが遭遇したのは、一つの大きな商会が企画した集団。
主にグロリア王国内の南部を廻っている。
●オーク
武装する程度の知性があり、群れで行動する性質のある亜人。
亜人種の中では体力面に優れているものの、その動きは鈍い。
繁殖能力が極めて高いまではテンプレだが、豚人間ではない。子作りも同族間でのみ行う。
●ヘイデンの村にいた羊
迷子。あのあと無事に住処へ戻りました。
田舎の長閑さと、大勢で賑わうカオスな演出をするために用いた舞台装置。
ヤギと羊のどちらを出すかで迷った。
●走る大根
害虫から逃れ、安住の地を探していた。
足腰の強い野菜は食べ応えがあり、一般的には美味とされている。
なお、すべての植物が動けるわけではない。
●青空酒場の三人家族
サラの噂を耳にして一家でやってきた。
田舎の情報網は甘くない。
●スライム
お馴染みの粘体生物。
最弱的な存在ではない。
●ゴーレム
出現する地点によって様々な素材で構成される動く人形。
場所次第ではピンからキリまで強さに開きがあり、他の魔物とは違った動きを見せる。
そのため、今居る階層を知る目安としても使われている。
●迷宮で助けた年若い冒険者チーム ★
サラたちと同年代の男女混合チーム。
恩着せ大作戦が決行され、哀れにも商品の押し売りをされた。
彼らが対価に差し出した装備品は本当に売り払われている。
●鷲獅子の爪痕 ★
かつて、若かりしレアが所属していた高ランク冒険者チーム。
チームの設立以来、レアが抜けた以外にメンバーは替わっておらず、今は男四人と女一人の五人組。
基本的にはエマ王国を含む小国群で活動しているが、周辺諸国に赴くことも珍しくない。
そのため、彼らの名声は各地に轟いており、同業者からの支持も厚く、非常に多くのファンが存在する。
チームリーダーであり、タンカーを務めるバートは未だにレアのことを想い続けている一途なおじさん。
女装癖のあるクインとお調子者のチャドは物理アタッカー、及び攪乱を担当。斥候も兼任する。
結婚願望の強いポーラと童顔で小柄なポールは双子の姉弟で魔術アタッカー、及び支援を担当。
現在は、レアが店長を務める王都支店によく出入りしている。
●迷宮トレント
歩ける樹木。多種多様な種類が存在する。
地上にも生息しているが、姿形にやや違いが見られる。
●羊飼いの隠れ家亭の主人 ★
先祖代々受け継いできた老舗を預かるナイスミドル。
ライアンからの頼みを聞き入れ、怪しまれないようにサラを守ってきた。
自らが接触することは稀でしかなく、何かあれば二人の娘を窓口にしている。
先代の守護貴族を除けば、ブルックの町において最も強い影響力を持つ。
●羊飼いの隠れ家亭の料理長
自分の腕に強い自信と高い誇りを持ち、料理は最高の状態でのみ提供していた。
そのため、料理の持ち帰りを一切認めていない。よその厨房への出張も断っている。
●ゾンビ
その多くは冒険者の成れの果て。
動きはのろいが、下手に接触すると何かの感染症を患う危険性がある。
それが原因で国が滅んだという逸話があり、発見したら焼却するよう法で定められている。
放置しておくと、いずれはスケルトンやゴーストに変化する。
●ディケイド・ドラゴン
恐竜の化石にしか見えない巨大な骨の魔物。
メイズコアを守っていたボス。
サラたちが死闘の末に撃破した。
●ミード領の領主、ヘイデンの村の守護貴族、ヘイデンの村の村長
迷宮討伐を果たした功績で、それぞれから謝礼を受け取った。
特に、領主から贈られた報酬のおかげでサラの生活は一変する。
買い取られたメイズコアは領主の資産となり、死蔵されることが多い。
それ自体が魔術用品や薬の材料となるが、迷宮討伐を成した人脈を誇るためでもある。
●コロッケ専門店に勤める女性従業員 ★
店を任せようにも従兄が頼りなかったので、それを補うために雇った人。
諸事情があるので住み込みで働いている。
●外務大臣、宰相など
現国王を擁護する派閥に属している上級貴族。
実質的に国の運営を担う者たち。
●セドリック・カウント・オヴ・ウォード
エマ王国、近衛騎士団の団長。
屈強な肉体を持ち、歴代の団長の中でも上位に食い込むほどの実力を誇る。
ライアンとは幼い頃から交友があり、彼が駆け落ちする直前にも会って話をしていた。
その内容は、今まで一度も口に出したことはない。
現在は、サラの本拠地であるウィンダム領の領主の騎士団に団長として籍を置いている。
●ステファニー・ザ・クイーン・オヴ・エマ
ライアンの第一夫人であり、現在の王妃。
二人の娘と一人の息子がいる。
前王妃のペルセフォネとは非常に仲が良い。
彼女が属している派閥は、現国王を擁護するものだけに限らない。
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第四章から登場する人物
●ウェイン ★
自転車用の特殊な軸受けを作れる青年。後述するカーラの弟。
時間はかかったものの、懐中時計すら作って見せた。
現在は、ヱビス商会の傘下に入り自分の工房を持っている。
●カーラ ★
様々な精密機器の設計をこなす少女。前述したウェインの姉。
弟の力量を熟知しており、それに合わせた設計図を考える。
現在は、マンマ・ピッツァの店員をしながら、サラからの仕事も受けている。
●廃墟近くの桟橋にいた青年
漁師の見習いだったが、水路を走るゴンドラタクシーの操縦者に転職した。
舟の修繕もある程度なら自分で行える。
●ウィンダム領の領都の町にある大店の店主 ★
主に香辛料を取り扱っている。
生活に必要不可欠な塩も販売されているので、他の商品もついでに買われていくことが多い。
●ダーモット・バロン・オヴ・サリンジャー ★
ウィンダム領の領主を務めている。
あまり裕福ではないが、他者に妬みを覚えない人物。
芸事にも理解を見せる。
●キャンディス・キャメロン
キャメロン子爵家の長女。レヴィ帝国とも縁がある。
いつも取り巻きを連れており、ヨイショされてご満悦。
気に入らない事があればキャンキャン騒ぐ。
●ミランダ ★、孤児たち ★
ウィンダム領の領都で暮らしていたが孤児院には入っておらず、サラに雇われて引っ越した。
シスコンやブラコン、眼光鋭い幼女にサボりトリオなど、様々な者が集まっている。
その中でも、がむしゃらに働くミランダはサラが最も気に掛けている。
幼いながらも外国語の習得や、算術、魔術、体術などと、その向上心はかなり高い。
現在は、全員がサラの元で変わらずに働いている。
●ヴァレリア・ウォード ★
エマ王国、近衛騎士団の団長、セドリックの娘。
元は騎士団で見習いをしていたが、父を打ち倒したサラの存在を知り家を飛び出して押しかけた。
サラを崇拝するかのように慕っており、女神の化身だと思い込んでいる。
俗事には疎いほうだが、決して頭が悪いわけではない。
現在は、サラの専属護衛騎士として振る舞っている。
●ウィンダム領都にある高級旅館の主人
ヴァレリアの言動を読み間違え、娼婦を呼んだ人。
●魅惑的なお姉さん達
宿屋が多い一画にある娼館に勤めていた。
いつの間にやらケルシーの町に引っ越している。
●ベアトリス・リヴァース ★
現国王を擁護する派閥から派遣された貴族家の娘。
家の爵位は低く、周囲の意見に流される傾向があるため、面倒ごとを押し付けられやすい。
実家では世話係の教えを受けていたので、サラの元へ遣わされることになった。
基本的な教養は身に付けているが、特に光るようなものはない。
現在は、サラの専属側役として事に当たっている。
●ベアトリスのメイド達 ★
低位であっても貴族家に仕えるだけはあり、仕事面で不足は見せない。
ケルシーの町を襲った水害により、自室が水浸しになるという不運に見舞われた。
普段はまったく目立たないが、サラの家が綺麗に保たれているのは彼女たちの働きである。
●レアに雇われた従業員 ★
一人で売り歩く男性と、レアと共に露店を手伝う女性。
どちらも成人しているが、年は若い。
●ミルドレッド・サリンジャー ★
ウィンダム領の領主、ダーモットの妻。
穏やかだが強い力を感じさせるほどにふくよか。ふくよか。
●アーネスト・サリンジャー ★
サリンジャー男爵家の長男で次期当主。
活発な性格をしており、リュートも嗜む。
今は学業の都合で離れて暮らす弟とも仲が良く、幼い頃は野原を駆け回って遊んでいた。
●フィロメナ・サリンジャー ★
サリンジャー男爵家の長女。
並外れた歌唱力を持ち、それを美声で歌い上げる。
音楽に対して強い関心があり、サラの事業には飛びつくように協力してくれた。
●グレイスに手紙を送ってきた人
サラと仲良くなりたい誰かさん。
●料理人のおばさん ★
羊飼いの隠れ家亭から派遣された中年女性。
恰幅がよくて声も大きく、迫力ある料理人。
サラが作ったピザギルドの座長|(ギルド長)でもある。
現在は、マンマ・ピッツァの本店に勤めており、皆からマンマと呼ばれて親しまれている。
●スチュワート ★
以前は羊飼いの隠れ家亭で筆頭執事を任されていた。
老け顔ではあるが、実年齢はそこまでいっていない五〇代半ばの老紳士。
現在は、サラの執事として大半の事務作業を一手に引き受けている。
●ケルシーの町の町長 ★
ある程度は文字が読めたので白羽の矢を立てられた。
先住民の間でも話し合いが持たれているので不満は出ていない。
しかし、本人は町長を辞めたがっている。
●グラント伯爵、ベルギル伯爵、チャニング子爵、ダグラス男爵、タガート氏
サラを次期女王として担ぎ上げ、現行国家の転覆を狙う過激派に属した人たち。
タガート氏は教団の関係者。王都の大聖堂に行けば会えるかも。
全員が中年男性。
後日、ダグラス男爵からチョコレートの仕入れルートを教えてもらった。
●ニコラス何某
前述した集団と敵対する上級貴族。
現国王を擁護する派閥に属している。
野心を見せないサラには割と協力的だが……。
●ルーシー(ルクレティア・コーディ) ★
コーディ男爵家の娘。ルーシーは愛称。
家の爵位は低いが、事業が成功したことで結構なお金持ち。
本人も並の商人より優れた洞察力を持っており、サラの話を聞いて利益を見出した。
現在は、人材や資金面でサラの事業に協力している。
●エドガー ★
エマ王国の王都において有名な金融会社を営む老人。
エドガーの金貸し屋と言えば、その筋の人には恐れられている。
前述したルーシーを家まで送り届ける際にサラと出会った。
現在は、サラがオーナーを務めるエドガー銀行の頭取に就任した。
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第五章から登場する人物
●弦楽器の工房主 ★
モジャモジャ頭の頑固オヤジ。管楽器工房主とは親戚関係。
元はリュートを作っていたが、サラとの契約でヴァイオリンなどの製作を請け負っている。
●木こり ★
逞しい肉体を持った山の人。
魔木の伐採もお手の物で、下手な冒険者チームよりも戦力が高い。
●アクースティック・トレント
スプルース、メイプル、エボニーなど。
フェルナンブコも。
●八本足の巨馬
逃げずに体当たりしてくる。
●催眠ガスの羊
目つきが悪い。
●製パンギルド職員
物産展に苦情を申し立てたが、ヴァレリアとスチュワートによって解決された。
その後は職を辞め、スラム街で見かけることがあるとかないとか。
パン屋でピザパンが売られていたのは、スチュワートの判断による折衝案だった。
●ピア
信仰心の厚い修道女。聖歌隊にも所属する。
元は捨て子であるため、金銭に対する想いも強い。
『サラは女神の化身』というフレーズを疑いながらも気にしている。
●管楽器の工房主 ★
モジャモジャ頭の楽器職人。弦楽器工房主とは親戚関係。
互いにライバル心があり、今までも競い合うことがあった。
●イケメン販売員たち
おばさんやお姉さんに大人気な二人の販売員。
サラ不在中の物産展にて、ミランダの面倒を見ていた。
これは父性を刺激されたための厚意であり、ヱビス商会からミランダを引き抜くつもりはない。
●港町の商会主
コーディ男爵家の遠戚に当たる貿易商人。
本家が起こした事業を請け負い、南国の町と取り引きしている。
ただし、輸入した貨物は底上げされていることが多く、もはや常態化していた。
○セバスチャン
執事に対してサラが口走ってしまった冗談。
●打楽器の工房主 ★
和太鼓が似合いそうな体つきのガッチリした職人。
管弦の親戚ではないためモジャモジャしておらず、坊主頭である。
あまり出番はないが、とても真面目に仕事をするタイプ。
●大工職人
サラが自転車製作で世話になっている木工工房と仲が良い。
どちらも同じ材木店を利用している。
●マンマ・ピッツァ王都店の従業員 ★
料理人の夫妻は元パン屋。
他にも経理担当者と、給仕係が勤めている。
●高級精肉店の店主 ★
一般的な肉屋とは違い、整形した肉を扱っている。
その際に出る切れ端はヱビス商会が買い取る契約を交わした。
●鉱員
竜神山の一部で発見された鉄の鉱脈で働く採掘労働者。
その数や勢いはゴールドラッシュさながらであった。
●鍛冶職人 ★
つるっぱげの武器・防具屋の友人。
アダマンタイト鉱石を加工させるためだけにヱビス商会で囲い込んだ。
その後、鉄工細工工房のウェインと組ませて仕事をさせている。
●エドガーの執事
普通の執事。セバスチャンではない。ロッテンマイヤ―さんでもない。
●エドガーの息子たち ★
エドモンド、エドワード、エドウィンの三兄弟。
父親が軽々する金利業者で働いていた。
現在は、サラがオーナーを務めるエドガー銀行で役員職に就いている。
●フィロメナの護衛
元は王都の近衛騎士団に所属していた。
上司であるセドリックの異動に伴い、自らも志願して彼の後を追った。
王族を守る近衛騎士団に所属していただけはあり、その腕前は一級品である。
●菓子職人 ★
羊飼いの隠れ家亭と繋がりを持つ製菓工房の主。
自己の判断で行った試食発表会では、サラに活動資金の使い込みを咎められた。
その後、彼女の知らぬところで執事や美人姉妹からも強く注意され、ヱビス商会に対する恐怖感を持つ。
現在は、ヱビス商会の傘下に入り、自前の製菓工房はチョコレート専業となっている。
●レオポルド・ゲインズ ★
ゲインズ伯爵家の五男。元は騎士団の音楽隊に所属していた。
長杖でリズムを取る旧式の指揮法で自らのつま先を強打してしまい、現代的な指揮棒に持ち替えた。
現在は、サラスヴァティー・フィルハーモニー管弦楽団で指揮者を務めている。
●メルヴィン・エリオット ★
エリオット侯爵家の三男。実家は交易都市を治める大領地の大貴族。
あまりにも安定しているため確たる居場所を見つけられず、冒険者か吟遊詩人になるつもりでいた。
現在は、サラスヴァティー・フィルハーモニー管弦楽団でコンサートマスター|(第一ヴァイオリンの首席奏者)を務めている。
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第六章から登場する人物
●アナスタシア・ヘンドリック ★
キャメロン家に嵌められて没落した元貴族のお嬢様。
エマ王国出身のため美形な顔つきだが、ややぽっちゃり体型でもある。
今後を見据えたサラが貴族に対する後ろ盾に利用しようと画策中。
現在は、管弦楽団でフルートを、歌劇団では演者を担当し両立させている。
●船乗り達
航路の途中にケルシーの港が出来たことで、様々な町から集まってきた。
海側からは丸見えなため、元は廃墟の町が存在していたことを知られている。
●サラの家の新入り使用人たち ★
羊飼いの隠れ家亭で技術を叩き込まれた一流の者たち。サラの執事とは面識がある。
あちらの料理長にしごかれた料理人が作る食事は皆の舌を唸らせるほど。
古参のメイド隊とも良好な関係を築いている。
●新居披露会の来客者 ★?
ヱビス商会、及び会長のサラが持つ財力を知らしめるために執事の先導で披露会が行われた。
羊飼いの隠れ家亭と繋がりを持たない新参者、田舎領都や王都からも人を招いていた。
遠くはブルックの町やグロリア王国からも訪れていたが、美人姉妹によってサラとの接触は阻害されている。
●荷車業者
リンコちゃんシリーズに連なるリアカーの影響で商売が傾いてきたことで陳情に訪れた。
原因の大本はリアカーの外部アタッチメントが売られていたことで、そこまでは自力で突き止めている。
その後、勝手に販売していた商会はエドガー組によって粛正された。
●迷宮奉行
組織ではなく、有志の個人で活動している。
落とし穴による被害を受けた者がなりやすい。
その行動はいわゆる自治厨ではあるが、迷惑行為の抑制に少なからず繋がっている。
●学者チーム
迷宮が存在する領地のアカデミーに籍を置く者たち。
古代遺跡の調査中に魔物から襲われてしまい、地下迷宮の奥へ追いやられた。
さらに、普段来ることのない迷宮を見た学者が勝手に先へ進んでしまい、護衛に雇われていた冒険者を困らせている。
●アンテナ敷設作業員
名前を隠したエドガーが遣いを出し、他国の犯罪者収容施設|(強制労働所)から買い取ってきた。
地理に疎い者のほうが都合がよくあり、自国のそれを避けている。
用が済めば処分する予定だったが、サラがタダ同然で買い取った。
●エドガー銀行の用心棒 ★
ヤることは過激だが、統率はしっかりと取れている荒事に慣れた強面の人たち。
クっきりハッキリと物事を決めたいときに動員される。
ザっくりと言うなら、通称エドガー組。
●バスタクシーの運転手
執事が方々からかき集めてきた。
楽な仕事だと思って応募したら、実際は重労働だったパターン。
●兵士
毎日ドーナツを貰いに来る。
コーヒーも貰えるようになり、ヱビス商会にはより注意を向けるようになった。
●魔道具工房の職人
シャノンの祖父と仲の良い工房の人たち。
普段は伝書鳥の連絡網で相談や近況を伝え合っている仲良しグループ。
店舗の売り上げは安泰で、製作意欲の高い人が多い。
●買収されたパン屋、菓子屋 ★
長いものに巻かれた。
富裕層向けの菓子屋は安泰だが、パン屋の売り上げは落ちていた。
●ガスパー ★
ヱビス商会王都営業所の所長。
スチュワートに引けを取らないほどの手腕を持つ。
元々は後述するパーヴァスの商会で働いていた。
●パーヴァス
エマ王国の王都で五指に入るほどの大商人。
顧客は平民だけに留まらず大貴族の御用商人をも務め、食材から墓標まで幅広く取り扱う。
早くもヱビス商会に目を付けており、業務提携を目論んで前述したガスパーを譲った。
●オーティス侯爵
王都在住の大貴族。派閥は穏健派に分類される。
かなり鋭敏な感覚を有しており、ヱビス商会の勢いを知って目を向けている。
サラスヴァティー・フィルハーモニー管弦楽団、及び歌劇団をとても気に入っている。
●難民 ★
レヴィ帝国の侵攻によって住処を奪われた者たち。
ケルシーの町に辿り着くまでに奴隷落ちや娼館行きなどで数を減らしていた。
現在は、ヱビス商会が用意した工房で働く者や、町の外に作られた畑の世話で忙しくしている。
●営業妨害に加担して捕縛されたおっさん
キャンディスの勢力に取り込まれた哀れな人。
サラを後援する革命推進派に命じられて事に及んだ。
連行直前にサラを恨みがましく見ていたのは、自分は貴族に嵌められた被害者だと思っていたため。
マンマ・ピッツァに良い印象を持っていないのは事実である。
●見合いのイケメン軍団
王子になれると唆されて集まった。
失敗した場合は後がないとも脅されており、必死に縋っていた。
●楽団員の家が出した遣い
領主として地方に住んでいても、業務上の連絡要員を王都に置いてある。
楽団員たちは親の承諾を経てそちらに命令を下し、サラの窮地に駆けつけさせた。
自ら赴かなかったのは、相手と面識がないため。
●教団の偉い人
王都の大聖堂にいる人。
教皇やタガートではない。
●無愛想な従者
よく調べもせずキャメロン家に就職したことでやる気を失っている。
扱い自体は悪くないが、平民からの評判が最悪な家だった。
就職先はよく調べてから応募しよう。
●キャバ嬢
この世界では、自分で水を造り出すのは至って普通な光景。
どれだけ若く見えようとも、現在のキャンディスの店に未成人はいない。
別途料金はかかるが、持ち帰りにも対応している。
●王城から来た審査員
キャメロン家の息が掛かった法服貴族。
サラは妨害の苦情を申し立てたが相手にされなかった。
●カーゴちゃんを奪った盗賊団
ヒャッハー!
●アイドル候補生 ★
サラが国中を飛び回って集めてきた。
全員が魔術を使えたわけではなく、必要不可欠となるスキルオーブは経費で買い与えている。
ただし、その代金は給料からの天引きであった。
以後、ヱビス商会の広報係として働くことになる。
●町での協力者
家と店舗を奪われ、アイドル候補生となった彼女の知り合い達。
サラに協力したというよりも、町から追い出されたに等しい彼女を支援するためだった。
●他の町から来たクレーマー
その町の商工互助組合に所属する中年の男女。
無駄とわかっていながらも、周りからせっつかれて苦情に訪れた。
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