5話
リア「ガーゴイル到着まで1時間もないわ、 王都からの応援はまだなの?」
街の役人「あと3時間はかかる模様です!」
リア「間に合わないわ! 仕方ないわ、ユーリ!戦う準備は出来た?」
「ああ、もう覚悟は決まったよ。」
今日で16年苦楽を共にしたブラザーとおさらばになるかもしれないのか。
カンナ「そんなに心配しないでも大丈夫よ! 一番酷い例ってだけでしょ? 必ずしもそうなるとは限らないわ。」
いつの間にかカンナまでこの部屋に入ってきてる。
「1%でもあったら重大なんだよ!」
心配性ねぇ〜 と言いたげな顔でカンナがこちらを見てくる。
リア「装備と武器はここから好きなのを持っていっていいわ、 あと回復ポーションも持っていった方がいいわ。」
「よし! 武器は大剣にしよう! 」
ガチャガチャ、装備も頭をつけずに防具はかなり軽装といった感じに装備を揃えた。
カンナ「そんな装備で大丈夫なの? 一撃で壊れちゃいそうだけど。」
リア「大丈夫よ、ここにある装備はどれもギルドが栄えてた時に作っておいたどれも一級品のものよ。」
カンナ「へぇ〜」
こんな物がねぇ〜 みたいなことをブツブツ言っている。
「そうだ! ガーゴイルが来る前にどんなモンスターか教えてくれ。」
リア「そうね、 ガーゴイルは翼はあるけど不器用な生き物だから戦闘中は空には飛べないわ、 そして体全体の肉質がとても硬いの、首を切るには一流の鍛治職人が作った武器で、一流の冒険者が同じ所を狙い続けたらもしかしたら切れるかもしれないわ。」
「このポーションの持続時間はどれくらいなんだ?」
リア「45分から1時間くらいね、 ポーションを飲んで冒険者カードを確認するとレベルも確かめれるわ。」
「持って1時間か、 とても応援までは間に合わないな。」
カンナ「ユーリ、ちょっとこっち来なさい。」
「なんだよ?」
カンナ「ガーゴイルの討伐報酬って2億7000万メリーも貰えるらしいわよ、 狙えるなら狙っちゃいなさい!!」
「2億7000万!?」
カンナ「ええ! 一攫千金よ!」
「ちょっと待て、なんでお前に分けること前提なんだよ!! 俺は命懸けリスクも背負って戦うんだ、なんで一傍観者のお前に分ける金があるんだよ!!」
「ひ、ひどいわ!! せっかく仲良くなれたと思ったのに! お金のことになるとすぐこれなの!?」
2億のJKは流石にないだろう。
「俺が命懸けで頑張る、 だからカンナには出来ることをしてほしい。」
カンナ「なんかカッコつけた言い回ししてるけど用は下ネタ
(援交)でしょ? これだから童貞は嫌だわ。」
うぐぅ!!
「ち、違うしぞ、 俺は街のみんなのサポートとかのことを言ったつもりなのに何勝手に誤解してるんですか〜 このクサレビッチが!
お前なんかにやる金はねえよ!!」
カンナ「び、ビッチですって? 童貞が持ったお金なんてこっちからお断りよ!」
リア「くだらないこと言ってないでユーリはとっとと準備して!」
「あいあいさー」
街の役人「ガーゴイルを前方に捉えました!!」
リア「ついにきたわね。」
街の役人「龍撃砲の準備が完了しました! いつでも撃てます!
合図をお願いします。」
リア「何が合図よ! 男なら勝手にヤっておきなさい!!
このフニャチン!!!」
なんか字が違う。
街の役人「了解です!!! 龍撃砲準備ーー! かまえ!!
撃てーーー!!!!!」
ドゴーン!!!!!
ものすごい衝撃がここまで伝わってきた。
こうまでしてもガーゴイルは倒せないものなのか、 これを一人で倒すゼルさんって何者なんだよ一体。
街の役人「命中確認!! なお、ガーゴイルが怒っている模様です!
スピードを上げて向かって来ています!」
当たり前だろ、アホなのか?
リア「ユーリ! 後は頼んだわよ。」
「任せてくれ! 出来るだけ時間を稼いで見せる!」
うおお! ! でけぇ! あれがガーゴイルか。
全長約30メートル位ありそうだな。
「ポーションを飲むか」
ゴキュ、ゴキュ
「プハー! レベルはどうなってる? ええ〜と、カードのここにって、」
レベル126!? 過去最大の例を超えてるじゃないか! それなら副作用も半端ないのかもしれない、けど、今は喜ぶべきだ。
ガーゴイルを倒せるかもしれない!
ゴァァァ!!!!!!!
「うっるせぇー!!」
俺とガーゴイルの距離は7、8メートルぐらいしかない、 ガーゴイルの咆哮が頭に響く。
それよりも、自分の体が以上に早く動く、全ての能力が上がっている感じだ。
「おらぁ! 」
ガキン!
首元を狙った攻撃は硬い鉱物に弾かれたみたいいな音がした。
「固すぎる、けど、何回も叩いたら切れないこともないかもしれない!!」
グルルルルルゥ、
何かを口に溜めている、ブレスか?
ヴゥァーー!!!!
大きな声とともに炎の渦がこっちに向かってくる。
俺はとっさに大剣でガードした。
「あっち、熱い、熱い! 」
とても大剣を持ってられない。
「ハァー、ハァー、 死ぬかと思った〜
次はこっちの番だ!!
くらえ!! プロミネンス!!!」
ガーゴイルに負けないくらいの炎がガーゴイルを
襲う。
「すげぇ! これが魔法か! そうだ!首が焼ければ肉質が柔らかくるんじゃないか?」
俺はもう一度ガーゴイルに向かって突進する。
「むん!」
ザシュ!!
やっぱり、、 さっきより刃が通ってる!!
そういえばリアがこの武器のスキルがあるとか言ってたな。
「って、やばい!」
ガーゴイルがこちらに背を向け、尻尾で攻撃して来た。
「ガフッ! 」
やばい、もろに食らった、左腕が動かない、脇腹も尋常じゃなく痛い。
「ポーションで防御力も上がってるとはいえ災害級のモンスターの攻撃をもろに受けたらこうなるのか!」
俺はリアに貰った回復ポーションを飲んだ。
「これでまだ動ける、でもそろそろポーションの効果も切れそうだ、次で大ダメージを与えて倒せるか、応援が来るまで逃げるかしか無くなる。」
あ、 スキルの名前忘れたわ。
なんて叫べばいいんだろうか。
まぁ、それっぽかったらいいか!
「エクス・カリバー!!!!!!」 ←安直
ガーゴイルの首を狙って大剣を思い切り振った。
ゴギャァーーーーー!!!!!
ドスン!
首が落ちて辺りに血が舞う。
「勝ったのか? 」
街の役人「ガーゴイルの首が落とされました!! 討伐成功した模様です!!」
リア「まさか撃退じゃなくて討伐するなんて、 王都になんて言って納得してもらおうかしら?」
レベル7の冒険者がガーゴイルを討伐? そんなアホな話が信じてもらえるわけないわ、 あのポーションのことは内緒にしたいから、いい言い訳を探さなくちゃね。
街のみんな「英雄の凱旋だぁーーーー!!!!」
うおおお!!!!
辺りから叫び声が聞こえる。
「英雄って俺か?」
カンナ「当たり前じゃない、 ガーゴイル倒したのはユーリでしょ?」
前の世界では不登校ので親にめいわくしかかけてなかった俺が異世界じゃ英雄なんて
「やっぱ異世界って サイッコーだな!!!!!!」