4話
「だいぶクリ◯ンも集まってきたなー。」
俺は順調にクリ◯ンの採取を進めていた。
「クエスト達成まであと4個か。」
草「ガサガサ、ガサガサ」
「ん?」
草むらから狼みたいなモンスターが出てきた。
「モンスターに遭遇した? 運がいいのか、悪いのか」
俺はリアから貰った短剣を構える。
ヴォゥゥ!
いきなり飛びかかってきた‼︎
「痛っっ!!」
脇腹をツメでえぐられた。
次飛びかかってきたら喉元掻っ捌いてやる。
グルルゥ ・・ ヴォゥ!
「くたばれ!!」
ザシュ! ベチャベチャ!
ヒィィ! 自分で刺しといてむちゃくちゃビビってしまった。
俺は袋の狼?を詰めてクリ◯ン採取を終わらせてギルドに帰った。
「着いた〜」
リア「おかえり〜 ! て、その大荷物はなぁに?」
「これか? なんか狼見たいなモンスターと格闘したんだ、
ほら、見てよこの傷。」
俺は心配して欲しくて傷を見せびらかした。
リア「え!? 見せて見せて!」
と駆け寄ってきたと思ったら俺から袋を奪って中のモンスターを見た。
「傷なんてツバつけば大丈夫よ、 それよりこのモンスターは
バッグ・ウルフよ!」
心の傷が痛んできた。
リア「この大きさなら60,000メリーくらいで売れるわ!」
「えっ? 60,000!? こいつそんなに高いのか〜、苦労した甲斐があったぜ。」
リア「ええ! 鍋にしたら最高よ! モンスターを見かけなくなって豚や牛の肉しかあまり見なくなって今や高級食材よ!」
これで少しは生活も楽になるな。
リア「そうだわ! モンスターを倒したなら経験値が増えてるはずだわ、 冒険カードを見せて見て。」
お!パワーアップイベントか。
リア「すごい! レベルが7に上がっているわ、 どうやって倒したの?」
「たしか、 喉元を一撃でスパッと」
リア「おかしいな〜?それだとあまり経験値は貰えないはずなんだけど、 経験値効率は敵の強さと受けたダメージとか色々あるのよ、 楽して倒したモンスターではあまり経験値は貰えないの、
もしかしたら潜在スキルがあるのかもしれないわ。」
「潜在スキル? どんな効果なんだ?」
リア「わからないわ、潜在スキルはレベル30にならないと見ることができないの、でもこれだけレベルが上がっていれば魔法か新しいスキルが会得できるわ。」
ま、魔法だと!?
「どんな魔法があるんだ?」
リア「下位魔法なら火・水・土・雷の四属性があるわ。」
「じゃ、じゃあ火の魔法が欲しい!!」
リア「じゃあカードの魔法の所の一つのマークを押してくれるかしら。」
ポーン!
「これで俺も魔法が使えるのか?」
リア「そうね、経験値があれば威力も上げれるわ。
あ、一つ覚えておいて、甲斐が魔法をどれだけ育てても上位魔法にはならないわ、だからもし、上位魔法を取りたかったら経験値を貯めることね。」
俺は意気揚々と家に帰ってきた。
「ただいまー」
カンナ「アンタ、今日どこ行ってたのよ。」
「え? 冒険だけど。」
カンナ「明日から私もいくわ。」
「え? 今なんと?」
カンナ「私も行くって言ってんの!!」
「なんで大して仲良くもないお前と一緒に行動しなきゃいけないんだよ。」
カンナ「金が無いのよ、1メリーもね。」
「お前、働いてないの?」
カンナ「な、何よ! 働いてないのが悪いっていうの?」
なんか必死だなぁ〜。
カンナ「ところで、今日の稼ぎはいくらだったの?」
「60,000マリーくらいかな」
カンナ「60,000!? 二週間は暮らせるじゃない、やったわ!」
「お前には1メリーもやらねぇよ。」
カンナ「なんでよ! 一緒に住んで上げてるじゃない!」
「お前と一緒に住んだ所で何も得しねーんだよ!」
カンナ「もしかして、住むだけじゃなくて、あわよくば童貞まで捨てようっていうつもりね! なんて守備範囲の広さなのかしら。」
「童貞って決めつけんじゃねーよ!!」
童貞だけど。
カンナ「わかったわ」
「なんだよ」
カンナ「手◯キ、30000メリーでどう?」
「高すぎるわ! お前の手なんて1メリーの価値もねぇよ!」
カンナ「ひ、ひどい! 生前は現役JKだったのよ? 私!」
やばい、心がぐらついてきた、この国では未成年という区切りが14歳以下だから、特に問題もないのか、合法JKが異世界で味わえると言うのか!? 仲良くしとこう。
「やっぱり、言いすぎたと思うんだ、仲直りしよう。」
カンナ「本当に思ってる?」
JKフィルターがかかってから天使に見える。
「思ってるさ」
カンナ「じゃあ、明日一緒に冒険に行きましょう!」
「ああ! もちろん!」
カンナ「わーい」
いつの間にか高圧的な態度も治ってる。
「俺ちょっと出かけてくるわ〜」
カンナ「こんな時間にどこに行くの?」
「今日は帰って来ないかもしれない。」
カンナ「まぁ、別にいいけど」
「じゃあ、行ってきまーす。」
カンナ「はーい」
カンナとの会話でムラムラして来ちまったぜ、
幸いこの街で俺は立派な成人だから自由に利用できるってことだ。
異世界サイコーー!!
「ここが夜の街通りか、賑わってるな、
取り敢えず歩いて店を探そう。」
アマゾネスやらサキュバスやら色々な店があるな〜
モブ「そこの君! 君の好みど真ん中の子がいるぞ!!」
「まじか! おっちゃん! いくらだ?」
モブ「15000メリーだよ!」
よし! この店にしよう!
いらっしゃいませ〜
「店員さんのオススメお願いしまーす!」
モブ「ミーシャ! お客様だぞー!」
俺は部屋でソワソワしながら待っていた。
茶髪の・・ババアが入って来た。
ミーシャ「アンタ、うわさは聞いてるわよ、相当マニアックなんだって?」
「キャンセルお願いしまーす!」
ミーシャ「はいはい、じゃあお風呂から入ろっか!」
「ま、待ってくれ!俺は何かの手違いでここにきたんだ!」
ミーシャ「ごちゃごちゃ言ってんじゃないよ!!」
「ぎゃぁぁー!!!」
ミーシャ「二度とくんじゃないよ! ケッ!」
俺は貞操を守りきった。
「最悪の1日の始まりだ、さっさとギルドに行ってカンナを迎えに行くか〜」
ギルドに着くといつも通りリアが待っていた。
「なぁ、リア、SSランククエストレベルがどれだけ上がれば倒せるんだ? 」
リア「そうね〜 レベル70の冒険者が30人いれば倒せるんじゃないかしら? SSランククエストはソロで行くことは少ないし。」
「レベル70を30人!! このギルド全員でも無理じゃないか、、」
リア「そんなことないわよ? このギルドには大陸最強って呼ばれてる人がいるわ。」
「え? そんな人は見当たらないけど。」
リア「今はクエストに行ってるのよ、 SSランククエストを一人で。」
「え? 一人!? レベルいくつなんですか? その人」
リア「確か〜 出発する前に194くらいだったかしら?
あ! そうだわ! その人に弟子入りしたら経験値貰えるわよ!」
「弟子入りか〜それもありだな。」
リア「レベルも70くらいならすぐ行けると思うわ。
他の優秀な冒険者は王都に引き抜かれちゃったけど、 あの人が残ってくれたからこのギルドも潰れずに済んでるのよ。」
そんなにすごい人なのか。
リア「ところで今日はどのクエストにするの?」
「今日はカンナと一緒だから楽なやつにしてくれ。」
リア「まぁ! もうそんなに仲良しになったのね、 嬉しいわ。」
「ま、まぁね」
JKは大事にしたいからな。
リア「じゃあ、 ハチミツの採取で良いわね。
行ってらっしゃ〜い。」
俺はカンナを迎えに一旦家へ帰ることに。
カンナ「さぁ! 早く冒険に行きましょう! 家賃は払わなくて良いけど、光熱費とかは払わなきゃいけないのよ。」
俺たちは門を出てすぐにハチミツ採取に取り掛かった。
「ところでカンナはいつからこの世界にいるんだ?」
カンナ「一年前くらいからね、 ユーリは盗人働いた日だからかなり最近ね。」
あれは今思うと女神様わざとやったんじゃないかと思えてきた。
「カンナはこの世界にどうやって落ちてきたんだ?」
カンナ「田んぼに落っこちたわ。」
女神様わざとやってんな。
「ハチミツもこんだけ取れれば良いんじゃないか?」
魔法も試しに使って見たかったけど、なかなかモンスターにハチミツ遭遇しないもんだな。
カンナ「そうね、もう帰りましょうか。」
ギルドにつくと何だかリアが忙しそうに慌てていた。
カンナ「リア〜? どうしたの?そんなに慌てて。」
リア「あっ、おかえり〜、、 じゃなくて! 今から約2日後に
古龍ガーゴイルがこの街にやって来るの。」
カンナ「えっ? 大丈夫なの?それ、ゼルさんもいないのに。」
リア「だから王都に助けを求めてるのよ!」
「ガーゴイルってそんなにやばいの?」
一応名前は聞いたことあるけど 作品に寄って姿形も違うから想像出来ない。」
カンナ「無抵抗ならこの街は10分でなくなるわ。」
「10分!? こんな広い街がそんな簡単になくなるなんて。」
リア「王都の応援が間に合えば助かるわ!」
カンナ「あとどれくらいで応援は到着するの?」
リア「2日後よ」
カンナ「ガーゴイルがスピードを上げたら間に合わないじゃない!」
リア「この街にも時間を稼ぐ兵器くらいならいいあるわ。」
カンナ「それでも間に合わなかったらこの街は終わりってことね。」
リア「貴方達にも協力して貰うわよ! ガーゴイル撃退準備を!」
カンナ「ていうか他の冒険者は?」
リア「ガーゴイルの知らせを聞いてみんな辞めて行ったわ。」
カンナ「あの。フニャチンどもめーー!!」
リア「いや、なかなか硬いのもいたわ。」
なんで知ってるんだよ。
リア「ユーリ、貴方はちょっと付いてきてくれる?」
「え? うん。」
俺はリアについていくとギルドの地下室に案内された、
そこにはどデカイ大剣やら杖やら見たことないのも沢山あった。
リア「もし応援が間に合わなかったら、このポーションを飲んでくれるかしら?」
「なんなんだ?これ?」
リア「一時的にレベルを上げるポーションよ。」
チートアイテムじゃないか。
「どのくらい上がるんだ?」
リア「個人差はあるけど、過去の例で100近く上がった人もいるわ。」
「100!? じゃあ一人で足止めもできるじゃないか。」
リア「もうこの街の冒険者はユーリとゼルギドさんしかいないの、
けどゼルギドさんは今はいない、実質このギルドには貴方しかいないの! このポーション飲んでくれる?」
「わかった!!」
リア「頼むわよ、 男に二言はないわね?」
「ああ!」
リア「じゃあ、このポーションの副作用についてだけど。」
さすがに副作用はあるのか。
リア「レベルが上がった分だけ副作用は酷い傾向があるの、
一番酷い例で生殖機能の損失かしら?」
「やっぱお腹壊しそうなんで辞めときますね。」
リア「男に二言はないはずよ。」
俺は最悪、生殖機能を失うかもしれないが、古龍撃退の協力をすることになった、 せめて童貞で終わりたくないなぁ、
と思うだけだった。
今回はちょっと長かったです。