2話
俺は女神様から貰った地図を頼りにギルドへ向かうことにしたのだが・・・
「なんだこの地図? ギルド書いてある場所に着いたと思ったら交番らしきものしかないぞ?
人に尋ねてみるか。」
何やってんだよ女神様〜と思いながら。
交番は下着ドロの一件で話しかけにくいしな〜
(結局捕まった)お!美人の人がいる、あの人にしよう。
「あのー?少しよろしいですか?」
美人「何でしょうか?」
「ギルドの場所を教えていただけませんか?この地図を見ても分からなくて。」
俺は地図を差し出す。
美人「こんな地図見たことありませんね〜 そこまで距離もないので、もしよろしければ送りましょうか?」
「いいんですか!? 是非お願いします‼︎」
まだこっちの世界に来てから全然経ってないのにもうこんな美人とデート? が出来るなんてやっぱこっちに来てよかった〜!
「そういえば名前をお聞きしてもよろしいですか?」
美人「はい!私はリゼリアと申します。
周りからはリアと呼ばれています!
よろしければ貴方の名前も教えて下さい。」
笑顔で笑いかけて来た。 何で初対面の俺にこんなに友好的なんだろうか?
「俺は香月 悠理! ユーリって呼んで下さい!」
地味に俺の名前初登場。
リア「コオズキ ユーリ、 ではユーリと呼びますね!あと、堅苦しいので敬語はやめませんか? その方が〜お互い楽じゃありません?」
「おう! それがいいな! 俺はここに来たばかりだから出来れば色々教えてくれたら助かる、
ところでリアは普段何してるんだ?」
おう! なんて初めて使ってしまった。
美人の前だからカッコつけてしまった自分に少し恥ずかしさを覚える。
リア「私は普段受付をやってるかなー、ユーリってここに来る前は何をしてたの? 何をするためにここにきたの?」
ぐっっ‼︎ 痛いところついてきたな〜 なんて答えようか・・・。
心の中
「リアが不思議そうにこちらを見てきてる!
好感度アップの為にも少しの嘘で尚且つ一番言い方を探せ〜探し出せ〜俺〜‼︎」
「俺は・・学校っていう学び舎で学生をやっていたんだけど、 ルールなんかに囚われて生活するのに耐えられなくて行かなくなったんだ、
それで、冒険を求めてここにきたんだ!」
リア「じゃあ、荒くれ者だったんだ〜〜
フフッ 意外とツンツンしてる性格なんだぁ〜
話しててそうは思えないけどな〜。」
か・・かわいすぎる‼︎ 胸の高鳴りがヤバイ、
俺が真面目に高校へ行っていたら味わえなかった幸せだぁ〜。
「ま、まぁあの時は色々あったからね!」
夢の高校生活とのギャップの差がありすぎて、だんだん行かなくなって、ついには完全に行かなくなっただけなんて死んでも言えない。
リア「あ、見えてきたよ〜」
おおー!思ってたよりデカイな〜。
リア「とーうちゃく!」
ここがギルドかー 思ったよりデカイし中が楽しみだなぁ〜。
「いざ! 中へ! て、あれ? そんなに人がいないですね〜 やっぱ みんな冒険に行ってるのかな〜?」
中にはテーブルがかなりの数置いてあるが人は5、6人程度しか見当たらない。
リア「最近は冒険者業も衰退してきててね〜
これでほとんど全員じゃないかしら?」
これで全部⁉︎ いくら何でも広さと割にあってないとかいうレベルじゃない。
こんだけ少なかったらこの街ナンバーワン冒険者の名前なんてすぐだぞ?
「てか、リアってなんか詳しくない?」
リア「あれー?言ってなかったっけ?私ここの受付嬢やってるんだよ?」
「まじか! ていうか何で冒険者業が衰退してきてるんだ?」
リア「それはね〜 一時期はとても栄えてたんだけどね〜 ・・・ほら、バランス関係? ていうのかな〜 モンスター倒しすぎちゃってさ、モンスターを生み出す魔王が弱まってきて、災害級のモンスターしかあまり残っていないのよ、それでかなー?毎回毎回命懸けなんて続くわけないでしょ?」
なんてこった、今から冒険者を始めても災害級を倒すための経験値稼ぎのザコがいないってわけか。
リア「だから、今はモンスターの素材も高値で取引されてるけど、今は一週間に一体見れたらいい方だからそれだけだと流石に生活出来ないわ。」
まぁ、冒険者にはなりたいしな〜
「でも、冒険者になりたい! どうやったらなれるんだ?」
リア「こっちへ来て、冒険者登録してあげる。」
こうして俺は、一応冒険者にはなれることになったが、こうなると他の仕事も考えなくてはいけない、それどころか寝床もない。
異世界ライフはお先真っ暗だ。
リアの髪の色はピンクです。