未知(女子)との遭遇
読んでくださりありがとうございます。
書き溜め一切ございません!
僕はその地面、ていうか謎素材でできた床に横たわっている人物に近寄ってみた。この地面結構しっかりしていて、普通に歩ける。色的に大理石みたい。
近づくにつれてその人物が、少女であることが分かった。でもただの女の子じゃない。めっちゃ美人。
美しいやや青みがかった目。それは若干垂れていて、彼女にのんびりした印象を与えている。そして外人っぽい高い鼻。これも鼻筋が通っていてやはり整っている。そして、完全な赤ではなくピンクっぽい唇。厚すぎず、薄すぎず。そしてなんといっても彼女の美しい金髪が目を引く。
あれこの人見たことある。確か・・・生前?の最後の日の朝に、家の前でぶつかった娘だ。あの、風のように現れて、これまた風のように去っていった娘だ。今まですっかり忘れてた。
しかもよく見れば彼女の着ている服も、見覚えがある。確かこの服は、てか制服はうちの学校のだ。いくら学校で女子を避けている僕でも、さすがに制服ぐらいは覚えている。ということは・・・彼女は同じ学校の生徒なのだろうか。でも、ぶつかった朝は違う制服を着ていたような。でも首より上は同一人物だと思う。一応双子っていう可能性も捨てきれないから、断言はできないけど。
そういえば、起こさなくてもいいのかな。あ、でも起こすとしたらどうやって起こそう。一般的なのは頬をたたいたり体を揺さぶったりってあるけど、両方彼女に触らないといけないから、それだけは回避したいんだよね。
うーん、どうしたもんか。
・・・よし、待とう。僕も勝手に起きたし、彼女もそのうち起きるでしょ。とりあえず起きたときにあらぬ誤解を受けないように、しっかり半径二メートルほど離れておく。
・・・・・・・三時間後(体感時間)
起きねぇぇぇぇぇ!
なにこの眠り姫。こんなに変な状況にいるのに、全く起きる気配がないんですけど。一応定期的に、最大限の注意を払って彼女の顔を覗き込んでみた。でも、彼女は幸せそうな顔して寝ていらっしゃる。どんな夢を見ているのか、時折寝言も言ってる。
・・・しょうがない。もう起こそう。近づくのは怖いから、大きな声で呼んでみよう。
そういえば、この空間ってしゃべれるのかな。あ、そういえば寝言が聞こえるぐらいだからしゃべれるか。
それでは失礼して、
「おはようございまーす!朝ですよー!起きてくださーい!」
「ぅひゃい!なに!?地震!?火事!?」
あ、やっと起きた!最初からこうすればよかったかな。
やっと起きた彼女は、周りをキョロキョロと見まわした後こちらをじぃーっと見てきた。ちなみに今もしっかり二メートル離れてるから、誤解は受けない。
それにしても、めっちゃ美人だなー。見れば見るほど見入ってしまう。
しばらく、沈黙がこの空間を満たした。まぁ、さっきまでもずっと静かだったから僕は慣れたけど。
でもあちら側は沈黙に耐え切れなかったようで、おずおずと口を開いた。
「あのー、ここどこです?確か私は家へ帰る途中だったんですけど・・・」
そんなの僕が知りたい。
「すみません、僕にもわからないです。僕も下校途中、まぁ用事があったんですけど、気づいたらここにいて寝ていたあなたを見つけたんです」
完全敬語なのは許してください。こんなに話せるのも自分にとっては奇跡のようなものです。
彼女は自分がついさっきまで寝ていたことを思い出したのか、羞恥に頬を赤く染めた。
「その・・・私どれくらい寝てました?」
む、これは正直に伝えたほうがいいのだろうか。さすがに見知らぬ男の前で三時間も寝ていたとしたら、彼女としても恥ずかしいだろう。うん、隠しておこう。これはついていい、人を幸せにする嘘だ。
「え、えーと。だいたい一分くらいだと、思います。ぼ、僕が来た時にはほとんど起きそうでしたし。えぇ、ホントです」
「・・・ホントは?」
「三時間です」
一瞬でバレた。すごいな、これが女の勘ってやつか。
そのことを聞いた彼女は、先ほどよりも顔を赤くしてうつむいた。ここは、フォローしといたほうがいいだろう。
「だ、大丈夫ですよ?幸せそうに寝てましたし、ね、寝言もちょっとしか言ってませんでした」
その言葉に彼女は、その場にぐにゃりとくずれた。
え?これとどめ差しちゃった感じ?やっちゃった?彼女が立ち直るのにまた時間かかりそうだな。
ちょっと、ほんのちょっと長くなりました。
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