普通じゃない
書き溜めがあるためあと2,3話は早く更新できそう。
読んでいただけると幸いです。
みなさん。おはようございます。不本意ながら今日二回目の挨拶となってしまいました。先程はすみませんでした。あれほどもったいぶって結局話さないなんて・・・。反省しております。
・・・それでは、いよいよ発表していきたいと思います。僕が普通じゃない理由。それは・・・
「悟!なにをボケっとしている!集中しないか。お前は神谷家の次期当主なのだぞ!」
おぉっとまさかの父様からのカミングアウト!!
・・・そうなんです。僕の家は室町時代から続く武家屋敷。僕はその一二代目当主・・・の予定。そして今のは時間は父様とのスキンシップではなく、真剣な稽古。毎朝四時に起きていろんな稽古をやらされる。そして今やってるのは、基本となる剣術の稽古。ここで間違えないでほしいのは、「剣道」ではなく「剣術」であること。剣道は言ってしまえばスポーツの一つだけど、剣術は真剣に人を殺すための技。もちろんスポーツマンシップなんてものは存在してなくて、僕の家が使っている「天木流剣術」は目つぶしとかの卑怯な技もいっぱいある。なんでもご先祖様である初代「神谷 仁義」ってひとが創った剣術らしい。でもこの剣術確かに理にかなっている技が多いけど、名前が結構中二臭い。ちなみに名前をつけたのは三代目の人らしい。さっきから「らしい」で終わっているのは単純にそれをただ父様や御爺様から聞いただけだからだ。まぁその父様も御爺様も「天木流」の技を使ったことはないらしいけど。
「戦いの最中に考え事をしおって!いい加減集中しないか!」
さっきから父様からガンガン木刀を打ち込まれている。その木刀は僕の頭や腹などの、致命傷になるような場所ばかりを狙ってくる。それをしっかり捌きながらながらもカウンターを打ち込んでいく。最近になってやっと父様と互角に戦えるようになってきた。この剣が使えるというのも僕の普通じゃないところ。まぁ実際に使っているのは刀でしかも木刀だけどね。
ん?僕の口調が変わってるって?あーたぶんそれは頭が冴えてきたからじゃないかな?やっぱ人間、朝は弱いと思うよ?
まぁ、僕の普通じゃないところはこんなとこ。家が室町時代からの武家屋敷でさらに人殺すための剣術習ってる高校生なんて全然普通じゃないでしょ?だから家の外では頑張ってこのことを隠してるんだ。バレたら僕の青春、いや青春どころか未来も危ぶまれる。絶対に阻止しないといけない。
あ、僕の一撃が父様の肩に入った。これで今日は僕の勝ちかな。
「むっ!・・・今日はここまで。さぁ、飯を食べて学校行ってこい!」
そう言って父さんは二カッと笑った。
読んでいただきありがとうございました。