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第五十五話 帝国の人竜、王国の怪人

第五十五話 帝国の人竜、王国の怪人




 2度目の衝突により、床の一部が崩れ下の階へと落とされる。


 土煙と瓦礫で、何の部屋かはわからない。否、確認する暇がない。


「しぃぃ!」


「■■■ッ!」


 床を削り取る様な足払いを跳躍して回避し、空中で縦回転。遠心力をのせた踵落としをカーラの脳天へと繰り出す。


 しかし交差した両腕に受け止められた。ならばと、間髪容れずにもう片方の足で顔面を蹴り飛ばす。


 反動で壁にまで跳び、両掌を壁面につけ肘を曲げる事で衝撃を吸収。


 直後に腕を勢いよく伸ばし、仰け反った姿勢の彼へと突撃する。


 空中にて頭を相手側に向け、右の拳を繰り出した。しかし、カーラは仰け反った姿勢から一転。両膝を折り曲げ拳の下を潜り抜ける。


そして、即座に下からこちらの鳩尾目掛けて拳を突き上げてきた。


 全力で身を捻る事で拳を回避し、手首を掴んで横回転。カーラの側頭部に膝を直撃させる。


 衝撃で壁に叩きつけられた彼を睨みつつ、着地。呼吸を整えようとした瞬間、石の壁にめり込んだはずの戦士が自分目掛けて突っ込んでくる。


 回避は、間に合わない。


「どぉぉらああああアアアッ!」


 嗚咽の様な咆哮と共に繰り出された拳を、両腕を交差させる事で防御。


 押し込まれ壁に叩きつけられた所に、追撃に前蹴りが飛んでくる。猛烈な衝撃に、踏ん張りが利かない。


 背中で壁を砕いた後も続く連撃。咆哮を上げながら繰り出される拳と蹴りを、腕と足でガードし続ける。


 皮膚が裂け、肉が潰れる感触。衝撃が走る度、石造りの壁が粉砕された。


 揺れる視界の中、止めとばかりに振りかぶられた大振りの右ストレートを捉える。


「■■■■■……ッ」


「っ!」


 僅かに横へずれて回避しながら、上体を捻る。通り過ぎた相手の右腕を左肩にのせ、手首も右手で掴み背負い投げに似た体勢でぶん投げた。


 狙うは床ではない。カーラの頭頂部を石壁へと叩きつけた。


 壁が崩壊し、2メートル越えの巨体が城の外へと放り出される。だが、投げ飛ばした直後の手を彼に捕まれた。


「くっ!」


「あんたも落ちなぁ!」


足を床に食い込ませるのが間に合わない。自分もまた、空中へと引きずり出される。


 城のおよそ8階からのフリーフォール。だが受け身をとる暇があれば、1撃でも相手に!


 考えは同じ。頭から落下しながら向かい合い、拳を繰り出す。顔面へ迫る打撃に対し首を傾けて回避し、逆に相手の顔に攻撃。しかし、背を丸める事で避けられた。


 からの、アッパー。上体を逸らして回避し、そのままサマーソルトキック。これをカーラはバレルロールの要領で体を横回転させ避けた。


 勢いそのままの裏拳を前腕でガードすれば、城の壁に叩きつけられる。落下の勢いもあり、頭が石材を打ち砕いた。


 その反動を使い、右フック。カーラの左脇腹に突き刺さり、肋骨をへし折る。


「ぐぅ……!」


 空中という事もあり、そのまま吹き飛ばされる巨体。城門前の地面へと、斜めに墜落する。


 それを見て上下を入れ替えて足を下に向け、右手で壁面を殴打。反動で敵目掛けて降下する。


重力をのせての回し蹴りを顔面目掛けて放つも、カーラは上から左拳を叩きつける事で蹴りを撃墜。


 こちらの足が地面につくよりも速く右手で足首を掴み、城門目掛けて放り投げた。


 咄嗟に頭をガードしつつ、地面をバウンド。石畳を砕きながら、3度目のバウンドで両足を大地につけた。


 足裏で地面を抉り飛ばしながら減速。そこへカーラが追い付いてくる。


「うぅらぁぁぁあああアアアアッ!!」


「■■■■■■───ッ!」


 繰り出された右ストレートを左手で払い落とし、続くアッパーをスウェーで回避。反撃の右フックは相手の右手で二の腕を押さえられ不発に。ほぼ同時に鳩尾へ放たれた拳は、左前腕を間に挟む事で防御した。


 衝撃によって、どんどん後方へと吹き飛ばされていく。互いに意図しての事ではない。自分もカーラも、膂力に対してウェイトが足りていないのだ。


 もはや、人の域を超えた剛力。この戦士は、完全に人間をやめている……!


 灰色に変わった体表に赤い文様が浮かび、血管の様に脈打っている。はたして、彼の体内で何が起きているのか。


 それを探る時間など、当然ない。


 双頭の竜によって破壊され、吹き抜けとなった第1の城門を通過。無呼吸で行われるカーラの連撃に対し、ひたすら防御と回避を行う。


 右正拳突き左掌で横へ払いのけ、左アッパーを右掌で外側にずらし、右腿への蹴りをこちらも蹴りにて相殺。


 化け物め……!1撃1撃があまりに重い!


 両腕から繰り出されるラッシュを、両腕でガード。これもまた竜のせいで壊れた第2の城門を通過し、第3の門……街へと通じる門が迫る。


 嵐の様な拳打に耐えながら、相手の攻撃を観察。恐らく、カーラはまだ飛躍的に上がった自身の身体能力に思考と技がついてきていない。


 こちらの踵が石畳を引き裂き、相手の足裏が踏み砕く。そして、遂に城門まで数メートルの所まで来た時、待ち望んでいた瞬間が訪れた。


 やや大振りの右ストレート───を、フェイントに使っての左ミドルキック。


 貴方が、拳で同じミスをするわけがない……!


 自分から前へ踏み込む事で、蹴りが加速しきる前に太腿を脇腹で受け止める。


 衝撃で体が浮き上がりそうなのを、足の指で地面を掴み防いだ。そのまま、カーラの頬へと拳を叩き込む。


 左頬を打ちぬかれ、地面に頭をぶつけるカーラ。ストンピングでの追撃は、しかし前転で避けられた。


 からの、両腕と足を使っての蹴りが下から迫る。


 顎を突き上げる様に繰り出された足裏を、咄嗟に右前腕でガード。しかし体が浮き上がり、空中へと弾き飛ばされる。


「っ!」


 たった1発で城門より高い位置に到達。空中に投げ出された自分に、カーラは門を駆け上がり追いかけてきた。


 ロケットの様に舞い上がり、一瞬で上を取った巨体。回避不可の自分に、頭上で指を組んで振り下ろすダブルスレッジハンマーを叩き込みにくる。


 回避はできずとも、受け流しは……!


 全力で左手の掌打をカーラの腕に当て、体をずらす。更に右手を相手の肘に添え、空中で上下逆転。回転の勢いのまま膝蹴りをこめかみに叩き込んだ。


「づっ、ああああ!」


 雄叫びを上げ、カーラは吹き飛びながらもこちらの足を掴み、振り回す。


 強烈な遠心力に意識が飛びかけた直後、地上に向かって射出された。


 どうにか両腕で頭を守りながら、落下していく。落ちる先は帝城前広場。陛下の演説の為に用意された舞台がまだ残っている。


 木造のそれにぶつかり、轟音と共に粉砕。へし折れた木材と土煙が噴火でもしたかの様に宙を舞った。


「ぐ……!」


 すぐさま起き上がり、魔力を感知。慌てて背後へ飛び退けば、自分が先程までいた場所にカーラの足が突き刺さる。


 衝撃波で土煙を蹴散らし、こちらへ踏み込んでくる巨体。繰り出された拳を左前腕で受け、吹き飛ばされそうになるのを石畳に足を打ち込む事で阻止。


「■■■■■■───ッ!」


 お返しと放ったアッパーは、逆に相手の左前腕が受け止めた。


 ギシギシと互いの骨がなる中、火照った体に冷たい水が降り注ぐ。


「天気雨……!最悪ね、せっかくうちの子達が帝都燃やそうとしたってのに」


 口元こそ笑みが浮かんでいるが、眉間に深い皺を作るカーラ。


「いいえ。これは雨ではありません」


 晴天に降り注ぐ、水。シャワーでも浴びせる様に地上を濡らすそれは、雨水ではない。


「うちには、僕と同じぐらい強い奴がいるので」


 グリンダが、河の水をばら撒いているのだ。


 帝都の周囲を囲う水堀。その供給元であり、帝都市民の生活用水でもある大河との水路から、彼女は水を拝借して帝都上空に浮かべたのだろう。


 バカげた魔力量と練度。父上から散々土木と治水工事をやらされたと聞いたが……まさか、こんな形で役立つとは。


「ああそう……ほんっとに、層が厚いわねぇ……帝国、は!」


 呆れの混じった顔でこちらの拳を弾き、カーラが手刀を振り下ろしてくる。


 それを半歩引いて回避し、レバーブロー。直撃するも、すかさず顔面を殴り飛ばされた。


 衝撃で後退した所に、追撃のローキック。僅かに跳んで回避し、カウンターの拳を打ち下ろす。それを横から手で受け流されるも、着地と同時に横薙ぎで追撃。


 顎狙いの裏拳。それに相手の手が添えられた直後、足払いで地面から引きはがされた。


「今度はぁ」


 宙に浮いた体。対して、相手は足を地につけている。


「くらいなぁ!」


 振り下ろされる渾身のダブルスレッジハンマー。ギリギリで両腕を交差させ防御するも、信じられない衝撃が五体を襲う。


「かっ……!?」


 音が遠い。自分を中心にクレーターが出来たのがわかるのに、発生したはずの轟音が遅れて聞こえた。


 揺れる視界の中、側頭部にカーラの蹴りが直撃する。サッカーボールの様に蹴り飛ばされ、目の前の景色が回転した。


 回る視界の中、噴水が自分の体で砕かれ、何度も石畳の上をバウンドしているのがわかる。


 何十メートル吹き飛ばされたのか。跳躍しこちらの頭を踏み潰しにくるカーラの姿を捉え、右手で地面を叩き強引に起きあがった。


「■■■■■■───ッ!」


「んな!?」


 ストンピングを紙一重で回避し、降りてきた顎にアッパーを叩き込む。


 上へと吹き飛ばされかけたカーラの右腕を掴み、すぐさま地面へと叩きつけた。


 水飛沫の跡、石くれと土が舞い上がる。相手の腕を掴んだまま、追撃に拳を振り降ろした。


 しかし、彼は膝を折り畳み足裏で拳を受け止める。そのまま蹴り返してこちらの拘束を解除させ、跳ねる様に起きあがった。


「■■■■■■───ッ!」


「ヴォォオオオ───ッ!」


 互いに雄叫びを上げ、接近。互いの拳を、蹴りを、ほぼ同じ軌道でぶつけ合う。


 相手の側面をとろうと揃って動いた結果、打撃戦を繰り返しながらどんどん城から離れていく。


 メイン通りに幾つもの破壊跡を作りながらの乱打戦。指の皮が弾け、全身の骨が軋みをあげた。


「■■■■■■───ッ!」


 鳩尾目掛けて放った拳が跳躍によって避けられる。こちらの頭上を通り過ぎたカーラが、通り沿いの家の壁に着地。脚力で粉砕しながらこちらに向かってきた。


「カァッ!」


 怪鳥の様な声と共に伸ばされた腕に、首を掴まれる。


 その勢いのまま付近の家に叩きつけられ、石壁に体が埋もれた。それだけでは、止まらない。


 彼はこちらの首を掴んだまま、通りを爆走する。頭部と石壁がぶつかり、重い衝撃が連続して脳を揺らした。


 だが、それ以上に首を絞められているのがやばい……!


「ぐ、ぉぉおっ!」


 相手の肘に拳を叩き込み、指が緩んだ瞬間に蹴りを右胸へ放つ。


 どうにか拘束を外し、勢いで数軒分壁を抉り飛ばしてどうにか停止した。


「ごほっ!げほっ……!」


 土煙と湿気が混ざった、嫌な空気を肺に取り込みながら立ち上がる。


 顔を上げると、この家の住民だろうか。部屋の隅で男女が子供を庇う様に抱き合い、震えている。


 怯えた顔でこちらを見てきたので、笑顔で軽く会釈した。


「あ、すみません。お邪魔しました」


 ……いや。こんな事をしている場合ではない。


 彼らに背を向け、大通りに戻る。


「ごめんなさいねぇ。お邪魔したわぁ」


 向こうも、何やら酒場の人達にひらひらと手を振りながら道に出てきた。


 ずんずんと互いに距離を詰め、そのまま無言で拳を放つ。


 両方とも、上体を僅かに横へずらして回避。すぐさま腕を引き戻した自分に対し、相手は手首を捻ってこちらの後頭部に引っ掛けてきた。


 予想外の動きに、体が前へ傾く。直後、延髄にカーラの拳が振り下ろされた。


 激痛に対し歯を食いしばりながら、屈んだ様な体勢になったのを利用し、相手の足首を掴み振り回す。


 上体を起こした勢いで、石畳に叩きつけてから横回転。放り投げた。


 真っ直ぐ、帝都の外壁へと飛んでいくカーラを追撃。魔法は使えない。彼を仕留めきれる程の火力を街中で使えば、焼け野原になる。


 降り注ぐ河の水を弾き飛ばしながら、疾走。それに対し、彼は地面と水平に飛んでいた状況から体を縦回転。両足で石畳に2本線を引きながら、着地する。


「■■■■■■───ッ!」


「ぅぅうおおおおおおお!」


 ラッシュの応酬。先程の焼きまわしの様な乱打戦と共に、外壁の城門へと近づいていく。


 しかし、同じ結果にはならない。こちらの拳を捌き切れず、カーラの鳩尾に直撃した。


「づっ!」


 激痛に顔を歪めた彼の頬を殴り飛ばし、続けて至近距離からのハイキックを側頭部に放つ。


 これも、直撃。傾いた巨体を戻す様に左フックを顔面に叩き込み、今度はレバーブロー。


 明らかに反応速度が低下している。薬の副作用……いや、単純なスタミナ切れか。


 両の拳を構え、左右に揺れる様に踏み込む。そこから、足裏で地面を砕きながらの連打。


 デンプシーロールでもって拳を繰り出すこちらに、カーラは両腕でガードを固めてきた。打たれながら呼吸を整えるというのか、この化け物。


 よく見れば前腕を適度に傾けつつ、自分から後退する事で打撃の威力を最小限にしている。


 やはりというか、技量では圧倒的に彼が勝っていた。


 だが、勝負は負けない。負けられない。


「■■■■■■───ッッ!!」


 雄叫びを上げ、更に加速。轟音を背に相手を押し込んでいく、遂に城門までたどり着いた。


 ガードの上から殴り殺すつもりでの、右ストレート。それを喰らい、カーラが背中から城門に叩きつけられた。


 パレードが終わり、この騒ぎもあって閉じられた扉。魔剣と同じ素材で作られたそれに、僅かなへこみが出来る。


「がっ……!」


 苦悶の表情で口から血反吐を吐くカーラに、止めを刺さんと殴り掛かり───。



 猛烈な死の気配と共に、彼の口元が弧を描くのを感じ取る。



「っ!」


 拳を中断し、急停止。だが、水で足が滑る。


 間合いへと自ら飛び込んできたこちらに、彼は片足を城門に合わせながら両腕を引き絞った。


 こいつ、最初から威力を引き上げる為に門を……!


「ずぅぅえええあああああ!!」


 繰り出される双掌打。それがこちらの胸に直撃した。


 べこり、と。肺が潰れる。肉も骨も素通り、衝撃だけが内臓に到達した。例えようのない激痛と、喪失感。意識が飛びかけるも、どうにか踏みとどまる。


 吹き飛ばされそうになるのを、足裏で石畳を砕く事で体を固定。カウンターの拳を顔面に叩き込む。


 お互いに仰け反った瞬間、2人とも相手の腕を掴んでいた。


 その体勢から、頭を振りかぶる。


「ふんっ!」


「がぁっ!」


 自分とカーラの額が、勢いよく衝突した。


 轟音。そして、衝撃波により周囲の水がまるで自分達を避ける様に遠ざかっていく。


 頭突きの打ち合いの直後、またも意識が飛びかける。当たり前だ。肺が潰れ、額も割れている。


 だが、せめて。


「■■■■■■───ッ!」


 この、1撃を!


 シャウト効果により、リミッターを解除。全身全霊の拳を、振りかぶる。


 相手もまた、右腕を振りかぶっていた。


 正面から衝突する両者の拳。指に、手首に、肘に、肩に、信じられない衝撃が伝わってくる。


 カーラはまたも、城門を支えにして破壊力を引き上げた1撃を放っていた。


 だが、彼は失念している。


 己の膂力と、こちらの膂力。それが合わされば───もはや、その扉が耐えられない物である事を。


 城門を支える固定具が壊れるのと、彼の拳が砕かれたのがほぼ同時。


 跳ね橋と一体になった門が外側に倒されるのと……カーラの巨体が吹き飛ぶのも、また同時であった。


 拳を穿ち、そのまま心臓を捉えたこの右腕。確かな手ごたえを感じつつ、嫌な予感は残っている。


 勝ちはした。だが、仕留めきれたという『確信』がない。彼の死体を探しに、歩かねば。


「ヒュッ……コヒュッ……!」


 だが、呼吸が出来ない。


 魔力を張り巡らせ、状態を把握。左肺は全損、右肺は8割近くが機能停止。全身に21の骨折有り。


 そして、最後の1撃により右腕が自壊。指先から肘までに複数の開放骨折。


 認識していく度に、脳内麻薬で鈍化させていた痛みが襲ってくる。意識を保っていられない。


 だが、無様に気絶など出来るものか。自分はこの帝都に、ストラトス家の代表として来ているのだ。


 戦いの最中に城門で横たわろうものなら、帝都の民に笑われる。この身だけではない。ストラトス一族が。


 ならば、勝ち鬨を。気絶する前に、勝利の雄叫びを。この身の戦いは終わったのだと、宣言しなければ。


 まだ無事な左腕を掲げながら、全身の筋肉を固定。止血と簡単な自己治癒なら、眠っていても魔力の循環で出来る。


 右肺の無事な部分で、息を限界まで吸い込み。



「■■■■■■───ッッ!!」



 帝都中に響けと、喉を震わせて。


 立ったまま、意識を手放した。






読んでいただきありがとうございます。

感想、評価、ブックマーク。励みになっております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。


『コミュ障高校生、ダンジョンに行く』も外伝を投稿しましたので、そちらも見て頂ければ幸いです。


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