表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ご乗車ありがとうございます  作者: ノリマキトカゲ
プロローグ
2/5

路線図

「もしもーし?」


 何度も何度も同じ電話をされようと、そこはお仕事。悲しいかな賃金を受け取っている者の宿命だと諦め、丁寧な対応を心がけていたが、やはり例の電話は途中で切れた。


「まただよ……」


 ため息まじりに電話の受話器を置く。最初の頃は、デスクをバンバンと叩いたりもしていた。腹立ち紛れに。


「いつもこうなんスか?」


 後輩の男が入社して、未だそんなに日が経っていない。それもあって先輩社員は電話を引き受けたのだろう。まだ数日間の勤務だが、それでも同じ電話を数回受けたし、同僚が同様の電話に対応をしているのも見かけた。


 ただ、数少ないその事例に基づいた統計から見るに、どうやらお婆さんとの電話はほとんど毎回途中で切れているようだった。


「ああ。いつもだよ? てか、100%だね。」


 もううんざりだと先輩社員が顔を(すく)めて答える。


「ええ?」


 驚く後輩。高い確率で途中で切れるのだとは予想していたが、100%だとは想定していなかったらしい。ややブカブカの帽子がズレ、短く刈り込んだ頭の剃り込みが顔を(のぞ)かせる。


「じゃああんなに丁寧に対応しなくても良くないスか? いたずら電話でしょどうせ。」


 社会経験の浅さから来る発言である。気持ちはわかるが。


「まあオレもそう思うぜ? でもよ。駅員の対応が悪かったなんて婆さんが騒いでみろ。」


「ああ。なるほどッスね。」


 なんともやりきれない問題である。だが致し方あるまい。


 まだ何か()に落ちないのか、眉間(みけん)(しわ)を作って、考えこむ短髪後輩くん。穏やかな表情でそれを見守る先輩紳士。


「……ウチじゃないかも。」


 やがて後輩くんは、1つの仮説を打ち立てた。


「どういう意味?」


「他の路線に、●●駅があるのかも。婆さんは路線を間違えてるって可能性、ないスかね?」


 これは的を射ているかもしれない。そう思った先輩紳士はやおら立ち上がる。後輩くんが目で追う先、資料棚から目当ての物を見つけ出すと、またこちらに戻って来る。


「この辺り全部が載ってるヤツはこれだけだな。」


 先輩紳士が広げた路線図を、後輩くんが凝視(ぎょうし)する。


「えーっと……●●……●●駅っと。」


 指で各路線を辿っては、お目当ての名前と一致する駅を探す。同じ作業を繰り返す。そして出た結論はーーーーーー

路線図は、作者のツイッターにございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ