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お守りの作品とか

気持ちを込めるならそれくらいでちょうどいい

作者: リィズ・ブランディシュカ




 彼は大切な人だから。


 大学合格のお祝いを、とびっきりの品物でサプライズしたい。





 私には仲の良い友人がいる。


 小学生の頃からの知っている仲で、親友といってもいい関係なのかもしれない。


 だから、私は彼の夢をよく知っていた。


「有名な音楽大学に入学して、世界一のピアニストになりたいんだ」

「へぇー、そうなんだ」


 彼は、夢をかなえるために精いっぱい努力して、見事にその大学に合格した。


 いつも頑張ってるのを知っていたから、お祝いは豪華にしたいと思った。


 一生懸命、何を贈ろうか考える。


 彼は今どきの人とはちょっと違ってて、携帯なんかをもってない。


 親友だから、彼のためだったらコツコツためていたバイト代を捻出してみようか。それくらいは出せる。


 彼が通う大学は遠い。入学したら寮に入る所だから、簡単には会えなくなるだろう。


 そんな時に携帯があれば、遠くに行っても連絡がとれる。





 でも、結局はちょっと高価なお守りをプレゼントした。


 だって携帯なんて、そんなのが会ったら、きっとさみしくなってすぐにたくさん電話をかけてしまう。


 彼の夢の邪魔をしたくはなかった。


「合格おめでとう! はいプレゼント!」

「これを僕に? ありがとう! 大切にする!」


 既製品のものだけど、ちょっと改造してあるんだ。


 隅のほうに、音符の刺繍。彼の好きな記号。


 私の気持ちを込めるならこれくらいでちょうどいい。


「とっておきのプレゼントだから、ちゃんと引っ越しの時に持っていきなよ」


 重い愛情より、それよりは軽い親友の友情。


 気持ちをたくさん込めすぎちゃうと、きっと、会えない時間を我慢できなくなってしまうから。



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