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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第18話 フィアとメイリア

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18-3

 もう1度イヴに銃撃をしかける。相変わらず当たらないが、2人があの2機を倒すまでの時間稼ぎと割り切る。だが、相変わらずイヴはお喋りを続けている。


「あなた達の言う所のレッドアイは高い推進力を持ちながら人体という枷を必要とするばかりに、その力を活かしきれていなかった。だから無理矢理リヴァイブユニットを取り付けてみたの」


「あの凄まじい旋回性能はそういうことか」

 

「うふふ、興味を持ってくれましたか?一方、アッシュレッグは跳躍ユニットへの電力供給のために使用出来る武器が貧弱だった。でもあなた方の技術とのさらなる融合で高い攻撃力を手に入れたようですね」


「まさかあのアッシュレッグもリヴァイブ!?」


「ええ、両方とも覚醒めてはいないですが、エイティスリーと同じく戦闘特化リヴァイブです。あ、エイティスリーを例に出すと大したこと無いように聞こえてしまいますね」


 馬鹿にした調子で喋り続けているが、こちらとしては好都合だ。射撃を続けながらも機体のカメラで2人の戦いを追う。

 

 ラハラとシシは適時戦う相手を替えながら少しずつ損傷を与えている。


「跳び跳ねても無駄だ!」


 射線を切るように跳び跳ねるアッシュレッグに向かって収束ビームを撃ちながら、もう一方のライフルで上方の反射板に向かって拡散ビームを撃つ。


 シシはレッドアイに猛攻を仕掛けている。レッドアイは赤熱刀ではプラズマソードを受け止められないため、距離を取りながらアサルトライフルを撃っているが、アクロマティカの瞬発力に捉えられ、徐々に追い詰められ始めている。


「捉えたよ、そこ!」


 ついにソードがレッドアイの左大腿部を切断した。それと同時にラハラが合図を出す。


「シシ!」

「了解!」


 

 ラハラが撃った反射板がアッシュレッグの頭上に降り注ぎ、動き鈍らせた。そしてその瓦礫ごと収束ビームでアッシュレッグを撃ち抜く。

 チェーンソーの刀身を盾代わりにしたため、本体へのダメージは無かったが、片腕のそのチェーンソーが爆発。


「これで、終わり」


 爆発の衝撃でよろめくアッシュレッグの懐に、磁界の反発を使った急加速で潜り込んだシシ。アッシュレッグが応戦しようと、もう一方のチェーンソーを振りかざし終わる前に、居合いの如く胴体を両断した。



「そのギラつく目、見飽きたぜ」

 

 シシが急加速したのと同時にラハラはレッドアイに向けて2つの銃口を向ける。

 レッドアイは全身の至る所、特に脚部にスラスターを多く仕込んでいるが故に、一部でも欠けると姿勢制御が難しくなるのだろう。フラつきながら回避行動らしき動きをしているが、収束ビームを頭と胸部に受けて床に転げ落ちた。



「ふーん。協力も予測のうちでしたが、ここまであっさりと状況を覆されるのは予想外でした。うふふ、面白くなってきましたね」


 手下がやられても一向に反撃の素振りを見せないイヴに、攻撃の手を止めてメイリアが問いかける。


「イヴ、あなたの本当の望みはなんなの?」


「本当の望み?うふふ、またあなたのお花畑――」

「いいや、イヴ。お前がそんなに話しかけて来るのは何か理由があるんじゃないか?もしかしたら自分自身でも気づいていない……ッ!」


 イヴによる突然の発砲だった。

 反射的に回避。事なきをえたが、完全にコックピットを狙ったアサルトライフルでの発砲だった。


「確かに言われてみれば、そうですね。あなた達を殺す事に対して、ためらいを感じている。言われて初めて気づきましたよ。でもちゃんと撃てる。うーん、何でしょうこの感情は?」


「おいおい、聞きたいのはこっちだぜ」

 

「焦る必要はないよ。この要塞を止めて、じっくり考えたらどう?」


 ラハラとシシが駆けつけながら言った。2人がフィーリアの両隣に並んだ。


「ねえ、イヴ。あなたは私達と友達になりたいんじゃない?」


「友達、ですか。悲しい事に、私は今まで友達と呼べる存在ができた事がありません。エイティスリーにも断られてしまいましたしね。ふーん、なるほど、あり得なくもないのか」


 言葉と裏腹にチェーンソーの翼を広げ、スラスターから真紅のプラズマを噴射し始めたイヴ。そして、激しい振動と共に要塞が停止した。


「時間が来てしまいました。第2陣の到着は間もなくです。これ以上追ってくると言うなら、本気で殺します」


 そう言ってハロンナの開けた穴から宇宙へと飛び出していった。


「追わないわけないでしょ!」

「だな!」

「行こう」

「イヴ、待っていろ!」


 3機で要塞を飛び出し、宇宙に残る赤いプラズマの跡を追って要塞の下方方面へと進む。


「うわぁ、綺麗。こんなに近くにプラズマ雲海が……」


 要塞の陰から出ると、雷鳴轟く茜色の雲が視界いっぱいに広がった。


「当たり前だが、プラズマ濃度がかなり高い。みんな、制御機に負荷をかけ過ぎないように注意してくれ!」


「流石の俺でもこんな所で戦うのは初めてだ」


「本当にこんな雲の中を抜けて来るって言うの?っ!避けて!」


 シシの叫びで、3機が散開する。真紅のプラズマビームがさっきまでいた所を通過した。


「はぁ。来てしまいましたか。残念です」


 真紅の光を放つ3基のブーメランがイヴの周りを飛んでいる。


「本気みたいだな」


「フィー、あの赤いプラズマはなんだかわかるか?」


「詳細はわからないが、温度が俺達の物より桁違いに高い」


「えっと、つまり?」


「簡単に言うと攻撃力が高いって事だと思うよ、メイリア」


 ただ攻撃力が上がっているだけじゃない。発する電磁界も高く、それにより推進力も上がっている。


「それより、みんな、あのブーメランに気をつけろ!恐らくイヴの思うままに動くぞ!」


 言うや否や、各機ブーメランに追い回され始めて分断されてしまう。


「くっ!速えぇ!撃ち落とす暇が、無いッ!」


「もう少し耐えてくれ!今迎撃に最適な軌道を算出する!」


「うふふ、相手はソレだけではないのですよ?」


 威力を絞った、だけど照射時間の長いビームが俺達をつけ回す。


「くぅぅっっ!!当たって、たまるかぁっ!」


 メイリアがビームとブーメランを必死に回避する。複雑な機動をしているため、体に負荷がかかって苦しそうだ。


「算出終了!タイミングを合わせてこの地点で互いのブーメランを落としてくれ!」


「っっ!オーケーっ!」

「了解だ!」

「了解」


 回避に支障がなく、照準もつけやすいルートとタイミングを算出し、各機に送った。みんなならやれるはずだ!


「今っだぁ!!」

「そこだ!」

「斬り落とす!」


 3人見事にすれ違い様にそれぞれをつけ回していたブーメランを破壊した。


「あれ、ビームは?イヴは!?」


 いつの間にか俺達を追っていたビームが消失していた。


「シシ、後ろだ!」


 ラハラが叫ぶより早く、野生の勘で対応していたシシ。獣の叫びを滲ませながらイヴとプラズマソードで切り結び始めた。


「うふふ、まずはあなた。勘で私の処理速度にどこまでついてこられるかしら」 

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