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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第18話 フィアとメイリア

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18-1

「みんな、見えてきたよ!準備はいい!?」


 モニターに映し出されているハロンナの船首カメラの映像。そこには巨大なお椀型ブースターのついた、さらに巨大な菱形が映し出されていた。そしてその奥には茜色の雲が今までにない程、間近に見えている。


「ああ、艦長。ALOF隊は準備できてるぜ」


「それじゃあみんな、手筈通りにお願いね〜!」


「アンビー、くれぐれも無理はしないでくれ」


「大丈夫ですよぉ、フィアさん。乗員の命を預かる身です!ハロンナには無理はさせますが、撃沈するつもりは毛頭ありません!」


 力強い返答にすっかり安心してしまった。アンビーが機体への通信から船内放送へと切り替えた。


「3分後にハロンナは最終加速に入ります。繰り返しになりますが、みなさん、宇宙服の着用と周囲の安全を十分に確保し、必ず1人にならない事。怪我人や損傷箇所があったらすぐに連絡して下さい!」


 機外カメラで格納庫を見ても誰もいない。みんなペアかグループを作り、自室や共有ルームで体を固定して加速に備えているのだ。

 

 ここまで距離を詰めるまでの間、大きなデブリとの衝突も無く、ハロンナは損傷少なく来ることが出来た。左右の大型円盤型レーダーを取り外して、作業用アームで掴み、盾にして来たのだ。だけど、プラズマ雲海に近づくにつれ、漂う岩石が増えてきている。この円盤でどこまで防げるのか。


「3、2、1、点火!」


 アンビーのカウントダウンと共に加速を感知。それも今までにない急激な加速だ。要塞との距離がみるみる近づいてくる。

 船体に物が当たる音が小刻みに響く。ドン!と大きな音と衝撃が走り、メイリアが息を呑んだ。


「今の衝撃は大丈夫か!?」


 ラハラがアンビーに問いかける。


「右レーダーがやられました!でも船体には損傷無しです!」


 また機体への通信から船内放送に切り替えてアンビーが告知する。


「これよりロケットブースターでの加速をしながら艦砲射撃体勢に入ります。前方の岩石を吹き飛ばしつつ、要塞に突入用の穴を開けます!」


 艦外カメラで盾代わりのレーダーを投げ捨てたのが見えた。船内に射撃体勢への移行を告げる録音アナウンスが響き渡る。


「きゃっ!お願い、ハロンナ、もうちょっと頑張って!」


 盾を失った事で衝突音と衝撃が激しさを増す。


「アンビーはハロンナの事を知り尽くしているから。あの子が落としはしないと言ったんだから、大丈夫」


 シシがメイリアに言葉をかけるが、その言葉は自分に言い聞かせているようにも聞こえた。

 そんな2人の緊張を解そうとする声音で、ラハラが静かに語り始めた。


「アンはな、俺と同じようにアマナの戦争孤児だ。ラインラーク校の事件を調べていたイナが入学予定だったアンを見つけたんだ。学校が無くなった事で行き場を無くし、各地を転々としていたアンをイナが引き取った」


 ふと、ブリッジにも通信が繋がっている事に気づいた。アンビーもこのラハラの話しを聞いているのだろう。


「アンには驚かされたぜ。わずか6歳の子が器用に家事でもなんでもこなすんだ。自分の身の回りの事も疎かだった俺は立つ瀬が無かったぜ、まったく。だがな、必死に役立とうとするアンを見て、イナが言ったことがあったんだ。辛い経験をしてきたのだな、ってな。アンは過去の事を話そうとしないから、当時の俺にはさっぱりだったが、今ならなんとなくわかる」


 すーっと深呼吸する音がブリッジの通信から聞こえた。


「も〜、こんな時に昔話ですかぁ?えへへ、お察しの通り、たらい回しで転々としていた私は、突然与えられた暖かい居場所を守ろうと必死でしたねぇ。でも、今の私は、みんなの為にこの居場所を護る立場。この艦に乗っているみんなに寂しい思いをさせたくない。だから、ハロンナはなんとしても護り抜きます!」


 まるでアンビーの決意を乗せたかのように、加速荷電粒子砲の光弾が前方の岩石やデブリを消し飛ばしながら飛んでいく。

 

「ああ、流石、俺の自慢の妹だ。家の事は任せたぞ」


 光弾はお椀型のブースターの噴射口を直撃。遠くからでも大きな爆発が見えた。

 この速度、さらに加速しながらの不安定な状態で針の穴を通すような照準、見事としか言いようがなかった。


「作戦第1段階、クリアだね!アンビーちゃんは私達からしても自慢の艦長だよ!」


「そうだね。アンビーがいるから、私達は安心して出撃できる」

 

 爆炎の鎮まったブースターの穴が近づいてくる。


「総員、衝撃に備えてください!!」

 

 破損した要塞の破片が船体にダメージを与えているが、もはや気にせずに、急減速しつつ船体を穴へと突っ込んだ。激しい振動と金属の擦れる金切り音が鳴り響く。


「やった!要塞に取り付いたのを確認したよぉ!みんな、気をつけてね!ALOF隊、発艦どうぞ!」


「了解、ラハラ・ラインラーク。アクロマティカ・ルミナスで行ってくるぞ!」

 

「アンビー、帰ったらまたお菓子食べさせてね。シシハナ・サバナ・ラシュメール。アクロマティカ・グリーム。行ってきます」


 2機が格納庫の扉をこじ開けてハロンナから出ていく。周囲の安全を確認してからラハラ機が手招きした。

 

 ラハラの機体、ルミナス。

 シシの機体、グリーム。

 何が変わったというわけではないのだが、シシ機の専用ライフルをラハラ機が持ち、逆にラハラ機の専用ソードをシシ機が持っている。つまり、ルミナスが2丁ライフル、グリームが二刀流というわけだ。


「フィア、なんとしてもイヴを、戦争を止めようね」


「ああ、平和な時代までもうひと踏ん張り、そんな気がするよ」


「うんっ!私もそう思う!」


「さぁ、行こう、メイリア。フルアームド・フィーリア」

「メイリアとフィアで、行ってきます!」

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