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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第17話 和平と殲滅

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17-5

 戦場を駆け抜け、ハロンナを目指す。最低限の敵機だけを相手にし、一直線に目指す。

 途中、撃破された機体や苦戦している仲間が目に入り、心が苦しくなる。だけど加勢している時間は無いんだ。


「みんな、頑張って、負けないで……!」


 メイリアが1人呟く。

 せめて戦況を把握しようと普段は封鎖されている、他の艦隊の無線を聞いてみた。


「メイリア、ラハラもシシも、これを聞いてくれ」


「『ラインラークの英雄』のお通りだ!俺達で道を開けてやるぞ!」

「英雄!さらなる偉業を成し遂げてくれ!」

「なんだあの射撃!後ろにも目があるのかよ!?あれがオールドネームの実力って事かよ!」

 

「『獅子奮迅の女王』だ!なんて機動!また撃墜した!斬撃が見えない!?」

「間近で見ると動きだけで気圧されそうになるな……」

「だけど俺達を気遣ってくれているのが伝わってくる。あの動き、憧れるなぁ」


「噂の二人組だ!お前ら邪魔になるなよ!」

「綺麗な翼だなぁ。メイリアちゃん、頑張ってくれよ!」

「バカヤロウ!あんな可愛い子ばかりに頑張らせんな!頑張んのは俺達の方だ!」

「アインズの声明を聞いて誰が予想したよ?自我を持ったAIに俺たちの未来を託すなんてよ」

「まったくだ。頼んだぞ『黎明(れいめい)の双翼』フィーリア。新しい時代を創る2人!」


 戦闘の光が後ろ手に遠ざかっていき、通信圏外になった。ハロンナもこちらに向かってきている。合流まであと数分。


「……まったく、重たい任務だな」


「ふふ、隊長。言葉の割に嬉しそうですよ」


「シシちゃんもね!今ニヤけてるんじゃない?」


「うっ、言うようになったね。そういうメイリアはどうなの?」


「あはは、みんな、メイリアも凄いニヤけてるよ。ほら」


 機内カメラの画像データを2人に送る。


「ダッハハハ、いい笑顔だ。これから戦争を止めに行くやつの顔じゃねぇな。って俺も人の事言えねぇか」


「でも、目には闘志が溢れてる。メイリア、本当に立派になったね」


「この1年、いろいろな事があったもん。『黎明の双翼』だなんて凄い名前がつくって、1年前の私に言っても信じないと思う」


「そうだろうな。『黎明の双翼』か。このオールドネームに込められた思いを考えると、この戦い、絶対に負けられないな」


「なんとしてもイヴを止めようね、みんな」




 ハロンナに戻ると整備班が慌ただしく機体の固定作業に入った。


「ブースターで加速するんだってよ!あんたらは加速が終わるまでコックピットで待機だ!……整備班一同、あんたらの機体を整備できる事を誇りに思うぜ」


 固定作業を終え、待機室への去り際に整備長がぼそりと恥ずかしげに言ったのをマイクが拾っていた。


 プラズマ推進とは違うロケットブースターによる急激な加速を感知。速度が乗ったところで待機状態は解除された。

 3人のパイロット達はアンビーの待つカフェスペースへと向かった。


「みんな〜、お疲れ様!ほんっとうっに心配したよぉ!」


「そう心配すんな、俺達は簡単には死なねえよ。しっかし、イヴに掻き乱されて、当初の作戦と大きく変わっちまったな」


「結局マーキングガンは打ち込めなかったね」


「ん〜、結局あの大きさだと主砲もたいした効果は期待できなかったからね〜。新しい機体は問題ない?」


「ああ!ホワイテスからクーリアの時とは段違いの進化を感じるぜ!」


「実際に乗ってみると凄さがよくわかるよ。技術部に感謝だね」


 それぞれ手早く食事と飲み物を頼み、席につく。


「でもぶっつけ本番で乗りこなしちゃうんだから流石だよね!」


「ああ、訓練じゃまだ苦戦してたように見えたけど、よく乗りこなせたな」


「動きに癖はあるものの、操縦自体はシンプルな機体だからな。それに、な?シシ」


「うん、スズがツヴァイス代表達と一緒にドミトリアまで来たんだって。それで、アクロマティカの最終調整に参加したらしいんだ」


「シーちゃんの手紙というかノートを読んで、居ても立っても居られなくなっちゃったんだって〜。お姉ちゃん思いな妹ちゃんだよね〜」


 メイリアとアンビーにニヤニヤと見つめられ、シシが照れ隠しにコーヒーを啜る。

 

「でだ、アクロマティカ用に調整した新世代AIが搭載された事により、飛躍的に操縦性が良くなった、というわけだ」


「あはは、図らずもテクノラ代表の願いは叶ったんだな。それにしても新世代AI、第5世代か。なんだか複雑な心境だ」


「えへへ、フィアがお兄さんになったのかな?」


「うーむ、そうなるか。だけど俺はまだまだ現役世代だぞ」


 みんなが笑い、この場はとても和やかな雰囲気に包まれていた。

 だけどいつまでもこうしてはいられない。そう告げるように艦に大きな衝撃が走る。


「おっと、そろそろ今後について話さなきゃならねぇな」


「ですねぇ。現在、ハロンナは戦域を迂回し終わり、あの要塞と同じルートに入って追いかけています」


「アンビー、ハロンナで追いつけるのか?」


「はい、計算上は。あの要塞は最初こそブースターで加速をつけて逃げていきましたが、現在は慣性航行に移行しています。本体サイズが大きい分、スペースデブリやプラズマの電磁界の影響が大きく、徐々にスピードが落ちてきています」


「目的地がプラズマ雲海ならもう加速する事もないか」


「うん、私もシーちゃんと同意見。だから追いつけると踏んでるの。ただ問題がひとつ……」


「スペースデブリだね」


「そう!要塞と同じ航路を通ればデブリも少ない、けど、100%安全とは言えないんだよねぇ。さっきの衝撃もデブリとの衝突だろうし」


「あとは祈るのみ、だな。追いつくまで戦いに向けて十分に備えよう」

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