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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第16話 混迷と凱旋

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 背中の2つの増設制御機が唸りを上げて稼働している。羽の構造は前と変わらず、骨だけ構造だが、技術部の緻密な計算による配置によって、大型化したものの、制御性、加速力が大幅にアップしている。


「それじゃ、俺達は先に行く!」


「後ろ、お願いしますね!」


 プラズマの噴射による磁界フィールドの生成と反発、それによって得られる瞬間的な加速で一気に2機を引き離す。前みたいに暴れる事もなく、しっかりと制御できている。


「メイリア、加速は大丈夫か?」


「うん、これくらいなら平気だよ」


「技術部に感謝だな」


「ううん、この機体、フィーリアは技術部だけじゃない。多くの人の想いでここまで一緒に成長して来られたんだよ」


「そうだな。彼らのためにも、クェルツと地球の架け橋、AIの先駆者、そして争いの無い世界を作るための親愛の象徴となりたい。そのために、今は戦おう」


 話している間にレッドアイ達が目前まで迫る。


「フィア!」

「ウィルオーエレクトロ、展開!」


 翼を前方に羽ばたかせ、急制動と共にプラズマを撒き散らす。そしてオルタバレルを構えると同時に光球を発射した。

 敵の進行方向に広範囲に及ぶ光球の泳ぐ雷雲が発生。

 だが、ミサイルに乗ったレッドアイ達は躊躇なく突っ込んでいく。


「対策してあるのか!?」


「待って!後退っ!」


 メイリアが言うよりも早く急速後退。直後、雷雲の中で巨大な火球が発生して雲が消し飛んだ。


「くそっ!こいつら、命知らずなだけのか!?」


 親愛だなんだと言った側から、戦って命を奪わなければならない事に歯痒さを覚える。だけどメイリア達に危険が迫るのはごめんだ。今は覚悟を決めて戦うしかない。


「誘爆しないように上手く距離を取ってるんだ。なら、1つずつ落とすしかないねっ!」


 霧散した雷雲の残滓の中からミサイルに乗ったレッドアイ達が飛び出してくる。


 ミサイルは残り5機。


 全速力で後退しながら、オルタバレルに増設制御機から伸びているコードを繋いで、エネルギーをチャージする。


「流石にこのフェザーユニットでも、あの推進力にはついて行けないか!よし、メイリア、チャージ完了だ!」


「できる限り食らい付くよっ!バーストショット!」


 余剰プラズマが銃口から溢れ出し、銃口の先で風船のように膨らむ。メイリアのトリガーでそのプラズマの風船が発射された。

 風船と表現したものの、その中身は荒れ狂う電子の爆弾だ。


 レッドアイの電磁シールドなんぞものともせず、ミサイルに命中。また1つ火球が発生する。

 2機のミサイルが進行方向を変えてきた。間違いなく俺達にぶつけるつもりだ。だけど速度はあるものの、直線的な機動、今のフィーリアには避けてやり過ごす事は難しくなかった。

 爆発の影響がない所まで行ったのを確認し、撃ち落とす。


 乗っていた4機のレッドアイはギラつく目で爆発に照らされたフィーリアを睨んでいる。


「シシちゃん、2機行ったよ!あとはお願い!」


「了解、2人とも油断しないでね」


 レッドアイ達が腰にマウントされていたアサルトライフルを手に取り、銃口を向け、発砲してきた。

 オルタバレル連射モードで弾幕を張りつつ、四肢のスラスターで変速機動しながら距離を詰める。


「メイリア、間合いに入った!」


「うん、掴んで!」


 フェザーユニットで急加速、敵の間をくぐり抜けながら、羽の先端に付いている鋭い爪の付いた三つ指マニピュレーターで、左右2機のレッドアイの頭部を掴む。


「ナイス、フィア!プラズマパイル、射出!」


 頭を掴まれ、もがくように乱射する2機の頭部を閃光が貫く。

 出力を絞ってコックピットを巻き込まないように配慮した。


「残り2機!」

 

「こっちも仕留めた、隊長残り1機お願いします」


「よくやった。任せろ」

 

 遠くで火球が発生。少し間を置いてもう1つ。あっという間の出来事に2機のレッドアイは立ち尽くしている。


「さあ、投降してもいいんだぞ……」


 願いも込めて呟く。


「フィーリア、注意して!プラズマ雲海の方から高速で接近する機影ありだよ!」


 そんな願いを打ち砕く報告がアンビーから告げられた。


「まだやるつもりなの!?実力差は見せつけたでしょうに!」


 挟み撃ちにされないように位置を変えながらレッドアイ達の様子を伺う。こちらが攻撃してこない事に困惑しているみたいだ。そして、意図を察してくれたのか、武器を投げ捨て、無防備な体勢を晒した。


「やったよ、フィア!伝わった!さあ、ハロンナに連れて――」


 大出力の黄色いビームが頭部を破壊されて漂う2機と投降の意思を示す2機を飲み込んだ。


「えっ……」


「くそっ、なんだ!?」


「そのエンブレム。派手な光が見えるからまさかと思ったら、やはりあなた達でしたか。よかった、会いたかったのですよ。このだだっ広い宇宙で再会できるなんて、運命ですね」


 遠くから黄色い光とオレンジの炎を噴きながら高速で接近する機体。頭部が淡くピンク色に発光している。奴だ。ノイズではなく、クェルツ共用語で話しかけてきている。

 

 奴は以前のような貧弱な体ではなく、レッドアイをベースに、肩と腰はクーリアの制御機、脚はアッシュレッグといった具合に、様々な機体を継ぎ接ぎした体になっている。推進機器もジェットとプラズマスラスターの組み合わせだ。それとあの大出力のビームは胸部に空いた穴から発射されたみたいだ。


「マゼンタヘッド!?なんで撃ったの!!」


「あはは、私そんな風に呼ばれているのですね」

 

 オルタバレルを向ける、が、全く動じず、気にもとめない様子でフィーリアの近くで笑いながら向かい合う様に静止した。


「なんで?敵だからでしょう?まさか連れて帰ろうと思ったのですか?戦艦の中で自爆されるのが関の山ですよ。さあ、銃を下ろして下さいな」


 まるで機体が人間の体かの様に身振り手振りをしながら話している。だけどメイリアは銃を下ろさないで警戒心を剥き出しにしている。レッドアイを撃ったことに相当怒っているみたいだ。かくいう俺もだが。


「私は話しがしたいのです。あなた達の中に意思を持ったAIがいらっしゃらない?リヴァイブと言ったほうが伝わるかしら?」


「リヴァイブではないが、俺がそうだ」

 

「ああ、やはりエンブレム機体でしたか。でもリヴァイブではないと?それに人も乗せている。ふーん……」


 アンビーとラハラ、シシから秘匿通信が入る。


「敵意は無さそうだけど、何を考えてるか、わからないね〜」


「だな。情報を得るためにも話に乗ってみてくれ」


「後ろで私達が警戒してるから安心して」


「っこんな奴!信用できない!」


「メイリア、俺も同じ気持ちだが、抑えてくれ」


「……わかった」


 そう言ってオルタバレルを格納してしっかりと向かい合う。

 機体に座標が送られてきた。


「これは……なんですか?」


 アンビーが困惑しながら尋ねる。恐らく全員の所に送られたのだろう。


「ナイショ話は終わりましたか?うふふ、内容まではわからないので安心して下さいな。それはアウターローバ、でしたっけ?彼等が建造中の要塞があるポイントです。うふふ、話し相手になってもらう代わりの手土産ですよ」


 メイリアが胡散臭そうに送られてきた座標を睨みつけている。


「まずは自己紹介ですね。私はイヴ・ベルンシュタイン。リヴァイブ名称だとマザーナイン。あなた達が戦っていた艦隊の指揮官AIでしたの」

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