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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第16話 混迷と凱旋

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16-3

 ハロンナ出港の日が来た。ハロンナの前には多くの人が集まり、思い思いに会話をしている。

 

「結局ゆっくりと話す時間がなかったな。ラハラ、復讐が終わったからと言って、自らの命を粗末にするなよ」


「はっ、イナもバカ言うようになったな。俺はこいつらを守らなきゃならねぇんだ。まだ死ぬ気はないさ」


「ふふ、そうだな。前線を離れて勘が鈍ったかもしれんな。アンビー、よくこの短時間でここまで立派な艦長になったな。私は君達を誇りに思う」


「えへへ、司令に散々鍛えられましたからねぇ。仕事の山を押し付けられ、ブリッジに籠もっていた日々のおかげですよ〜。でも、本当に感謝しています。私を拾ってここまで育ててくれて、ありがとうございます」


「ああ、そうだな。イナ、感謝してる。まあ、ここまで敵が来ることはないと思うぜ。俺らが片付けてくるから、どっしり構えて座っててくれよ」


「あははは、2人とも言うようになったな。期待しているぞ。気をつけてな」





 

「あー、ラシュメール家の次女は研究者って聞いたんだけど。それも第4世代AIの開発に大きく関与しているらしいね。ぜひ技術部に欲し――」

「テクノラ代表、お断りさせていただきます」


「即答だね。そんなに睨まないでよ」


「あはは、テクノラ君、フラれましたね。部隊管理者の方達から送られてきた戦闘映像、見ましたよ。砲弾の嵐を掻い潜る様、凄かったですね。それに、妹さんが無事で本当に良かったです」


「ありがとうございます。ですが、ラブラリイ代表、出来れば家族をそっとしておいてあげたいのです。あまり取り上げるような事は……」


「ええ、大丈夫ですよ。ご家族の事は触れないように映像だけ利用させてもらいます。ところでシシハナさん、知ってますか?あなたが他部隊の人達からなんて呼ばれてるか」


「えっ、知らないです」


「獅子奮迅の女王、です!最近軍内でオールドネームが再流行し始めたみたいなんですよ。これがシシハナさんのオールドネームですね」


「なんだか嬉しいような恥ずかしいような……」


「最近出来た名前なのにオールドなの?」


「テクノラ君、野暮ですよ!」


「あー、これ以上ツッコまないでおくよ。ところで、新型への転換訓練はどう?機体が間に合わなくて悪いね。どうにかして前線に届けるから待っててよ」


「癖のある操縦ですけど慣れてきました。実機に乗るのが楽しみですよ」





 

「ランさん、ルナン、訓練に付き合ってくれてありがとうございましたっ!」


「こちらこそいい訓練になったわ。私とルナンちゃんに食らいつけるようになったんだもの。最初にあった時と比べたら見違える程に成長したね」


「ん、楽しかった。戻ったらまたやろ」


「逞しくなった貴方達を見ていると、ビーチェに落ちかけている所を助けたのが懐かしく感じますね。あれからいろいろありましたものね……」

 

「あはは、結局あんた達が反乱組織の二大勢力を潰したようなものだものね。ルーデルさんからしたら部下に欲しいくらいじゃない?まっ、渡さないけどねー!」


「うふふ、バレてましたか。ヨルカ代表の元から引き抜くのは骨が折れそうですわね」


「もちろん渡す気はないわよ!このヨルカ様率いる外縁宇宙防衛部が誇るエース達よ!」


 出撃準備を告げるサイレンが鳴り、会話がピタリと止む。サイレンが終わると共にヨルカ代表とイナリハ司令が声を張り上げた。


「さぁ、あんた達!頼んだわよ!」


「厳しい戦いになる。だが君達なら帰ってこられると信じている!第410艦隊所属独立遊撃斥候艦ハロンナ・フルオライト、出撃準備始め!」


 メイリアが小さく深呼吸をして、歩き出しながら胸元の携帯に向かって呟いた。

 

「フィア、きっとマゼンタヘッドが待ってるよ」


「ああ、俺もそんな気がする」


 こうして多くの人に見送られながら姿を新しくしたハロンナは、茜色のプラズマの海に向かって暗い宇宙へと出港した。




 ――5日後、道中では前線から帰ってくる友軍とすれ違う以外は何も起こらず、乗員は緊張感を保ちながら黙々と各自の仕事に取り組んでいた。が、センサーに敵がかかった事を告げる警報が鳴り響き、艦内に喧騒が訪れた。


「ついに来やがったか!お前達、準備はいいな!!さあ、やってやろうじゃないか」


「何が待ち受けているのやら。でも不思議と負ける気は微塵もしない」


 2人の声からは漲る戦意と闘志が溢れていた。

 機体に乗り込んだメイリアがカスタムパーツの最終チェックを開始した。


「整備班のみんな、機体の改修ありがとっ!」


「全機能オールグリーン!ああ、いい仕上がりだ!大事に使わせてもらいますよ!」


「壊したってまた直してやる!だからちゃんと帰ってこいよ!」


「ALOF隊、出撃準備整いましたか?敵はレッドアイ12機。6機の大型ブースターに騎乗しているのが確認できました。高速航路でも無い宙域で追加ブースターはあまり使いたくありません。艦を半端に離脱させるのは危険なので、護りながらの戦いをお願いします!」


「と言う事は、まずはあれから引きずり降ろさなきゃならんわけか」


「大爆発するアレですよね」


「フィアが目覚めた時に出てきたアレだね」


「ハロンナに当たったたらひとたまりもないだろうな。また電磁シールドを展開してるだろうし、どうやって引きずり降ろす?」


 各機装備を整え、カタパルトに乗りながら作戦を練る。


「俺は狙撃ライフルを持っていく。フィーリアはフェザーユニットで突撃して暴れてくれ。そこで何機か降ろすんだ。次にシシが待ち構えて、同じく数を減らす。残った奴らを俺が仕留める。三段構えの作戦だ」


 俺の目覚めてから最初の戦闘のデータを見返す。シールドの減衰率、狙撃ライフルがどの距離で当たって敵がミサイルから離脱したのか……。

 

「なるほど、データによると、前回と同じシールドなら近距離からの射撃なら突破できる。狙撃ライフルなら中距離なら突破できそうだ」


「了解、誘爆を狙えれば楽だけど、巻き込まれないようにね、2人とも」


「うん、シシちゃんも気をつけてね!」


「ALOF隊、出撃準備整った!艦長、行っていいか!」


「はい!気をつけて行ってきてくださいね!」


「了解!ラハラ・ラインラーク出るぞ!」

 

「シシハナ、行きます」


 2機が続けて発艦するのを見送る。メイリアが胸元のペンダントに祈りを捧げ、操縦桿を握り込む。メイリアもフィーリアもコンディションは最高の状態だ。

 

「よし、行こう!メイリアとフィア」

「うんっ!フィーリア、行ってきます!」


 艦から飛び出し、暗い宇宙で大きな羽を広げ、青白い翼を羽ばたかせた。

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