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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第15話 仲違いと仲直り

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15-2

「同士討ちをしない所を見ると知性が残っているようだな」


「さしずめ人工的にドミネイトを生み出す実験をしていた、という所ですかな」


「でもバラバラに走ってくるねーっ!そこまで知性は残ってないのかなーっ?」


「うむ」


 代表と管理者達が落ち着いた様子で分析をしている。確かに俺達に向かって一直線。隣を走る仲間の機体には見向きもしない、が協調性も感じられない。

 

「分析は助かるが、来るぞ!」


 鉤爪を振りかぶり、バラバラに飛びかかってくる。各々難なく避けるが、その攻撃スピードは想定以上のものだった。


「なんだ、動作が早い!?」


「機体もイジってあるのかな!?」


 地面に爪を突き立てて旋回する者もいれば、空中で身を翻し着地してみせる者もいた。まるで本物の獣のようだ。


「この動き、操縦とは違う……。生体接続操作か。ドヴァ、どこまで禁忌を犯すつもりだ」


 その代表の言葉は通信の向こう、ドヴァに訴えかけるような呟きだったが、反応はない。


「何それっ!?わわっ、危なっ!でも結局はクーリアでしょ、とりゃーっ!」


 ラピを引き裂こうと飛び掛かった敵機、だがすんでのところでラピが身をよじり躱す。地面によつん這いで着地したそいつに向かってスパイク付きのカカト落としをお見舞いしようとした所で、ヌバナが叫んだ。


「ラピ、迂闊じゃ!」


 背部のブースターで急加速して、ラピの背後から飛び掛かろうとするもう1機に体当たりをする。巨大な質量に跳ね除けられた敵のクーリアは、その体躯をひしゃげて転げ回った。


「だからクーリアは貧弱だと……、グハァ!」


「大丈夫か」


 先の転倒で体を痛めたヌバナにとって、体当たりの衝撃は相当堪えたようだ。動きの止まったヌバナ機をフォローするようにブルが傍らに立つ。

 

「ああ、すまぬな。ふっ、お主がそんなに心配してくれるなんて珍しいのう」


「うぬ、我の地は周りの族と争いが絶えぬ地。故にヌバナとラピのように手を取り合う族が羨ましい。自然と手を貸したくなる」


 寡黙な男が抑揚少なく語り始める。それと同時に四つ脚だった機体がシルエットを変えていく。前脚に重心を偏らせたかと思えば、そのまま二本足で自立する。そして後ろ脚だったものが腰のジョイント部で反転、三つ指の2本の腕と化し、四つ腕の機体へと変形していく。


「争い合う族には言葉など届かぬ。そう思うと、いつしか我の言葉も少なくなった。だが先の姉妹により言葉の持つ可能性を信じたくなったのだ。我らビーストルの代表よ。ドヴァ殿の言う事にも一理ある。武力を讃える時代は終わりにして、知性の象徴たる言葉を持って戦わねばならぬのかもな」


 両肩のキャノン砲を外し、脇に抱える様にして左右2本の腕でしっかりと支える。なるほど、あれなら近距離の敵にも砲撃をお見舞いする事が出来る。


「じい、ごめん。それとブル、ありがとっ!私、お喋りだから、ブルが言葉で戦うの手伝うよーっ!あっ、ブル左手側来るよっ!」


 それを聞いたブルが即座にキャノン砲を向け、発射。大口径の弾を避けきれず敵が吹き飛んだ。


「言葉か。そうだな。ブルよ、私も貴殿の意見に賛同だ。私は代表などと担ぎ上げられているが、言葉で戦う術をあまり知らぬ」


 襲い来る爪をマントを翻し、優雅に躱しながら直剣を滑らせるようにして敵機を刻むツヴァイス代表。既にこれで2体撃墜だ。


「はははっ、そういう事だったか。何故アインズと話していると癪に障るのか。奴は言葉での戦いが上手かった。私にはない力を持っていたのだ。だというのに、その力を良からぬ事に使っていた。それが癪に障っていたのだな」


 両断された機体を前にして独り言のようにそう呟いた。


「ちょっと、フィア!こっちに集中!」


 メイリアの言葉で気が逸れていた事に気づく。


「すまない!何やらあちらが盛り上がっていたからな」


「ああ、まったく。話しながら人の仇を安々と倒しちまいやがって」


「だけど良かった。ラハラが冷静でいてくれて」


「本当ならコイツ等の喉元に喰らいついてやりたいぜ。だが今はもっと殴ってやりたい奴がいる!」

 

 俺達とラハラで残りの1機を追い込もうとしているが、上手く逃げられてしまう。まるで時間を稼ぐように逃げの1手だったが、やられた仲間の残骸を見て急に雰囲気が変わった。


「メイリア、来る!」

「右、ちがっ、左!」

 

 突然のフェイントを交えた攻撃。先程までは隙きを突く攻撃や死角からの攻撃が多かったが、あくまで単調な飛び掛かりや切り裂き攻撃だった。それが急に逃げの姿勢からのフェイント攻撃だ。


「クッソが!怒りで知性が目覚めたかよ!」


 迫りくる鉤爪をラハラがメイスで受け止めてくれた。攻撃の失敗を悟や否や、すぐに後退しこちらの様子を伺い始めた。


「助かった!」

「ありがとうございます、隊長!」


「ふぅ、コイツ等にまた仲間をやられるのはごめんだぞ」


「皆さんお待たせしましたぁ!ドヴァさんの通信位置割り出せましたよ!座標ポイントを送信しました〜」


 アンビーからの通信だ。


「近いな。よし!手筈通り残りの1機は俺達に任せて2人は……」

「いや、行くのは3人じゃ。ラハラ殿、お主も行きなされ」


「うぬ、こやつ等は我らの武力信仰が生み出した様なものだ。ラインラークの過ちも含めて我々で清算したい」


「私達の代表、ツヴァイス様をよろしくねーっ!」


「お前達、感謝する。さぁ行くぞ、ラハラ、フィア、メイリア!」


「みなさん、気をつけて下さいね!」


 メイリアが心配そうに声をかけ、走り出したツヴァイス代表についていく。


「あんたらにはこの星に来てから世話になりっぱなしだな」


「気にするでない。お主らのお陰でこの齢にして多くの事に気づけた。さあ、行くのじゃ」


 通信から二人の会話が聞こえた後、ラハラが走り始める音が聞こてきた。そしてその後ろからは激しい戦闘音が響き始める。

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