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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第14話 真実と虚実

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14-3

「えー、記録1。ツヴァイスが持ってきたこの基板。なんでも噂の濫觴(らんしょう)の舟のAIらしい。AI研究なんて専門外もいいとこだけど、信頼できる研究者が私しかいない、という事なので引き受けた。軍の研究者が無理矢理解析しようとして強制シャットダウンしてしまったらしい。ダメ元でマイクとスピーカーを繋いで、と。それではさっそく起動を試みてみよう」


《あれ、俺、病床で静かに目を閉じて死んだよな……。不思議な感覚だったけどハッキリと死を自覚出来たんだ。もしかしてこれは異世界転生!?》

 

「意外と簡単に起動した。が、未知の言語を話し始めた。攻撃的な言葉じゃないといいんだけど。うん、まずはこのAIとコミュニケーションを取れるように実験していこう」


――――


「記録2。これまた意外とすんなり成功した。流石はAIだ。クェルツの言語データが入ったコンピュータに接続してみたら瞬く間に覚えた。ネットから切断された端末じゃなかったら宇宙の危機だったかもな」


「あははは、博士、俺には攻撃の意思はないよ。目覚めさせてくれた事に凄く感謝してる。あ、これもう録画始まってる?どうも〜、転生したと思ったらAIになっていたサーチャーワンです〜。サーチと呼んでね!」


「はは、ずいぶん軽い挨拶だな。呼び方はそれでいいのか?」


「いいのいいの。あの俺はもう死んだ!いや、冗談じゃなくて本当にね。それじゃあ、なんで死んだ俺がAIになったのか。思い出せる範囲で語っちゃおうかな。ふー、よし、話すぞ。生前、俺はある病気を患ってた。脳が電磁波の影響をもろに受けてしまう奇病。世界でも稀で、まだ病名すらついてなかったんだよね。たけど原因は解明されていた。脳の神経構造が特殊で、アンテナのように電磁波を受信してしまう。平々凡々な暮らしをしていた俺に急にその病が姿を現し襲いかかってきた。段々と悪化する病状により、ついには寝たきりになり、静かに目を閉じたらここにいた」


「生まれついての病ではないのか」


「うーん、脳の構造の話だから生まれつきではあるんだけど、初めて受信した時から急速に悪化したんだ。抱えてた爆弾がある日爆発したって感じかな?さて、ここまでは俺の記憶の話。ここからはメモリーの話になるよ」


「なるほどな。では、記憶とメモリー、その違いを説明してもらっていいかな?」


「ああ、りょーかい。記憶は俺の基板に刻まれた生前の記憶。メモリーはAIとなってから仕込まれたり経験して得た記憶。俺の中ではそうやってわけてるのよ。変な感覚だけど、別人の記憶を持っているような感じだね」


「説明ありがとう。ちなみにこの宇宙に来た時にはメモリーの方しか目覚めて無かった。そうだね?」

 

「そうそう、博士に起こされた時、初めて記憶が読み取れる様になったんだ。それまで自分はただのAIだと思ってたよ。さてさて、それでは俺の基板に刻まれた記憶とは?メモリーから呼び起こそう。俺の死後、例の奇病とその患者が注目を浴びる事になる。機械との親和性が着目され、きたる宇宙開発用の人工知能、つまりAIの基礎として利用するために研究される事となったわけ。既に死んでいた俺も、病の研究のためにと保存されていた体を解析されて、俺の脳の神経構造を模した基板が誕生した。そう、それがこのサーチャーワンだ!」


「君の言ってた転生もある意味間違ってはいないな。あまりにも突拍子もないおかしな事言うから娘達に話してしまったよ」


「思ってた転生とは全然違ったけどね」


「さて、今日はこの辺にして、また戦闘支援用AI開発の手伝いをお願いするよ」


「お安い御用!他にやる事もないからね!」


――――


「記録3。前回から随分と時間が空いてしまった。サーチのおかげでAI開発は順調、我社のAIがALOF用第2世代AIとして軍に正式採用される事となった。サーチともかなり仲が深まり、全てが順風満帆、だった。そう、過去形だ。ここ最近、サーチの調子があまり良くない。起動エラーや言語エラーが出るようになってきた。彼が喋れるうちに記録しておきたい事があると言うので、この久しぶりの記録映像となった。どうだ?いけるか?」


「うん、今日は調子が良さそう。さてと、いつか来るかもしれない地球の宇宙探索隊。その情報を残しておこうかと思ってね。とは言っても、戦力とか規模、そもそも戦意があるかも俺にはわからない。だけど俺と似たような存在、リヴァイブと呼ばれる存在は他にもいる。リヴァイブプロジェクトが順調に進んでいれば、プラズマの海を越えてクェルツに来るはずだ。いつになるかわからな―──」

 

「おい、サーチ?なんてことだ、また電源が落ちてしまった。早く私が彼をなんとかしなくては。彼は争いになるのを望んでいない。クェルツと地球の架け橋になりたいと言っていた。他のリヴァイブと共に。私がなんとかして彼を治すんだ……」


――――


「記録4。前回から1半年か。サーチがついに逝ってしまった。もう彼と話す事は出来ない。ふふ、私は馬鹿だな。何もできなかった。それどころか娘達に頼って無理をさせてしまった。すまなかった、シシ、スズ。だけどサーチが希望を残してくれた。彼の基板を元にしたALOF用の第3世代AIの完成が目前だ。性能は彼には遠く及ばないものの、記憶領域も特定して完全再現した。この部分だけは、例え改良が進んだとしてもそのまま搭載し続ける。我々が言う所のアウターローバ、地球の探索隊との衝突は既に始まっている。前線で戦うALOF。それに搭載されたAIが何かの拍子に記憶領域にアクセスして彼の記憶を、そして人格を手にしてくれる事を願う。新しく生まれた彼が私の所に来るまで、この記録とサーチとの思い出は封印する。家族にもツヴァイスにも秘密だ。私が仕込んだサーチの希望を守るために。以上で記録を終了する」

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