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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第14話 真実と虚実

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14-2

 ついにこの日が来た。その日の朝はメイリアも早く目が覚めた。まだ日が顔を出したばかりで薄暗い時間帯だった。雷雨は収まり、気温は早朝にしては少し高めだ。


「なんだか目が覚めちゃって。大丈夫、不安で眠れなかったとかじゃないから!」


 そう言って身支度を整え、外の空気を吸いに外へ出た。メドさんはもう起きていて、ちょうど玄関前を掃除していた。


「あら、メイリア様。おはよう御座います。お早いですね。よく眠れましたでしょうか?」


 と、少し不安気に聞いてきた。


「ええ、少し体を動かそうと思いまして!」


「そうですか、なら1つご注意を。柵の外には危険植物が群生しております。お出にならぬ様、お願いします。特に甘い匂いに誘われぬ様にして下さいね」


 了解です、と元気よく返事をし、携帯を胸ポケットに固定してランニングを始める。


「んー!大地を走るのってきもち〜」


「メイリアはほんと肉体派だな」


「あー、それって知能が抜け落ちてるってこと!?」


「あははは、それ気にしてたのか?」


「いや、そんな事ないけど、昨日スズちゃんと話して知的さを感じちゃったからさ」


 実際、昨日俺も話してみて、シシハナさんがメイリアとどこか似ていると言っていたのがよくわかった。言葉で表すなら人懐っこさや天真爛漫さ、といった部分だろうか。


「俺も2人に共通している部分があるとは感じたけど、メイリアにはメイリアの良さがある。そのメイリアの良さを再認識できたよ」


 メイリアの心拍数が上がり、無言になってしまった。俺もなんだか自分の発言が恥ずかしくなってきた。


「あ、甘い匂い!なんだろ!?行ってみよ!」


 きっと照れ隠しだろう。とりあえず気になった事を口に出した感があった。向かう先には柵があり、その向こうにクーリアの全高程の背の高い草が視界いっぱいに生えている。いやいや待て。


「おい、メドさんに言われたこと……」

「そっち危ないよーっ!」


 後ろから凄い速さで人が走ってくる。うさ耳が飛び出たボーイッシュな髪型。顔立ちは愛嬌があり、言動と同じく元気ハツラツな表情。ラピである。


「はっ!危ない!危険植物だ!」


「そだよーっ!トールドレイクって言ってね。甘い匂いで動物を誘い込んで、絡め取って栄養にしちゃうんだよっ!」


「ヒィィイ」


「気をつけろよ、メイリア。ありがとう、ラピ。助かったよ」


「いいんだよー!一緒に旅した仲じゃない!」


 ラピに感謝しつつ、噂の恐ろしい植物を観察していると何やら大型のトレーラーのような物がトールドレイクの草むらの中に置いてあるのを見つけた。


「ん?なんかトレーラーみたいな物が見えないか?メイリア、もうちょっと左」


「わわーっ!あれは気にしないで!」


「絡め取られた犠牲者が中にいるんじゃ……」


「違う違う!あれはツヴァイス様のとっておき!」


 ラピが言ってからハッとなる。


「今の忘れて!じゃねーっ!」


 またすごい速さで走り去っていく。


「あ、怪しい……。アンビーちゃんに報告だ!」


 ランニングを中断し、屋敷に戻ると食堂からカチャカチャと食器の音が聞こえた。


「わーっ。いい匂い〜。今度こそちゃんとしたご飯のいい匂いだよ!」


「もう誰か食べてるみたいだな」


 また香りに誘われメイリアが食堂の扉を開ける。テーブルに座っていたのはオウザだった。メイリアを見るなりビクッとして立ち上がった。


「わっ、ごめんなさい。ビックリさせちゃいましたか?」


「ああ、お気になさらず。脊髄反射みたいなものなので」


 そう言って食事もまだ残っているのに出ていってしまった。


「え、どういうこと?どうしたんだろう?」


「何か嫌われる事したんじゃないか?」


「いーや、あれは何かやましい事があるんだよ!」


「嫌われてるとしたら、そういうとこかもしれないぞ……」

 

 そんな会話をしていると、厨房からメドさんが顔を出し、朝食にするか聞いてきた。なんでも人数が多いから好きなタイミングで食べてくれ、という事らしい。

 目を輝かせ美味しそうな朝食を食べているとアンビーが起きてきた。


「おはよ〜。ふぁ〜、いい匂いだね〜。メーちゃん起きるの早いねぇ」


「ちょっとランニングしてたんだ。それより聞いてよ!」


 声を潜めて今朝会った2人の管理者についてアンビーに報告する。


「ほほ〜、怪しいですなぁ。実は私も昨日オウザさん以外の管理者と接触してみたんだ。オウザさんからはなんだか避けられてるみたい。ヌバナさんは代表に対する凄い忠誠心を感じたなぁ。ブルさんは寡黙過ぎて会話にならなかったよぉ。ラピさんは逆にペースに乗せられて雑談で終わっちゃった」


「おっ?僕の話してたっ!?」


「わーっ!ビックリした!」


 メイリアが軽く飛び上がる。勢い良く扉が開いたかと思えばラピとヌバナが入ってきたのだ。


「こら、ラピ!扉は静かに開けるのだ!」


 2人の会話は中断を余儀なくされ、そそくさと食事を終えて、食堂の外に出る。するとシシハナさんが歩いてくるのが見えた。その表情は昨日とは打って変わって、いつもの涼やかな顔に戻っていた。


「あ、おはよ。2人とも昨日はスズの件、ありがとう。それと、父さんから伝言。2時間後にハロンナ組は玄関前に集合して欲しい、だって。いよいよだね、フィア」


「そうですね。ここまで手回しありがとうございました、シシハナさん」


「感謝するのは私の方だよ、フィア。おかげで両親と仲直りするきっかけが出来た。スズの事は私がなんとかしなきゃだね」


「ふふ、頑張って下さいね、お姉ちゃん」


 メイリアがそう言うとシシハナさんは優しく微笑んだ。


 それからの2時間は部屋で静かに過ごした。窓辺に座り、眩しいくらいに晴れ渡る外を眺めて過ごすメイリア。時折、ぽつりと会話をしたが、その内容は俺とメイリアが出会ってここに来るまでの事柄だった。俺も窓辺に座るメイリアを眺めながらその事をずっと思い返していた。事あるごとに頭に浮かんできた疑問、俺は人なのかAIなのか、その答えがこれから得られる。そんな確信があった。


 集合の時間になった。階段を降りて玄関前に行くとラハラ、シシハナさん、アンビーの見慣れた3人。それとアオギさんとツヴァイス代表がいた。集まったのを見てアオギさんが口を開く。


「シシからだいたいの情報は聞きました。ここに何が隠されているのかも知っているそうですね。これからこの家の地下研究室について来てもらいます」


 そう言って外に出て納屋まで歩いて行き、8機のALOFが布を被さり置いてある前を通り過ぎた納屋の奥で、床に作られた土の被った扉を開けた。

 扉は小部屋に繋がっていて、そこに古びた大きなエレベーターがあった。一行はそれに乗り、地下へと降りていく。

 たどり着いたのは大きなひと部屋のいかにもな研究室だった。


「ここが地下研究室。元々は植物研究の施設だったんだけどね。あいつが来てからすっかり様変わりしてしまったよ」


 電源を復旧させながら、『あいつ』と指を指して示した。それは透明な大きな箱に入った黒い板だった。


「1から説明するよりこの記録映像を見てもらったほうが早いと思う。私とこの宇宙で初めての転生者の接触、その記録映像だ」

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