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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第14話 真実と虚実

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14-1

 夕方時、日が沈みかける空は、さっきまでは晴天だったのに、どこから現れたのか今では雷雲が覆っている。パタパタと雨粒が窓を叩き始めたかと思えば、雷鳴と共に窓を強く叩きつける音に変わった。


「誰か来たみたいだね。厄介な客じゃなきゃいいけど」


 ドアの前に立つシシハナさんが階下の様子を気にしている。


「また容疑者が増えてたりして……。それで、シシハナさん相談って?」


「スズハナの事なんだけど……。私と会おうともしてくれないんだ。ちょっと原因を探ってもらえないかな?」


「え、でも私まだ話した事もないですよ?」


「大丈夫、メイリアならすぐに仲良くなれるはず」


「う〜ん。わかりました、やってみます!私もスズハナさんと話してみたかったんだー!シシハナさんの妹さんだよ!?どんな子なのかな〜」


 メイリアのテンションの上がり方に不安を覚え、助っ人を期待して聞いてみる。


「アンビーはどうしたんですか?」


「隊長の部屋の前を通ったら、管理者の誰が怪しいか話し合ってる声が聞こえた。まぁ、一方的な感じだったけど……」


 俺達と同じ話題で盛り上がっているらしい。いや、盛り上がってはいないのか。ラハラはかなり眠そうだった。こんな言い方は良くないが、アンビーの話しに付き合わされているのかもしれない。メイリアとアンビーは道中寝てたから元気なのだ。


「ちょっとラハラと話したい事がある。せっかくだからアンビーも誘って3人で親睦を深めて来たらどうだ?」


 シシハナさんはメドさんに呼ばれているから、とその場を去り、俺達はラハラの部屋へと来た。メイリアがノックをするとアンビーののんびりとした返事が返ってきたので入室する。


「お邪魔しまーす。アンビーちゃん、私スズハナさんの所に行こうと思うんだけど、一緒にどう?」


「わ〜、楽しそうだねぇ。私も行く〜」


「良かった!隊長、フィアが話しがしたいそうなので、携帯置いていきますね」


「すぐ終わるから安心してくれ」


 ラハラが眠そうな声でわかった、と言ったのを聞いて、2人は携帯を置いて廊下へと出ていった。


「ふわぁ〜、助かったぜ、フィー。シシが家族と触れ合ってるのを見て、アンも寂しくなっちまったんだろうなぁ。親代わりだったイナと離れたばかりだしな」


「ああ、そうか。2人はイナリハ司令の元で師事を受けていた兄弟弟子の仲になるのか」


「そうだ。まぁ、年が離れてるから親密ってほどではないけどな。それで、話ってなんだ?」


 少し照れくさいが、意を決して言う。

 

「さっきの代表との会話。モノ扱いしないでくれ、だなんて言ってくれて、ありがとう。ただ感謝を伝えたかったんだ。この宇宙で初の友人がラハラで本当に良かったよ」


「おいおい、照れちまうな。フィー。自分の真実を知っても友人でいてくれよな」


「ああ、もちろんだ。こちらこそ頼むよ、ラハラ」


 俺のイビキを聞かせるのも悪いから、とわざわざメイリアの部屋に携帯を置きに行こうとしてくれた。だけど、ちょうど部屋から出た所でスズハナを連れた2人に遭遇。そのまま携帯をメイリアに返し、ラハラは自室へ。俺とメイリア達はアンビーの部屋へと向かった。


「すごいよね!メイちゃんは私と同い年なのに今話題のエースパイロット!アンさんはその年で艦長なんでしょ!?さらに新人類のフィアさん!話題性の塊だよ!」


「スズちゃんだってAI研究の最先端の現場にいるんでしょ?ベクトルは違えど私達すごいよ!」


「ええ〜、自分で言っちゃうの〜」


 あはははと楽しそうな笑い声が響く。その後も何気ない会話が続いたが、シシハナさんと俺の秘密にまつわる話については意図的にスズハナが話を逸らしていた。


「ところで〜、管理者の人達ってツヴァイス代表が連れてきたの?」


 アンビーが会話の合間に上手く管理者達について探りを入れた。


「ううん、違うよ。皆さんツヴァイスさんを追って別々に来たんだよ。あ、ヌバナさんとラピさんは2人一緒に来たけどね」


 ほうほう、とアンビーが頷いていると今度はメイリアが少し強引に、思いきった感じでシシハナさんとの仲について切り出した。


「シシハナさんのこと、避けてるみたいだけど何かあったの?」


 ちょっとムッとした顔でスズハナが答える。

 

「お姉ちゃんったら私が送ったメールに1度も返信してないの!この7年近い間に数え切れない程送ったのに!帰ってくるのにも私の元には1通も送ってないんだよ!」


「あー、それはシシハナさん……」

「やっちゃったね、シーちゃん」


 危うくシシハナさんの悪口大会が開かれそうになった所で、夕食の準備が出来た、とメドさんが呼びに来たので、ラハラを起こし、食堂へと向かった。


「食堂に全員は座れないからツヴァイス様と管理者の方々は客間で食べてもらってるの」


 と、食堂の扉を開けながらメドさんが説明する。が、食堂の席には既に狼の獣人が座っていた。


「あれ、ツヴァイス代表?客間で食べるんじゃ?」


「あ、メイリア様、この方は……」


「ははは、いや、間違えるのも無理はないよ。ご挨拶が遅れました。ツヴァイスの弟、ドヴァです。以後お見知りおきを」


 ドヴァが席から立ち上がり丁寧に挨拶をした。ツヴァイス代表とよく似てはいるが、言葉遣いや物腰は対照的だった。先程の新たな来客はこのドヴァであった。彼もまたツヴァイス代表を追ってラシュメール家まで来たとの事だ。


「いやー、兄がお世話になって申し訳ない。そのうえ、4人も彼を追って来て厄介になるなんて。あ、私も入れて5人か」


 ドヴァが少しおどけて場を和ませる。既に席に着いていたラシュメール夫妻とシシハナさんも笑顔で応対している。そんなシシハナさんの顔を見てスズハナが眉間にシワを寄せて言った。


「私も客間で食べていい?嫌いな人と一緒にご飯食べたくない」


 完全にシシハナさんに向けて放たれた言葉だ。その銃弾のような言葉はシシハナさんにヒットしたようで、耳がしょんぼりとしてしまった。


「ん、姉妹喧嘩かい?はは、私もよく兄とやったよ。ただね、嫌いな相手だからと避けていては何も解決しないよ?嫌いだからこそ相手を知る、戦略としても大事な事さ」


「さすが、ビーストルの戦略担当。武のツヴァイス、知のドヴァとはよく言ったもんだ」


 アオギさんが誇らしげに言う。


「ほら、スズ。久しぶりにお姉ちゃん帰ってきたんだから。一緒にご飯くらい食べてあげよ?ね?」


 オオハナさんに優しく諭され、ふくれっ面のまま席に座るスズハナだった。

 

「ふふ、連合軍となってからはすっかり形無しですがね。姉妹の仲直りの役に立てれば嬉しい限りですよ」


 メドさんの料理は前評判通り、美味しいらしく、ドヴァの談話と共に賑やかで楽しい食事となった。一部の関係を除いてだが。


 食事が終わり、部屋に引き上げようとした時、必死の形相でシシハナさんがメイリアとアンビーを捕まえた。そして、スズハナが怒っている理由を聞き、自らの過ちに気づいてさらに落ち込んでしまった。


 順番にお風呂も済ませ、夜も深まった頃、メイリアが就寝の準備をしながら、相変わらず雷雨な外を見ながら心配そうに言った。


「なんだか、落ち着かないね。明日、フィアの転生の秘密が明かされるのかな。帰るまでに、シシハナさん、スズちゃんと仲直りできるかな。それに管理者の人達、敵じゃなきゃいいんだけど……」


「そうだな……。もっと気楽な自分探しの旅かと思っていたよ。俺の秘密には多くの人の思惑が絡んでいそうだ。だが、悩み、考え続けていた答えがもう目の前にあるんだ。俺は迷わず進むよ」


「うん、私もとことんつき合うよ!ふぁ〜、お風呂入ったらどっと疲れが出てきた〜」


「ふふ、ゆっくりおやすみ。メイリア」

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