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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第13話 理性と獣性

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13-4

 通信を寄越した2機が姿を現す。1機はホワイテスだ。通常のホワイテス、というよりALOFとしては腕と脚が短く棘付きのナックルガード、膝にも棘付きの装甲を装備している。

 もう1機はグレイン。ただでさえゴツいグレインをさらに重装甲にしてある。左右の腰にはドリルが1つずつマウントされてる。


「ツヴァイス代表からの命令、ですか?私達は聞いてないんですけど〜」


 アンビーが警戒しながら聞く。確かに今は相手の言葉を信じられる要素が何もない。


「だってよー、じい。どする?帰る?」


 ラピと呼ばれた可愛らしい女声が明るく面白がっている風に言う。どうやら彼女がホワイテスに乗っているようだ。


「馬鹿を言うな。うむ、ちょうどいい。敵襲じゃ。客人らは見ていて下され」


 グレイン乗りの少し老け込んだ声、ヌバナが言うと共にレーダーに5機反応。樹の陰から迷彩柄ホワイテスがアサルトライフルを手に持ち、姿を見せる。すかさずラピがジグザグにステップを踏みながら敵中に入り込む。敵がアサルトライフルを構える間も与えない早業だった。


「ど、どうしよう。見てていいのかな」


 隊員だけに聞こえるように通信を切り替えながらメイリアがアンビーに相談する。


「う〜ん、そうだねぇ。あの迷彩柄は敵っぽいけどねぇ。戦ってもらった所で証拠としては弱いけど、ちょっと様子見してみよっかぁ。シーちゃんはどう思う?」


「手の内を見せる、きっとそれで信用してもらいたいのだと思う。あの人、武人っぽいから」


「シシはあの2人の事知らないのか?ツヴァイス代表の護衛官って線は?」


「知らないです。そもそもツヴァイス代表は護衛官を付けてないはずです。でもあの戦い方、どこかで聞いたことが……」


 ラピのホワイテスが迷彩柄の1機にパンチのラッシュを浴びせている。リーチの差をものともせず、いやむしろ逆に腕の内に飛び込む事で反撃を許さず一方的に殴り倒す、そういう戦法のようだ。


「ひゃっほっーう!そりゃそりゃそりゃあ

!」


 ラピに向かって敵が後ろから実体剣を持って走り寄る。察知したラピが振り返り、敵が振りかぶると同時に身を屈め脇の下を潜り抜ける。通り抜けるとともに振り返りざまの回転力を活かした膝蹴りを腹部に決めた。


「ふぅ〜うっ!」

 

 殴り倒され機能停止した迷彩柄ホワイテス2機を前に満足気な声を上げるラピ。

 

「メイリア、気が合うんじゃないか……?」


「あ〜、フィアさんもそう思うぅ?」


「私あんなに凶暴じゃないよ!」


 一方、重装甲グレインのヌバナは、ラピの初動の敵中に飛び込んだ動き、それによって敵部隊が撹乱されている内にノシノシと近づき、両手にドリルを手に取る。背面装甲が展開して大型のロケットノズルが姿を現す。ラピがラッシュを決めている時、敵の3体が攻撃準備を整えているヌバナに気づき、狙いをヌバナへと変更した。アサルトライフルの集中砲火が降り注ぐが、ものともせず、ノズルからオレンジ色の火を吹きながらドリルを突き出し突進。爆音と共に回転するドリルで2機を粉砕。地面をえぐりながら急制動しつつ、目の前の光景に恐れおののく1機に向かってドリルの先端を射出。ドリルが下半身をえぐり、地面に倒れて機能停止となった。


「燃料ロケット推進のALOFなんて始めて見たぜ。ったく、派手なのはどっちだよ……」


「やっぱり、グレインがランド族部隊の管理者、ホワイテスがラビド族部隊の管理者、お二方、そうですよね?」


 シシハナさんが2人に向かって通信する。


「ほほ、物知りですなぁ。そういう貴方がラシュメール家のご令嬢ですな?」


「むっかえに来ったよ〜」


「迎えに来た?」


「こら、ラピ!軽々と任務内容を言うでない!敵に聞かれてたらどうする!」


「エーッ!いいじゃん、その内バレる事じゃん?今ね、ツヴァイス様はラシュメール家にいるんだよ。だから、僕達の任務は君達を送り届ける事ってこと!」


「どの管理者が敵かわからない状況で行動を共にしたくないですが、目的地が一緒ならとりあえずついていきますかねぇ」


 また2人には聞こえないようにアンビーが通信をする。


「だな、艦長。こいつらと戦いたくはねぇな……」


 みんなが一斉に同意した。



 ジャングルの惨状は担当地区の方々に連絡して任せる事にして、ラシュメール家への旅が再開した。流石、案内役と行ったところか。それからの旅はスムーズに進み、あっという間にジャングルを抜けて次の区画へと入った。

 今度は砂漠地帯だ。砂の下を巨大な何かが蠢くのを感じたり、滝のような轟音を立てる流砂に飲み込まれそうになったり、バカでかい野鳥の群れに襲撃されたり。快適な旅では無かったが、敵襲もなく、すんなりとサバナ区の乾燥した平野へ入る事ができた。


「あとちょっとだよーっ!」


「砂漠歩くので神経使ったぜ……。あぁ、早く休みたい……。メイとアンが羨ましいぜ」


「ふふ、ラハラがそんな弱音を吐くなんて珍しいな」


「……んあ、砂漠抜けた?フィアありがとー」


 砂漠を歩く間、俺が操縦し、いつの間にかメイリアは寝ていた。それにつられるようにアンビーも寝てしまった。


「私もALOFでの砂漠横断は始めてだったけど、確かにキツかった。それにしても、ホワイテスならまだしも、あの重装甲のグレインで砂漠を横断するのは素直に凄いと思う」


「ほほ、私等の機体は地上専用に整えてあります故、大した事ではありませぬよ。そもそもその機体、クーリアは宇宙に特化しすぎている。地上で戦うのなら骨格がシッカリしているグレインが一番ですな」


「じい!まーた懐古発言してるー!グレインは重すぎるってー。バランスで見るならやっぱホワイテスでしょ!」


 彼らの言う通り、地上戦での格闘戦、という点に絞ればクーリアよりも優れていそうだ。それに完全に地上用にカスタマイズとチューニングされている。見た目はホワイテスとグレインだが、中身は別物と言っていいかもしれない。


 乾燥した平野を抜けると今度は背の高い植物が生い茂るエリアになった。遠目に家が見えるようになってきて、人の居住地に近づいている実感が湧いてくる。


「懐かしい、6、7年振りかな。あんまり変わってない。もうすぐ見えてくるはず。街外れの危険草原に佇むラシュメール屋敷、街の人達はみんなそう言ってた」


「危険草原に佇んでるんですか!?」


「植物研究のためにじゃないか?あ、もしかしてあれですか」


 ズームしてメインモニターに映す。道中見かけた家々とは比べ物にならないほど大きな屋敷が草原の中にぽつんと佇んでいた。

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