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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第12話 仲間と意志

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12-2

「暴れるのはいいですけど、隊長もシシハナさんも疲れてるんですから無理はしないで下さいよ!」


「ああ、もちろんだ。メイ、フィー、先陣を切ってくれ。残り3隻、雑魚共もそこまで数が出てこないだろう。撤退の準備が整うまで雑魚共を蹴散らすぞ」


「撤退するのですか?残りの3隻は撃破しないのですか?」


「おいおい、シシ。今回の戦いの目的はドミトリアの防衛線構築の時間稼ぎだろ?」


「そう……でしたね」


「他の宙域はどうなったんだろう。無事に引きつけられているだろうか」


 俺が口にした疑問でみんな黙ってしまった。沈黙しながらもしっかりと敵機を始末していく。


「なんだ……あれは、また新型なのか?」


 ラハラが沈黙を破り、驚きの声を出す。最後尾の艦、俺達が7番艦と呼ぶその艦から出てきた機体。

 漆黒に近い宇宙の深い黒をバックにマゼンタ色に発光する頭部。体は最低限のスラスターがついているだけで、装飾も無く、巨大な脳みそに貧相な体が力なくぶら下がっている、そんな印象を受けた。武装は見当たらない。


「今までの名称に倣えばマゼンタヘッドかな?」


 狂気を感じるそのフォルムに呆気にとられながらメイリアがぼそりと言う。

 ゆっくりと近づいてくるマゼンタヘッドの周りに、残ったドロンズ、イエロノーズ、アッシュレッグが集まり始める。こうして見るとまだまだ数が多い。


「何が始まるの……?」


 シシハナさんが呟き、息を呑んだその時、マゼンタヘッドが小ぶりなその手をこちらに向けてきた。と同時に集まっていた無人機達が一斉に、それぞれ複雑な機動を取り、しかし、統制の取れた曲芸飛行の様にこちらに向かってくる。


「無人機を操っているの!?フィア、エレクトロ行くよ!」


 敵機の進行方向に雷雲を作り出し、突入させる。だが、先頭を行く数機が突入して雷撃に撃たれ始めた所で爆発が起こり、雷雲が晴れていく。


「仲間を撃って爆発させた!?学習して対策を練ったようだな」


「あのピンク頭をやれば終わりそうだが、その前にこいつらの数を減らさねぇとだな」


「このコンディションでこの数と複雑な機動、堪えるね……」


 壁の様な一斉射が飛んでくる。それぞれ大きく迂回しながら回避に勤しむ。


「2人はハロンナに向かって下がっててください。私達はまだまだ元気ですから!」


「ハッハッハ、メイにそう言われると、ここで踏ん張りたくなってきたぜ」


「いないよりはマシ、やられたりしないから安心して」


「もーっ!なんで意地張ってるんですかー!」


 2人のコンディションは確かに心配だけど、残ってくれるのは正直言ってかなり助かる。

 なんとか数は減らしていけてるが、ペースは遅い。イエロノーズが盾役に徹してドロンズが牽制、アッシュレッグが撹乱と共に致命打を狙ってくる。これまであまり見られなかった異機種間での連携だ。

 ふと、シシハナさんとの追いかけっこで範囲外に来てしまっていたハロンナとの通信が復活した。


「みんな、大丈夫!?シーちゃんは無事!?すごい数の敵に囲まれてる……」


「アンビー、心配かけたね。呼びかけてくれてありがとう。っつ!」

 

「あぶねっ!現在、初めて見る無人機を操る機体とその無人機群との戦闘中だ!」

 

「アンビーちゃん、ルナンは無事!?」


「隊長、状況確認しました。詳細な状況を把握するために1度索敵をかけます。メーちゃん、ルナンちゃんは無事、敵を殲滅したよ。ただ機体の損耗が激しいから帰還してもらった。みんなあと少し…………だよ!」


 ハロンナの強力なレーダー波が到達したのを感知。その影響により通信が乱れたみたいだ。

 数秒後、詳細な敵数と配置が機体のレーダーに反映された。大半はドロンズだが、無人機達は57機。敵群が近すぎて主砲による一網打尽は無理だろう。

 メイリアは報告を聞き安堵の息をつき、レーダーを確認。操縦桿を強く握り込む。心拍数と体温の上昇を確認。だが、それは緊張によるものではなさそうだ。


「私達も格好いい所見せないとね、フィア」


「そうだな。みんな、イチかバチか、試したい事がある。エネルギーの調整のために少し時間を稼いでくれ」


 作成したプランを各機に送信。ラハラから承認がおりる。戦いが長引けばこちらが圧倒的に不利。イチかバチかでもやるしかない!


「フェザーユニットへのエネルギー充填完了。みんな、巻き込まれないように気をつけてくれよ!」


 ラハラとシシハナさんが敵の猛攻を避けながら上手いこと群れを直線上に誘導してくれている。本当に頼りになる仲間達だ。

 急速後退、群れと一旦距離を取る。フェザーユニットを最大まで展開。真後ろに向けて吹かし始める。その推力を打ち消すように四肢のスラスターを前方に向けて全力で噴射。


「メイリア衝撃に備えろよ!よし、今だ!」

 

「オーケー、フィア!リミッター解除!お願い、フェザーユニット!!」


 リミッター解除と同時に増設した制御機からフェザーユニットを切り離す。青白い翼が巨大な刃となって凄まじいスピードで敵群を強襲する。

 切り離した反動で機体が吹き飛ばされる。衝撃でメイリアが気を失う。各部に深刻なダメージが発生。警告が鳴り響く。


「メイリア!大丈夫か!?バイタルチェック。くそっ、うるさいっ!警告停止!メイリア!」


「大丈夫か!」

「大丈夫、メイリア!?」


「うぅん……。どう……なった?」

 

 2人が安堵のため息をつく。メイリアのバイタルは問題なさそうだ。メイリアの状態に気を取られ、戦況の把握を怠っていた事に気づく。


「大成功だな。ハロンナ、もう1度索敵を頼む。とんでもない戦果だぞ、これは」


 マゼンタヘッドは健在だが、無人機群がほぼ壊滅していた。戦艦に戻らないで1機で後退を始めるマゼンタヘッド、それと同時に通信にノイズが発生する。


「何このノイズ。あいつが何かしてるの?」


 シシハナさんの所にも発生しているようだ。きっとラハラの所にもだろう。

 動けない俺達を少数の残党から守るために追撃もできなさそうだ。


「気をつけて、敵艦がそっちに向かい始めたよ!みんな、相手にしないでハロンナに戻ってきて!もう大丈夫、私達の戦いは終わりだよ」


 ハロンナの後方から光が飛んできて、敵、5番艦を襲った。


「アン、今のは?」


「随分派手な戦いだったな。そして、良く耐えきった。ご苦労であった。これより、325艦隊が敵艦隊の殲滅に入る。美味しい所を取るようで悪いが、410艦隊はドミトリアへ帰って休んでくれ」


「援軍が来てくた……向こうから来てくれた!」


 高速巡航形態で近づいてくる多数のALOFの光を見て、メイリアが目を潤ませながら声を弾ませる。


「シシ、メイ達を引っ張ってハロンナへ向かうぞ。325艦隊、後は頼んだ」


「ハハハッ!頼まれるには少なすぎる数だな。まったく、こんなに大勢で来てバカみたいじゃないか。……本当に3人であの数をやったのか。敬意を表させて頂きたい、そして帰ってゆっくり休んでくれ」


 恐らくハロンナ達の索敵情報を共有して、部隊を編成してきたのだろう。そう言いながら、残り10機程になった無人機とラハラ達と入れ替わりで戦闘に入った。


「はぁ……終わった」


「ふふ、流石のシシもお疲れのようだな」


「……本当にご迷惑をおかけしました」


「気にするな、それよりも良く戻ってきてくれた」


「みんなが声を掛けてくれていたから浅い所で踏みとどまれました」


「また呑まれそうになったら電撃で治してあげますよ!あ、でもフェザーユニット壊れちゃったから……コックピットに電気ショック機能つけます?」


「え……それは勘弁して欲しいかな。というか、そんな事言うなんて、メイリア怒ってる?」


「怒ってないですよ〜!」


「ガッハッハ、シシへの電撃で変な趣味に目覚めたか」


「あ、隊長。それセク……」

「すまん、メイ。何でもない」

 

 疲労を滲ませながらもいつもの調子に戻っていく3人。楽しそうに会話するメイリアを眺めながら心からこの言葉を送った。


「みんな、お疲れ様」

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