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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第11話 独りと機械

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11-3

 6隻の戦艦が合流、8隻の艦隊になった事をハロンナのレーダーが示している。主砲、加速荷電粒子砲を警戒してか、散開して壁のようになって速度を上げながら追ってきている。


 たった2機で艦隊に向かっていくラハラとシシハナさんを見守りながらコックピット内でメイリアが心配そうに言う。


「たった2機出ていった所で相手にしてくれるのかな?」


「あの戦艦の電磁シールド。通常航行中は使ってないみたいなんだ。出力的な問題で使えないのかもしれないな。例えどんな小さな戦力でも1度痛い目を見たんだ、しっかりとシールドを張って対応してくるはずさ」


 ラハラから通信が入る。


「なぁ、フィー。アッシュレッグの機動についてどう思う?」


「解析中だからはっきりとした事は言えないが……」


「憶測で構わん。そういう憶測から突破口が開けるもんだ」


「ああ、何かの手がかりになる事を期待して言うよ。恐らくあれは磁界を足場にしている。フェザーユニットのプラズマを干渉させた加速、あれと似たようなものだろう」


「なるほど、あの気持ちの悪い弾丸もその技術の応用か。磁界を通して不規則に加速させていると考えると納得がいく」


「そうだな。その事からも、足だけでなく手にも磁界制御装着があるのだろうな。シールドのようにも使ってくるかもしれない」


「奴らもプラズマ制御技術が板についてきたって感じだね」


 シシハナさんの言うとおりだ。研究の末にクェルツ星団とは違った技術を生み出し始めている。


「それで、どうすればいいの?」


 ルナンがコックピット内から聞いてきた。ちなみに俺達の機体のコックピット内だ。


「それはまだわからないが……」


「ん?なんだ、フィー。両手に花か?」


「ラハラ、楽しそうにバカ言ってないで、この2人をなんとかしてくれ」


「だっはっは、悪いがあっちのバカ共の相手をする時間だ」


「数えるのも面倒な量ですね」

 

 2機が戦闘に入ったのを確認した後、すぐに180度回頭。船首を敵艦隊に向けて、艦砲射撃体勢に移行し始めるハロンナとニクト。


「動けなくなっても困るからな。70%の充填率で撃つぞ。いいかな?アンビー艦長」


「はい、敵も何の対策もなしに向かってこないでしょうから、様子見の1発ですねぇ」


 艦長になってからと言うもの、ほぼ常にヘッドセットを付けているからか、語尾ののんびり感がたまに出てきてしまっているアンビーである。

 ちなみに、驚いた事に、今ハロンナのブリッジはアンビーのワンオペだ。だが、それをいい事にオリジナルの統括プログラムを作成、業務の徹底的な円滑化を行い、その結果として余暇を作り出してしまった。メイリアがアンビーはとっても優秀と言っていた事を思い出す。


 前線の2機に向かって凄まじい数のドロンズとイエロノーズ、そして少数のアッシュレッグが敵意を向けている。


「ニクトゲン、加速荷電粒子砲、テーィッ!」


 デスト艦長の号令と共に渦を引き連れた光弾が敵艦に向かっていく。

 だが、何かに弾かれるように軌道がそれた。狙った敵艦は無傷のようだ。


「さらに強力なシールドを張ったか」


「なるほど、では次はこっちの番ですね〜。照準良し、充填率40%。ハロンナ、加速荷電粒子砲、行きます!」


 続けてハロンナから光弾が放たれる。今度は戦艦狙いではない。ぞろぞろと出てきて2人を追いかけ回している機動兵器達が狙いだ。射線上に誘導されたかなりの数のドロンズ、イエロノーズ、そしてアッシュレッグが光に飲み込まれて跡形もなく消え去った。


「さぁ、今度こそ俺達の番だ!シシ、好きに暴れろ!」


「では、そうさせて貰いますっ!」


 2つの青白い光が残存している敵の合間を縫うようにして暴れている。


「隊長、さっき主砲を受けた船……」


「パワーダウンしているのか!よし、いくぞ!」



 あっという間の出来事だった。敵艦1隻撃沈。7隻になった艦隊は俺達から離れるように後退していった。


「ちょっと、いきなり後退しちまったじゃないか。次の私達はどうすんのさ」

 

「ワトさん、あいつらはまた戻ってきますよ。お2人はコックピット待機でお願いします」


 ふんっ、と少し不満そうな荒い鼻息が聞こえてきた。

 

 しばらくして、ラハラ達が無事に帰ってきた。


「この調子で事が進んでくれれば楽なんだがな」


「時間を稼ぎたい我々には嬉しい状況ですが、このままとはいかないんでしょうね」


「お疲れ様、ふたりとも。アンちゃんがまたお菓子作っててくれたわよ。ほら、ルナンもいつまでもフィアちゃんに迷惑かけないの!」


 メインシートに仲良くお尻を半分ずつ乗せて、メインモニターに映し出されているさっきの戦闘の映像を釘付けになって見直している2人が正気を取り戻したように、狭いだあっち行けだで、また喧嘩を始めた。

 ラハラの言うとおり、なんだかんだでいいコンビになりそうな2人である。


 それから1日半後。敵艦隊が性懲りもなく戻ってきた。壁のように広がるのはやめて、また縦列に並んでいる。加速荷電粒子砲対策に相当苦戦しているのだろう。プラズマ漂う宇宙での遠距離からの超高精度大火力砲撃だ。なんとも頼もしい限りである。

 

 ワト、アンペアユチームが出撃する。ノーマルなクーリアのA装備だ。


「ハロンナ連中にばかり良い格好させられない。意地を見せるよ、アンペアユ!」


「了解、隊長。でも僕、無理はしないですよ」


 熱血漢とマイペース。そんな組み合わせのようだ。

 今度は少数の機動兵器が出迎える。


「主砲は少し温存しましょう。やっぱり連続使用はジェネレータへのダメージが大きいですね〜」


「こいつらと遊んで時間を使えばいいんだろう?構わないさ!オラァ!」


「隊長、がっつき過ぎ」


 2人の実力も申し分無かった。

 ワト隊長は近距離寄りな戦闘スタイル。近距離でもライフルをメインに使い、ライフルが使えない間合いの格闘戦は盾の尖端で殴っている。

 アンペアユは中距離メインだ。円を描く様に機動しながらライフルで正確な援護射撃を決めていく。

 順調に数を減らしていく2人の前に、2機のアッシュレッグが現れた。


「くそっ!アッシュレッグだ!ボルツの仇を取りたいが、そろそろ交代の時間か!?」


 そう、次は俺達とルナンチームだ。


「行くぞ、二人とも!」

「オーケー、フィア!」

「うん、がんばろ」


 2機のカスタム機がハロンナから発艦する。 

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