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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第11話 独りと機械

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11-1

 3番艦と4番艦から出てきたアッシュレッグは背中からオレンジ色の火を吹かしながら、一直線にこちらに向かってくる。


「奇怪な動きをするらしい、何が来てもいいように準備しておけ!」


「了解。2機で向かってくるなんて余程自信があるのか、それとも……。メイリア、距離を取って少し様子を見よう」


「そうだね、フィア」


「動きを見るなら任せて」


 そう言ってルナンが尻尾の接続を外し、また2丁狙撃銃に戻り、1機に狙いを絞ってリズミカルに射撃を開始する。

 

 敵を観察しながらルナンの射撃も観察してみた。

 なるほど、ルナンが2丁であれほど正確に射撃が出来る秘密がわかった。もちろん本人の技量が高いのは前提としてあるのだが、銃となっている武器腕を上手く使っている。

 銃としての機能だけでなく、しっかりとスラスターユニットとしても使えるようになっていて、そのユニットを射撃の反動を打ち消すように使うことでほぼ無反動での射撃を実現している。射撃によって生じる銃口のブレ、本来なら必要となるそれの修整が左手のスタンダードな狙撃銃の分だけで済むため、実質1丁で撃っているような感覚なのかもしれない。


 俺の観測でも命中確実、と思われたそんな射撃をアッシュレッグは回避した。直線的に動いてたかと思ったら突如空間を蹴るようにして鋭角的に跳ねる機動をしたのだ。これがラハラの言う奇怪な動きか。


「どうなってるの、フィア!?まるで宇宙空間に足場があるみたい……」


「わからない、データ収集中だ!」


「この動き、今までの対機動兵器戦闘とはわけが違ってくるね」


「アウターローバ驚異のメカニズムだな。カラクリはわからんが、やるしかない!」


「うう〜ん、当たらない。ちょっと後退する」


 距離を詰められる事を心配したルナンが後退を始める。それをカバーするように3機でアッシュレッグ達の進路上に立ちふさがり、近づけない様に射撃を開始する。

 鋭利で長い手の爪、つま先から長く伸びる刃、手持ち武器は無し。明らかに近接特化機体だ。あの機動で翻弄しながら近づいて斬り刻むつもりだろう。

 実際、今までにない動きに射撃補正プログラムが対応できない。むしろ惑わされる。


「くそっ、本当に当たらないな。けど、構わない、撃ち続けろ!フィー、データ収集と解析に集中だ!メイはしっかりフォローしてやれよ!」


「隊長、言われなくても、ですよ!」


 4機の集中砲火により、被弾はせずとも近づけないで回避行動に勤しむアッシュレッグ2機。データなら取り放題状態だ。様々なセンサーを使って収集、解析を進める。

 あの2機とは別の所でセンサーに3機分の反応あり。

 あっ、やばい。そういう作戦か!


「ステルスを被ってる奴がいる!みんな、気をつけろ!」


 見つけたステルス機をマークして各機に送信。すぐさまルナンが狙撃。何もないように見える場所に大きな火球が発生した。


「あの爆発、たぶんレッドアイだね。ルナン、こいつらは私がやるから大丈夫」


 ルナンの狙撃から少し遅れてステルス機がガトリングで攻撃を開始。たまたま狙われたシシハナさんが2機からの猛攻を回避しながら涼しげに言った。ALOFの変則的機動をこれでもか、と活かした動き。久しぶりに見て、改めて見惚れてしまう。まるで踊っているようだ。回避しながらも近づいていき、きっちり攻撃を入れていく。


 だが、シシハナさんが集中砲火から抜けた穴はデカかった。アッシュレッグ1機が俺達のすぐ近くまで来てしまった。

 両掌を突き出してこちらに向けてくる。手首に仕込まれた内蔵火器が火を吹いた。フェザーユニットを使うまでもなく回避。だが、思ったよりギリギリだった。口径の大きめな連射のきかないライフルのようだ。


「一旦、データ収集は終わりだな。来るぞ、メイリア!」


「悔しいけど結局手を借りる事になっちゃった。ごめんね、フィア」


「気にするな、メイリア。相棒として当然の事だろ」


 相棒という言葉に嬉しそうに顔をほころばせるメイリア。だが、操縦桿を握る手には力が入った。


「得体のしれない相手に近接戦闘は仕掛けたくないけど、背中を向けるよりはマシ!」


 ダガーを左手に持ち、オルタバレルを連射しながら敵の射撃を回避する。互いの弾丸を避けながら近接攻撃を叩き込むタイミングを計っている。なんだろう、敵の射撃が予測とはズレる。撃つ毎に弾速が変化している?

 そんな弾の1つが左脚先をかすめる。ほんの僅かに体勢が崩れたその瞬間に、例の跳躍で爪を振りかぶりながら向かってくる。


 操縦をメイリアに譲渡。オルタバレルを収納。ダガーを構えて、腕部ブレイドも展開できるように準備する。

 切り裂きの動きに合わせて腕を切断するように右腕のブレイドで斬り上げを繰り出す。だが、読まれた。振り下ろす腕をぴたりと止め、体を反らしてつま先の刃でコックピット目掛けてカウンターを仕掛けてきた。

 こちらも体を反らせて躱す。カウンター返しとばかりにダガーで足首を狙う。が、謎の斥力によって上手く斬りつけられなかった。敵の足の裏が視界に入る。噴射口とその周りにコイルのように管が渦を巻いていた。


 シシハナさんの方で火球が2つ発生。無事に倒したようだ。

 アッシュレッグの動きが一瞬止まり、撤退を始めた。ラハラもルナンの援護を受けながら、もう一機のアッシュレッグと戦闘を繰り広げていたが、そちらも同じように撤退を開始した。


「ハロンナから通信来た。艦影さらに6、向かってきてるって。1度戻って来いって言ってる」


「くそっ、冗談キツイな……。撤退戦は始まったばかり、という事か。よし、大人しく船に帰るぞ」

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