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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第10話 1人と1基

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10-5

 フェザーユニットから噴射される青いプラズマが骨組みだけの翼に羽根があるかのように見せる。


「ちょうどいい、リミット上限の直進推力がどんなものか、みてみよう。メイリア、キツかったら言ってくれ」


「オーケー、フィア!」


 最大出力の15%、これがリミット上限である。だけど、それでも巡航形態の3機を大きく引き離していく。

 視界の先にはハロンナと同型艦のニクトゲンがいる。その後ろには横幅があり、各所からトゲトゲしく飛び出た銃座が攻撃的な印象を与えている戦艦が4隻、縦に並んで追ってきていた。


「随分派手な機体だな。ハロンナ所属の機体か?」


 通信から低い男の声が響く。


「デスト艦長、お久しぶりです。メイリアです」


「なんと、メイリア嬢か。お嬢をこんなに頼もしく思う日が来るとはな」


「デスト艦長、ラハラです。そのまま後退を続けて下さい。このポイントで迎撃体制を敷いて、ハロンナと足止め役を交代です」


「ああ、これだけ猶予を貰えれば立て直せる。恩に着るぞ、ハロンナの諸君」


 ニクトゲンとすれ違う。減速してオルタバレルを装着。


「メイ、フィー、戦艦の懐に入る動きを見せて足を止めさせろ。迎撃体制に入らせないと意味がない!」


 ラハラの言うとおりだ。このまま素通りされそうな勢いである。

 敵艦の航行速度と自機の速度を合わせて並走。先頭の戦艦にまとわりつくように飛び回る。対空砲火がなかなかキツイが、高速で動きながらの射撃ならシーゲート防衛戦で経験を得た。フェザーユニットで動きに緩急を付けて対空砲火を惑わし、オルタバレル単発モードで、銃座を潰していく。

 敵艦の速度が落ちる、とともにドロンズが各艦から大量に現れる。


「今更ドロンズなんて、私達の敵じゃないよ!」


「ふふ、1機撃墜で大はしゃぎしてたのはいつの事だったかな」


「もー!格好良くてキメてるんだから、からかわないでよ〜」


 そんな軽口を叩きながらも危なげなく撃墜していく。

 ドロンズが出てきてから俺はフェザーユニットの制御と回避行動に専念してる。メイリアは今、ほぼ自力で射撃をメインにしながら立ち回り、撃墜数を増やしている。


「なんだ、射撃もやれば出来るじゃないか」


「フィアには遠く及ばないけどね。フィアの射撃戦見てたらなんとなくタイミングが掴めてきたんだ!射撃は呼吸が大事だね!」


 後方から来た閃光が通過する。ドロンズに命中。ルナンの狙撃だ。

 右腕銃と左手に持ったスタンダードな狙撃銃の2丁持ちだ。


「お待たせ。あ、右腕の調整テスト忘れてた」


「ほ〜ら、フィアに甘えてばかりいるから……」

 

 テンポよく連続で閃光が走る。閃光を目で追うと、その先でドロンズが火花を盛大に散らすか、たまに小さな火球へと変わる。まるで花火だ。


「私が合わせればいいの。射撃も恋も呼吸を合わせるのが大事。フィアとより呼吸が合うのも私の方だよ、たぬきちゃん」


「きーーっ!!この泥棒猫!!」

 

「言っとくが、俺には呼吸器がないぞ」


「フィーまで馬鹿な事言わんでいい……。だが、作戦の第1段階は成功だな。よくやった2人とも」


「殘念、先頭の艦が強力な電磁バリアを展開。私達の武器じゃ減衰して届かない。それとイエロノーズ8機が出てきたよ」


 駆けつけたシシハナさんがそう言いながら敵艦に向かってライフルを撃っている。ビーム弾が敵艦に近づくにつれ、霧散するように小さくなっていく。だが、敵艦からの対空砲火も無くなった。ドロンズとイエロノーズに集中できるわけだ。

 

 残っていたドロンズ達が8機のイエロノーズを援護するように囲って、密集した陣形を作っている。


「スタンアサルト、あれをやってみるか。お二人さん、いけるか?」


「「了解!」」


 フェザーユニットで敵が密集している周囲を飛び回りながら、ユニットの一対のスラスターから敵に向けて弱いプラズマを噴射。


「オルタバレル、フラッシュオーブへ切り替え、準備完了だ」

「発射!」

 

 オルタバレルの銃口から青白く淡い光球が放たれる。それが先程噴射したプラズマ雰囲気中に達した時、眩い光と共に敵機の間を繋ぐように(いかづち)が迸る。

 

 撃破まではいかない。この宇宙に来ると言う事はそれなりの電装系防御を持っている筈だからだ。だが、シシハナさん考案のフラッシュオーブの目的は動きを止めること。その効果は期待値以上であった。

 イエロノーズのスタンは2秒にも満たない。だけど3人の集中砲火により4機撃墜。ドロンズは大半が挙動がおかしくなったり、火花を散らして動かなくなったりで効果は絶大であった。


 イエロノーズ達が動き出す。が、その前にシシハナさんがソードを持って敵の陣形の内へ潜り込む。長い右手をしならせてシシハナ機を刻もうとするイエロノーズ達だが、斬りかかる腕を逆に切り落とされていく。そのままライフルの接射とソードの突刺しで2機撃破。さらにルナンの右腕による狙撃。イエロノーズの持つ盾から発生している電磁シールドを貫通。2機の頭部を撃ち抜いた。

 ラハラとメイリアは雷撃から生き残ったドロンズ達の始末だ。


「お姉さん、強いね」


「ありがとう、ルナン。あなたもいい腕だね」


「おいしい所持っていかれた気がする……」


「メイリアもよく頑張ったね。本当に強くなったよ。それにしても、まさかこれで終わり、何てことはないよね」


「ああ、みんな、大変だ。急いで退避だ。あれが来るぞ」


「……ザザ……行くよ〜」


 通信範囲ぎりぎりなためほぼ聞こえなかったがアンビーの声だ。モニターを見ると何かの射線が送られてきて表示されている。

 察して急いで退避。


 輪っかを引き連れた光線が先頭の戦艦にぶつかり、大爆発が起きる。

 

 2番目の戦艦は無傷のようだった。貫通していれば一網打尽だったのに……!


「あ、今ならいけるかも」


 ルナンがそう言って左手に持っていた狙撃銃を手放す。腰からぶら下がる尻尾を掴んで右腕の銃に接続した。


「チャージできた。撃つよ」


 ルナンが2番目の艦に向けて撃つ。

 先程の戦闘で見せてくれた右腕の射撃。その威力は十分凄かった。だが、腰から、いや腰のプラズマ制御装置から伸びるそのケーブルを接続した事でさらに威力が増した。

 太い閃光が電磁シールドを展開する前の2番艦を貫いた。また大爆発。


「逃げるなら逃げていいんだぞ、アウターローバ」


 ラハラが逃げていくのを期待するように呟いた。だが奴らが選んだ次の行動はまた戦闘だった。


 見たことない機体が2機出てくる。


 フェイスガードが狂暴そうな口に見えるツインアイの頭部。爪の長い2本腕で上半身は至ってシンプル。だが灰色の下半身が特徴的だ。膝が背中側を向いている逆関節。太腿が細く、ふくらはぎがかなり太い。つまさきから上に向かって鋭い刃が生えている。


「あいつが報告にあった新型。通称アッシュレッグ、だ」

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